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雪組・縣千主演「Sweet Little Rock ‘n’ Roll」キャスト別観劇レポ

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇団雪組のバウホール公演「Sweet Little Rock ‘n’ Roll」で縣千さんが初主演を務めました。

若手の活躍の場であり、新人公演主演の次のスターへのステップとしての場所であるバウホールでの主演は大変注目度が高いです。

若手らしく、華々しいこの公演をレポートしたいと思います。

初演は1985年に月組で「スウィート・リトル・ロックンロール」として上演されました。

当時は桐さと実さん、涼風真世さんのダブル主演で上演されました。

この時はロバートを桐さん、ビリーを涼風さんが演じました。

そして相手役となるメアリーを朝凪鈴さん、シンディーをこだま愛さんが演じています。

3番手格と思われるロッキーをこの直後に星組へと組替えとなる麻路さきさん、重要なスタージョンを若央りささんが演じているのも興味深いです。

そして、2022年リメイクされたこの「Sweet Little Rock ‘n’ Roll」はバウホール初主演作品にふさわしく、若さ溢れる公演となりました。

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主演・ビリー役の縣千さん

田舎町から来た転校生で、なかなかにカッコつけで、硬派ですが女子にモテます。

シンディーとはお互い意地を張ったり、素直になれない関係ですが、クラスメイトとはすぐに打ち解け、ロバートとメアリーを恋人同士にする作戦に加わったり、と大活躍。

シンディーのことは心の中では悪く思っていない様子で、皆の作戦にはめられた際には案外すぐに認めてしまう可愛さも。

学園物で学生、という新鮮な設定も縣さんの新しい魅力が発見できました。

新聞社のオンライン記事で話題となったあのシーンも、跳躍力のすごさを実感。

あれはすごいですね。

フィナーレもダンスナンバーで魅了し、バウホール初主演を成功させました。

シンディー役の夢白あやさん

今まではどちらかというと大人っぽいイメージがありました。

宙組時代の「神々の土地」新人公演でのイリナ役など、落ち着いた印象が強かったですが、今回の優等生でちょっと気の強い女の子も見事に演じ、振り幅の広さ、引き出しの多さを感じさせました。

現在の雪組では娘役の2番手格になると思いますが、しっかりと存在感を出し、これからが楽しみです。

ロバート役の彩海せらさん

ビリーとは対照的なちょっと恋に晩稲な男の子を演じました。

メアリーへの恋心と、それを伝えられない悩みや葛藤がよく伝わり、この作品を盛り上げました。

演技が丁寧で、変化する表情が魅力的。

月組への組替えが発表されており、今後ますます期待のスターです。

メアリー役の音彩唯さん

この前の「CITY HUNTER」の新人公演ではヒロインを演じた娘役の注目株です。

メアリーは、優等生でロバートから恋されますが、おっとりとした雰囲気を持ちながらも、いざとなると男子相手でも向かっていく強さがあり、観客の心をつかみました。

ロッキー役の眞ノ宮るいさん

単純で脳筋っぽいちょっとワルな男子学生をコミカルに作り上げました。

ミリーと恋人になり、後に彼女への猜疑心から騒動に発展してしまいますが、彼女への熱い愛が伝わってきました。

ミリー役の華純沙那さん

106期で、今現在研2です。

ロッキーと結ばれますが、ぐいぐいジョーの横恋慕が発端となり、ロッキーにちょっとお仕置きのような形で愛を確認します。

目立つ役で今後、どう育っていくのか目が離せません。

コメディ作品の今作

傑作か、大作かと問われると、たわいもない話で、特に仕掛けのあるようなものではありませんが、若手の頑張りを見守る意味ではよかったのではないでしょうか。

上級生、中堅が脇を固め、グッドマン役の奏乃はるとさんは出すぎず、やりすぎず、コメディが成功する鉄則を守っていました。

また、フレディ役の真那春人さん、マクリーン役の愛すみれさんが、キャラを作り上げ、上手く若手を引っ張っていました。

ぐいぐいジョー役の天月翼さんや、ジュニア役の壮海はるまさんも存在感がありました。

中でも、スタージョン役の麻斗海伶さんの表情の動かし方や、居方にセンスを感じて、うれしくなりました。

これから組替えが予定される中でのこの公演、雪組の今後の布陣がどうなるのか、どうしたいのか、少しずつ見えそうな気がしました。

元気な若手がいる雪組をこれからも見守っていきたいです。