望海風斗さんの退団後初ミュージカルが、発表されました。
ディズニーで映画化もされた大人気ミュージカル「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」、来年1月から2月の上演です。
ディズニー映画にもなった作品という選択肢に納得し、役に驚き、出演メンバーを見てまた納得という、驚きがたっぷり詰まったニュースでしたので、ご紹介させていただきます。
私見が入りますので、ご理解のある方だけ宜しくお願いいたします。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」
「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」は、ハッピーエンドで終わったおとぎ話のその後を描く、大人向けのストーリーです。
ディズニー映画になっているというところが、望海さんにぴったりですね。
「FNSうたの夏まつり」での素敵な世界が、脳裏に蘇りました。
宝塚在団中に、同じく歌が上手いことで知られた北翔海莉さん率いる星組公演「Love&Dream」のようなステージを、望海さんで観たいと願っていたものです。
それが別の形で退団後に叶うとはと、本当に嬉しい気分になりました。
宝塚ファンの皆様なら充分ご存じだと思いますが、男役トップさん退団後の初舞台では、たいてい「主役」か「ヒロイン」を演じられます。
ファンの間ではいわゆる「ご祝儀」と言われていて、トップさんの意向を汲んだ舞台ができるように、所属する事務所だけではなく、宝塚側からのアシストがあるといわれています。
望海さんほどのトップさんですから、当然歌を聴かせるタイプのミュージカルで、堂々たる主役を演じられると思っておりました。
しかし発表をよく見てみますと……。
「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」の魔女役。
思わず「ありえない!」と口に出してしまいました。
映画版のキャストでは、確かに魔女が主人公としてアナウンスされ、メリル・ストリープが演じていることでも話題になりました。
けれど呪いによって、老婆の姿にされた役です。
しかもミュージカル版では、パン屋の妻が主演女優賞を受賞しています。
ストーリーは、子供が出来ないパン屋の夫婦が、それが魔女の呪いのせいであることを知り、四つのアイテムを集めるために森の中に入っていく、というものです。
魔女も自らの母により、醜い老婆に見えるという呪いをかけられています。
そしてパン屋夫婦は、魔女に告げられた期限までにすべてのアイテムを揃え、ハッピーエンドに向かったはずが……。
オチはネタバレになりますので、伏せさせていただきます。
つまり主役はパン屋夫婦であり、魔女は狂言回しの役なのです。
トップさん退団後の一作目は、主役ではないんですか? そして美女役ではないんですか?
確かに一度は若さを取り戻しますが、基本的に醜い魔女の役なのです。
望海さんなら、絶世の美女役がハマりますよ?
第一作目はガラコンという考え方もありますけど、あれはノーカウントですよね。
そう考えながら、他のキャストを見ていきました。
朝海ひかるさんの退団後第一作目の舞台は、「蜘蛛女のキス」で主演でした。
映画女優と蜘蛛女の二役で、妖艶な美女を演じられましたね。
現役時代も放っていた妖しい雰囲気そのままに、場を支配する演技でした。
湖月わたるさんの退団後第一作目の舞台は、「Damn Yankees -くたばれ!ヤンキース-」で主演、セクシー美女役でした。現役時代は熱い漢役が得意で、抜群の包容力を誇っていた湖月さんが、いきなり男性を誘惑する金髪美女になって、驚きました。
麻実れいさん、毬谷友子さんの退団後初ミュージカルはさすがに知らないけど……と思って、はたと気づきました。
宝塚オタクの望海さんに相応しい、OGさん大集合の舞台なのですね!
もはや男役の伝説と言ってもいい、麻実れいさん。
いまだに若いファンが沼落ちしていく、圧倒的なスターさんです。
毬谷友子さんは今でも「最高の娘役」として名前が挙がる方ですね。
私の知り合いは娘役時代の毬谷さんを見て「お姫様って本当にいるんだ」と実感したそうです。
梅芸所属の麻実さん、湖月さん、朝海さんと並んだお名前。
望海さんまで梅芸に入るのかと勘違いしてしまいそうですが、ワタナベ・エンターテイメントです。
望海さんはコロナ禍で、退団日が変更になりました。
用意されていた舞台が飛んでしまった可能性も、大きいと思います。
明日海りおさんの退団後の初舞台「ポーの一族」も、急遽決まったものだと原作者の萩尾望都先生が仰っていました。
コロナによって外部の舞台の予定も大きく狂い、本来とは違う作品になった可能性もあると思います。
でも宝塚が大好きな望海さんが、宝塚OGに囲まれて退団後初ミュージカルに臨む。
望海さんの喜ぶ顔で目に浮かぶようです。
望海さんらしい第一作目が、楽しみです。
「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」は、素晴らしい音楽でも知られています。
「現在生きている最も偉大な舞台作詞家」とも言われる、ソンドハイム氏。
現代アメリカのミュージカルを、芸術にまで引き上げたとも評されています。
宝塚では「WEST SIDE STORY」が有名ですね。
「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」は作詞作曲を手掛けています。
公式サイトにも「難解なソンドハイムメロディの音符」と書かれています。
映画版のレビューの中には、キャストが歌いこなせていなかったという批評が、散見されます。
ソンドハイム氏の曲は難解で、わかりやすいリズムやメロディではありません。
歌が上手い方でないと、聴いているほうは、どんな曲なのかわからなくなってしまうことも。
その点、望海さんなら安心ですね。
ソンドハイムメロディを堪能できます。
望海さんだからこそ、歌詞と曲が一体となった素晴らしい歌を、堪能できそうです。
「INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-」が上演される来年が、待ち遠しいですね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。