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宝塚歌劇ノート・宝塚ブログ

宝塚音楽学校受験の挑戦の思い出「今だから伝えたいこと」

宝塚音楽学校の入学願書の発売日の時期になりました。

この時期になると思い出すのが、10年以上の私の宝塚音楽学校受験の時のこと。

私は宝塚音楽学校の受験を2回しました。

といっても2回とも1次ですぐに落ちているし、受験の準備も高校1年生の春から始め、受験スクールも冬季集中講座に1週間通っただけなので、受験についての記事も書くことはないかな・・・と思っていました。

でも、もし当時の私みたいな受験生の方がいらっしゃったら、伝えておきたいことがあるな〜と思い、今回はその時の宝塚音楽学校受験のお話をしたいと思います。

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私が宝塚受験をした時期

皆さんご存知の通り、宝塚歌劇団の舞台に立つためには、必ず宝塚音楽学校に入学しなければなりません。

宝塚音楽学校の受験倍率は毎年20倍前後といわれておりかなりの狭き門となっています。

私が受験したのは93期、94期の時代だったので今の受験方式とは実は全く異なります。

今の受験については全くの無知なのであしからず。

「あー今、活躍されてるスターさんたちは、こんな感じの受験だったのね」と思っていただければ幸いです。(ただし1次試験のみに限る)

その頃の私はこんな感じ

本当にただのありふれた「高校生から宝塚を目指し始めた田舎の子」でした。

高校入学と同時にバレエを始めたのですが、体が本当~に硬いし、宝塚との出会いは中3の冬とかだったので宝塚の知識も浅く、踊りの振り付けなんて全く覚えようもありませんでした。

かなり無謀なことを言っているにも関わらず、先生はすごく励ましてくださいました。

子供に混じってレッスンを受けたり、個人レッスンもしてくださいました。

先生は「とにかくレッスンに来ること!」と言ってくださっていたのですが。。。

レッスンに全くついていけない、物怖じする性格だったので超体育会系な教室の雰囲気にも馴染めず、大人も子供も混じって40人くらいがぎっしり教室に入っていたのでそこでも怖気づいてしまっていました。

当時入っていた演劇部の活動が忙しいことを言い訳に次第にレッスンをさぼるようになってしまいました。

はい、ここがしくじりです。

「サボるな!部活が大変ならどちらかを諦めろ!」と当時の私に出会ったら言ってやりたい。

いいですか?。

宝塚受験は18歳過ぎてしまうと二度と挑戦することができません。

もう諦めるしかなくなるんです。

期間限定の夢なんです。

部活も3年間しかありません。こちらも期間限定の夢です。

皆人生かけてやってるんです。宝塚受験も部活も。

みんな人生かけています。

どっちも中途半端になるくらいだったら、どっちか諦めることも考えましょ。
(両立できている人だったらどっちも頑張ったら良いと思います。)

そしてサボりたくなるくらい、教室が合わないんだったら退会してさっさと違う教室を探しましょう!

実際私は高校3年生の夏に少人数制で自分にすごく合った教室に出会い、バレエが大好きになりました。

「もっと早くここに移っていれば・・・」と後悔したくらいです。

バレエを始めて1年、高校1年生の冬の受験は諦めました。

サボってばかりいたのでまだ全然バレエが身についてなかったのです。

ここも、後から後悔しちゃうから、受けたかった。

今思えば宝塚にはまった中3の冬、「入りたい!」って一瞬でも思ったのならすぐにバレエ教室に通ってその年から受験しておけばよかった!って後悔します。

本当に後悔する意味っていうのは、「○○すれば受かったかもしれないのに」じゃなくて努力できなかった自分が許せなくて、後悔の嵐なんですよ。

「もうこれ以上どう頑張っても頑張れないくらい頑張ったけど、結果落ちてしまった。

でも、もう十分頑張ったから満足」って思いたかった!という後悔です。

次は「2度の宝塚音楽学校受験への挑戦」
↓↓↓

高校2年、宝塚音楽学校受験初めての挑戦

いよいよ初めての宝塚音楽学校の受験の挑戦です。

93期の年です。

受験スクールにも通っていなかったので、本当になにも知らない状態で行ってしまい、恐縮して何もできないくらいでした。

控え室で音楽学校生の方が、受験スクール生と楽しくお話されていたり、受験生が宝塚受験の専門スクールからの団体で来ていたようで、話す人がいない私にとっては、かなりアウェーでした。

娘役志望の方はワンピースを着てお団子で受験会場に向かって行くのに、私は何も知らずに普通に学校の制服で髪も縛らずに行っていたくらいでした。

今はネットでいくらでも音楽学校の受験の様子や受験生の動画が見られるので情報は得やすいと思います。

しかし、当時の情報源は宝塚グラフに載っていたイラストレーターますっくさんが描いている「波乱爆笑」のスターさんたちの受験秘話くらいでした。

一度目はそんな感じでボロボロだったので一念発起!

