宝塚ファンなら、「特にハマっていた時期」ってありませんか?
私はプライベートな時間が沢山あった大学生時代に一番ハマり、アルバイトで貯めたお金で兵庫、東京、大阪などの公演に足を運んでいました。
そんな時期特に好きだったジェンヌさんが、未涼亜希(みすず あき)さんです。
2014年に退団され、現在はインスタグラムでたまにお見かけします。
ニュースなどでもトップスターさんほど取り上げられてはいなかったですが、だからこそ!(笑)現役時代の彼女の魅力を語っていきたいとおもいます。
何か背負っているような大人の色気
私が未涼さんに強烈な印象をもつようになったのは、2010年花組公演の「虞美人」張良役でした。
張良という人物自体ものすごく頭脳派で、常に的確な戦略をたてる“参謀”のようなイメージがあります。
壮さん演じる陽気な感じの劉邦を導く、落ち着きながらも迫力のある雰囲気がとても上手かったです。
シンプルに考えて、セリフや佇まいから重みを感じさせることができるって凄いですよね。
きっと物凄く根詰めて役作りをされたんだなあと感じました。
後に未涼さん自身もインタビューで「張良は好きな役ですが、もう一度演じるとなったらつらいかな。痩せたかったらこの役をやればいいと思う(笑)」と仰っています。
雪組に組替えされてからは、「ドン・カルロス」のフェリペ2世や「黒い瞳」のプガチョフといった、更に“背負っている感”が強い役を好演されています。
渋い役でも大人の色気、かっこよさがあるところが本当にすごいなと…。
こうしてみると、芸能界でいう岡田准一さんみたいな存在かもしれませんね。
同時トップだった音月桂さんや舞羽美海さんがどちらかというと可愛らしい印象だったので、未涼さんの場が締まるような雰囲気が雪組の舞台に味をいれていたのかもしれません。
クールな人が見せる1割の可愛さ
そんな未涼さんですが、実はプライベートではパンダが好きという!!
舞台ではあんなに落ち着いていてクールで淡々としたイメージなのに、そんな可愛いものが好きとは・・・。もうズルいですよね(笑)。
やはり人間、ギャップがある人に惹かれるんですね。
ちなみに、可愛さ全開のパンダよりは、「私、ブサイクですけど、いいでしょうか・・・??」的なオーラを醸し出しているパンダが好みだそうです(笑)。
言葉の選び方も秀逸ですね。
最後の主演作「ブラック・ジャックー許されざる者への挽歌―」
未涼さんの初ドラマシティ公演ということで、大阪まで観に行ってまいりました。
これまで書いてきたような未涼さんのストイックさとお茶目さの両方が発揮された舞台だったと思います。
ブラック・ジャックは、無免許ながら天才的な医療技術をもつミステリアスな役どころですが、桃花ひなさん演じるピノコとのシーンは、本当に保護者!結局この人は優しいんだなと感じるようなほっこりとしたやりとりです。
黒を基調とし、暗めに統一された舞台演出でしたが、客席からはよく笑いが起こっていました(笑)。
公演後は、同じく現役時代ブラック・ジャックを演じられた安寿ミラさんとのトークショーがありました。
舞台ではあんなにクールなのに、安寿さんという憧れの大先輩の前では、声色も話すスピードも若干上がり下級生モード全開でした。
未涼さんが研10を超えてからファンになった私にとっては新鮮なお姿でした。
この当時はまだまだ退団されるとは思っていなかったですが、結果として未涼さんが最後に主演を務められたこの作品で、彼女の二つの魅力を同時に観れたことが本当に良かったと思っています。
雪組の3番手まで登り詰めた未涼さんですが、残念ながらトップスターにはなれませんでした。
しかし今では、本当にすぱっという感じで退団されていったことも、憂いを帯びていて魅力を感じます。不思議ですね。未涼さんのような深みのある美しさを観ると、自分も今を地道に頑張ろう!って思います。
だから定期的にDVDなどで彼女の舞台を観返したくなる。
実際、ノスタルジックな気持ちになるとストレスを乗り越えやすくなるみたいです(笑)。
コロナの影響で気持ちが落ち込みやすいこの時期に、皆様もぜひ昔特に好きだったタカラジェンヌさんの作品を観返してみてはいかがでしょうか?
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