宝塚歌劇団の花組、27代目トップスター明日海りおが退団して、まだ3週間しか経っていない。
たった3週間なのに、なんだか、もっと長くお会いしていないよう気すらするのは、どれだけ、毎日、明日海りおさんの姿を楽しみにしてきたんだろう・・・と改めて思う。
あの退団の発表を聞いた時、1つの時代が終わるように感じたのは私だけではないでしょう。2014年からトップとなり今では宝塚の顔とも言える明日海さんの退団は本当に衝撃でした。
異例のWトップを経験した明日海りお
私が宝塚歌劇を見始めたのは2011年から。
この時すでに明日海さんはスターで、当時2番手だった龍真咲さんとW2番手のような扱いをされていました。
初心者の私が見てもこの人は絶対トップになるなと思うくらい、すでにオーラがある人でした。
しかし、今思うとあの時の明日海さんは常にプレッシャーがあったのではないかと思います。
2期上の龍さんとの役替わり、異例のWトップ。
きっと想像もつかないほど目まぐるしい日々だったのでしょうね。
身長が男役にしてはあまり高くなく、可愛らしい顔立ちなこともあり過去には女役を演じることもありましたが、男役をしたい!という強い気持ちで男役をここまで続けて来たように感じられます。
宝塚愛、男役への愛が一際強かったのも明日海さんの魅力の1つではないでしょうか。
また明日海さんには相手役が4人いますが、どの娘役さんと組んでも明日海さんは輝いていました。蘭乃さん、花乃さん、仙名さんの3人の相手役を見送った明日海さん。
3人が「お姫様」として扱ってもらえて、サヨナラショーで彼女たちが主役で輝いている姿を見ることが出来、ファンも嬉しかったです。
明日海りおラストディ
そんな明日海さんの退団公演は彼女しか演じられないであろう薔薇の妖精エリュ。
人間離れした美しい佇まいは全てのファンを魅了しました。
シャーロットを慈しむ姿も、彼女を想って苦悩する姿も、ラストの神々しさも、明日海さんにしかできない輝きを放っていました。
ショーでは毎日茶目っ気のあるアドリブで笑いを誘い、花組全員の場面では、明日海さんに向かっていく組子の力に圧倒されました。
何より黒燕尾が美しく、明日海さんが今まで演じた作品のモチーフが入っていて客席の涙を誘いました。
瀬戸さん、水美さん、柚香さんが明日海さんと一人ずつ踊るシーンは次の花組を託すように感じられました。
サヨナラショーはこれまでの明日海さんの場面がギュっと詰まったものになっていました。
男役明日海りお全開!な姿を見せたかと思うと、「今日でタカラジェンヌではなくなってしまうので、明日からはニセタカラジェンヌですので、外で見かけたらお気軽に声をかけて下さい」と声をかけるなど最後までゆるふわな明日海さんでしたね。
11月24日の千秋楽のパレードには1万人が劇場前に集結して明日海さんの退団を惜しみました。
そしてなんと全国189の映画館で開催されたライブビューイングは7万人を超える動員になったそうです。
7万人という数字は、東京宝塚劇場のほぼ1カ月の入場者数に匹敵します。
明日海さんの退団がいかにビッグイベントであるのかを再確認しました。
宝塚OGになった明日海りお
退団後は宝塚の舞台や外部の舞台を見に行っている様子がファンの間で話題になっていました。
声を掛けたファン達にもにこやかに対応をされているご様子で、本当に明日海さんらしいなと思います。
また、12月12日、明日海さんが宝塚を訪れましたね。
久しぶりの明日海さんの姿にファンも大興奮でした。
まだ男役のような出で立ちで、いつものお稽古の入りのような錯覚を覚えました。
舞台やメディアでお目にかかれる日を楽しみに待ちたいと思います。
「いまここで消えてなくなれたら、永遠にタカラジェンヌでいられる」それ程までに宝塚を愛し男役を愛した明日海さん。
全てを宝塚に捧げてくれて本当にありがとうございました。
花組27代目トップスター明日海りお、永遠なれ!