「よし、受験スクールに通おう」と思い、早速調べましたら、東京か大阪にしか受験スクールがありません。(当時の話です)

当時の私は、親を説得するのが面倒に感じ、部活を引退してから受験スクールに通うレッスン代を稼ぐためにバイトを始めました。

ここ!ここでもしくじってます。

スクールに通いたいんだったら意地でも親を説得しましょう!

バイトする時間があったらレッスンするなり、宝塚ビデオ観て研究したり振りコピしたりしましょ!

「うちにはそんなお金ない」とか言われてたら、物を買ってもらうのをやめたり宝塚観劇やDVDや歌劇・グラフの購入をしばらく諦めて本気だということを知らせましょう。

受験スクールでの1週間の冬季講座

高校3年生のラスト受験。

受験スクールに通うのは無理だと判断し、受験スクールで行われている冬季集中講座に行きました。

実はその受験スクールで一度ポキっと心折れました。

「こんなに上手くてキラキラした受験生いっぱいおるんに私なんか受からんやろ!」と。笑 

当時のスクール生の方で95期で合格された娘役の方が当時からオーラを放っており、教室の隅で「あの子みたいな子が受かるんだろうね」と同じく心折れたルームメイトと話していたのを今でも覚えています。

でも受験スクールはめちゃくちゃ楽しかったんです。

すごいダイエットさせられたり、毎日筋トレが激しくてクッタクタになって帰ってきてるのに同室の受験スクールの先輩がいきなり料理をし始めて付き合わされたり。

「○○ちゃんと○○ちゃん今日ぴったりくっついてて怪しくなかった?」と、女子校みたいな噂を立てていたりと、「ああ宝塚音楽学校ってこんな感じなんかなぁ」と疑似体験できました。
(いや、宝塚音楽学校がどんなんか知らんけど。)

そして迎えた二度目、ラスト受験

二度目の受験は受験スクールでも学ぶことがたくさんあったし、二度目の余裕もあり、受験スクールや声楽の教室で受験友達もたくさん増えたので全く物怖じせずに、受験会場にいることができました。

