宝塚歌劇団星組公演『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-』がいよいよ7月24日の千秋楽が目前。
もうマイ楽を終えた方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな方はLIVE配信、これからマイ楽の方はしっかりと是非目に・耳に焼き付けて頂きたい第三弾!総評編をお届けします!
ポップな世界観に紛れるシビアさ
めぐり会いの世界観はポップで可愛らしくて、わちゃわちゃして賑やか!でも実はシビアなことをこの世界観で表現しているんですよね。
音楽もポップでノリノリになれるけれど、よく歌詞を効くとシビアな言葉が使われているのにお気づきでしょうか?
これに気づくとハッとします。
また、少しシリアスな部分がより深く響きます。
プログラムを持っている方は是非歌詞を一度見直してみてください!
オープニングとエンディングで歌う「The Next Generation!」。
今からオープニングで歌う時は、めぐり会いの世界が始まるのだとわくわくしますよね!
この歌詞はこのお話の核になる言葉が綴られています。
それぞれ歌うパートがその役を表しています。
ストレートな言葉で表現されています。
それが小柳先生の作品の特徴であると思います。
決して重くはないけれど、その中に現実的はことを入れてくる、キラキラとした中にそっと入れてくるのが魅力です。
それゆえになぜか楽しいのに泣きたくなる時ないですか?
そんな不思議な力が小柳先生の作品にはあります。
誰しも考えたり悩んだことがあるようなことが出てきて、憂鬱になりそうだけれどそれを感じさせない明るさで作る魅力があります。
自立した、意思のある女性の描かれ方
アンジェリーク、ティア、レオニード、アニス、マダム・グラファイスなど出てくる女性の共通点がなにかわかりますか?
それは自分の意志をはっきりと伝えるところ!
各々の性格はあれど、どの人物も自分の気持ちはしっかり伝える意志の強さがあります。
アンジェリークは素直になれない部分もあるけれど、自分の意志で王女としてヴェスペールに戻ってお父様と亡きお母様の力になるため、花婿も結果掟通りですがルーチェを自ら選ぶところからわかります。
ルーチェとの結婚がただのゴールではなく、王女としての自覚を持ってルーチェと結婚したところが、自立してはっきりと意思を伝えるお姫様の真骨頂だと思います。
ただの可愛いお姫様で終わらないところが、今の世の中にあったプリンセス像なのでしょう!
ティアは役者を目指しているけれど、オーディションに受からないのは自分に悪いところはなかったのか思わない自己肯定感の高さ。
最後にレグルスの告白も受け入れて上手くキスできないレグルスに自らキスする強さが受け身ではなく、自立した意思をもって生きているところを感じます。
レオニードは可愛らしいのに実は夫婦喧嘩をして腹が立って飛び出してきて、アンジェリークの花婿選びための「めぐり会いは再び」計画を立て、アンジェリークをびしばし鍛えると豪語する気の強さ。
レオニードが計画を立てたせいでアンジェリークが連れ去られ、自ら助けに行く行動力とその時にアンジェリークにかける言葉がレオニードという人物を物語っています。
「何かのために自分の人生を諦めないで」という言葉。
この言葉が今のわたしたちに語りかける意味を考えてしまいます。
自分の人生は自分で決めて良いんだよと背中を押してくれる言葉だなと思いました。
こんな風に今を生きる女性へのメッセージを入れているのかなと。小柳先生が描く女性は可愛いらしさがあっても、どこか自分の意志を持った自立した女性である気がします。
アニスは少し天然に思いますが、発明が好きで両親に女が発明なんてとんでもないと怒られるけれど好きなことはやめられない。
怒られても自分の好きなことは諦めず、結果アニスの発明のおかげでオンブルの悪事が発覚するところが、女だからと諦めなくても良いんだよというメッセージに思えます。
マダム・グラファイスはお行儀指南役。
品の良さがありつつ、オンブルとコーラス王に丁寧にはっきりと伝える姿勢は意思の強さを感じます。
このようにいろんなタイプがありながらも、自立した、意思のある女性が描かれています。
いかがでしたでしょうか?
落ち込んだ時は重くなりすぎず、そっと背中を押してくれる『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-』を見ると元気になれるはずです!
気になる方はぜひ、千秋楽のライブ配信でお楽しみください。