現在の宝塚歌劇団花組トップコンビである柚香 光(ゆずか れい)さんと星風まどか(ほしかぜ まどか)さんは、いま円熟期に入っています。
さて今度はどんなコンビネーションを見せるのか??
7月7日に宝塚大劇場で初日を迎える、『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』。
ふりがなが無ければ絶対に読めないタイトルと、謎の「歌合戦」…
そして公開されたポスターを見ると、完全に和モノ作品であることが分かります。
一体どんな作品なの?見どころはどこなの?というたくさんの疑問に答えてみたいと思います!
日本初のオペレッタ映画!
作品の副題に「オペレッタ・ジャパネスク」とあります。
オペレッタはミュージカルに近い意味合いですが、ミュージカルよりもダンス要素は少なめで、基本的に喜劇。
宝塚でも2016年に星組でオペレッタ『こうもり』が上演されていますね。
『こうもり』は1874年にウィーンで上演された作品で、つまりオペラと同じように古い歴史のある舞台ジャンルです。
それを初の時代劇バージョンでやってみよう!とひらめいたのが、映画『鴛鴦歌合戦』です。
『鴛鴦歌合戦』は1939年に公開された映画で、監督はマキノ正博。
マキノ…マキノ……?
そういえば、今回と同じ小柳奈穂子先生演出の映画原作の月組公演『今夜、ロマンス劇場で』の主人公も映画監督を夢見るマキノだったような…?
そうです。
日本の映画界の先駆者といえば、牧野ファミリーなんです。
芸能にまつわる様々なジャンルで活躍しているマキノ一家。
例えば、安室奈美恵さんなどの多くのアーティストを育てた「沖縄アクターズスクール」を開校したのは、『鴛鴦歌合戦』の監督、マキノ正博の息子さんです。
きっとそこから、『今夜、ロマンス劇場で』の主人公も「牧野」が相応しかったのでしょうね。
主人公・浅井はダメ男なのにモテモテ!!
オペレッタは基本的にハッピーエンドの喜劇ですので、『鴛鴦歌合戦』もハッピーエンドです。
お話の雰囲気的には…雪組公演の『夢介千両みやげ』に近いのかな、と推測します。
確か、『夢介千両みやげ』も主人公の夢介がなんだかボーっとした冴えない男でした。
なのに、妙に江戸の女にモテモテ。
どうやら『鴛鴦歌合戦』の主人公、浅井礼三郎もそのような人物のようです。
麗しい柚香 光さんが和モノ…?一体どんな男なのかと思ったら、やっぱり柚香さんならではの「モテてモテてしょうがない」人物でした。
他にキーマンとなる登場人物は、永久輝せあ(とわき せあ)さん演じる峰沢丹波守。お城に住むお殿さまです。
星風さん演じるお春に一目惚れし、金の力を使って愛人にしようとする「バカ殿」です(^^;)
横暴で威張りくさっているお殿様というと「おじさん」のイメージですが、意外にもここで2番手格スターとなる永久輝せあさんを配役。
どのような悪役に仕上げてくるのか楽しみです!
他にも、花組の本公演には初出演となる専科の紫門ゆりや(しもん ゆりや)さんや、全日程休演となってしまった希波らいと(きなみ らいと)さんの代役として白羽の矢が立った天城れいん(あましろ れいん)さんの奮闘に注目です。
水美舞斗が抜けた花組のスター分布は如何に?
今回の『鴛鴦歌合戦/GRAND MIRAGE!』から、水美舞斗(みなみ まいと)さんが不在となります。
この専科異動がどのような意味を持っているのか、まだなんとも言えないところですが…
水美さんは2022年の本公演『巡礼の年/Fashionable Empire』の時から2番手羽根を背負っていました。
その時、3番手格だった永久輝さんはひとまわり小さい3番手羽根。
さらに、次の大劇場作品『うたかたの恋/ENCHANTEMENT(アンシャントマン)』では、水美さん:2番手羽根、永久輝さん:羽根無し、という明らかな区別!
それなのになぜここに来て水美さんが専科に…
そして、前回は羽根無しだった永久輝さんが、今回のショー『GRAND MIRAGE!』ではいきなりの2番手羽根になるのかどうか…?
もしそうだとしたら、3番手格になるであろう聖乃あすか(せいの あすか)さんが3番手羽根を…??
そんなところにも大注目が集まっています。
オペレッタ喜劇の初の舞台化というトピックスに加えて、花組事情が垣間見える重要な公演となりそうです。