特にバレエ教室が同じだった受験友達と同じグループだったので振りの確認を一緒にしたり、待ち時間も一緒に過ごせたりしてリラックスしていました。

音楽学校生の方ともお話できて、「頑張ってね」とプリクラつきのキットカットを頂いて本当に嬉しかったです。

私もあんな風になりたかったなぁって、最近になってとても憧れちゃってます。

もう退団されている方ですが、あのときは嬉しかったです。

この場を借りて、ありがとうございました。

舞台で人を笑顔にするジェンヌさんの卵さん。

舞台以外の場所でも輝いて、笑顔にさせてくれて。

ああ、やっぱり宝塚音楽学校って素晴らしいところだなぁと思いました。

次は「不合格で気づいた!後悔の嵐」
↓↓↓↓↓↓

残念ながら、最後の宝塚音楽学校受験も1次落ちで終わってしまった。

「もうあの舞台に立つ夢を見ることすら許されないんだ」と思うと、しばらくは観劇するのも辛かったです。

後悔の嵐のはじまり

実は、その年「学校へ行こう」で宝塚音楽学校受験生をとりあげられていました。

冬期講習で行った受験スクールが写っていて、この人見かけたな~とか、あ、アドレス交換した人だーとか思いながら見ました。

受験生の皆さんがすごくすごく努力されているのを目の当たりにした。

「私は何をもって頑張ったって言えるの?もっともっと努力できたはずなのに・・・。

どうしてもっと頑張れなかったんだろう」と後悔がはじまりました。

もっと頑張って、頑張った結果ダメだったとしてもそこまで頑張れたプロセスがあるから、次の夢・目標に向かって頑張れると思います。

私は中途半端にしか頑張れなかった。

次もなんとなく地元で簡単に入れる大学になんの目標もなく入学してしまった。

この大学の4年間も辛かったです。

「ああ大学なんて入るんじゃなかった。もっとゆっくり次の夢を見つけたかった」

「一年バイトして舞台の勉強ができる養成所とか探せばよかった」とか次々と後悔の嵐が押し寄せました。

私から言えること

ガチな受験生な方には私から言えることなんて何一つありません。

頑張ってください。

もしその当時の私のように中途半端になっている受験生の方がいましたら、言わせて!

色々捨ててレッスンに集中しろ!

遊びに行くな!

バイトするな!

『宝塚ダメだったら、とりあえず大学行っとくか』と、夢も目標もなく大学に行くのではなく、次のことを考えられないのだったらフリーターになる勢いで自分の人生考えなおそうよ。

「とにかく頑張れ!もう頑張れないくらい頑張れ!今頑張らなかったツケが今後15年はつきまとうぞ!」

中途半端な受験生のお母様がもしこの記事を見ていらっしゃいましたら、どうぞ本気で応援してあげてくださいね。

一つだけ嬉しかったこと

1次であっさり落ちてしまったわけですが、母に「ダメだった」と告げると「頑張ったね」と言ってくれました。

母からみたら頑張っていた。

もしかしたら、どんだけ頑張っても後から考えたら「もっと頑張れた」って思っちゃうのかもしれませんね。

最近の受験スクールについて

最近のことはよく分かりません。

しかし、たくさんの宝塚OGさんが受験スクールを開設していて、そこから「今年は○人受かりました!」と報告が書いてありますよね。

でも最近の募集人数って40人だから、ほぼほぼ受験スクールの生徒さんです。

別のスクールで勤めていたらOGさん同士でライバルになっているのかな?

なんせ受験スクールは短期講習だけでも行ってみたらいいですよ!楽しかったし!

地元ではなかなか宝塚の話ができる友達がいなくても受験スクールには、同じ目標を持ったお友達がたくさんいて、宝塚の話を思う存分できるのが何よりも楽しい!。

「記念受験」について

宝塚受験には記念受験の人も一定数いるとよくネットに書いてあるのを見ます。

2回しか受験していませんが、実は「記念受験」っぽい方と遭遇することはありませんでした。

私みたいな下手くそな人を見て「記念受験」と思われているのかもしれません、

そうだとしたらとても悲しいことです。
(今は一次試験が面接だけなのでそういう記念受験ぽい方もいらっしゃるのかも分かりませんが・・・)

今までグダグダと受験までのプロセスのしくじりを書いてきましたが、すべて「今だから言えること」です。

当時は必死でした。

学校・部活との両立。(出来ていたとはいえないかもしれませんが)

レッスンが終わって家に着いたら22時すぎでそれから学校の宿題・部活の台詞覚え・ストレッチなど寝る時間も無く頑張っていました。

大人になった私からみたら要領悪すぎ!って言いたくなっちゃうけど。

当時は必死に夢見ていました。

当時の自分なりの努力をしていました。

そんな人のこと、「記念受験はガチな人の邪魔になるから控えましょう」というのは悲しいことです。

だって応募資格は中3~高3までの女子で学校行ってる人・容姿端麗で卒業後宝塚歌劇団の生徒として舞台人に適する者だよ。

バレエを何年習っていなきゃいけないとか、受験スクールに通ってなきゃいけないとかは応募資格には書いていない。

割と普通の人でも当てはまるよ。

だから私はすべての受験生の皆さんを、応援します!

応募資格があって夢とやる気と根性があったら誰でも受験しても良いんじゃない?だって受験資格があるから。

今この年になってから思うことは「1歳でも若い人間の方が魅力的。」

大人とは、若さに憧れる生き物です!

審査員も大人だから1歳でも若い方が魅力を感じてしまうかもしれません。

「準備万端にしてから受験しよう!」ではなく「受験資格があるからチャンスは1度だって無駄にはしない!」と考えて頑張って欲しいです。

南ここみ


宝塚音楽学校
宝塚音楽学校の公式サイト。「清く正しく美しく」をモットーに、芸能の基本と女性としての教養を学びます。
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