宙組の鷹翔千空さんが主演する『酔いどれ御免!』が、11月6日から梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されます。
今回の作品は、江戸時代後期を舞台にしたファンタジー娯楽時代劇。
主人公は、浅草の造り酒屋で働く番頭・清次郎です。
浅草一の男前と評判で、町娘たちから恋文が届くほどの人気者。
ところが、本人は控えめでお人好し。しかも、酒屋で働いているのに極度の下戸という、なんとも愛嬌のある人物です。
そんな清次郎が、ある出来事をきっかけに鬼のように豹変してしまうというのですから、設定を聞くだけでも興味が湧きますね。
鷹翔千空さんが、気弱な好青年と迫力ある鬼という二つの顔をどう演じるのか。
今回の大きな見どころになりそうです。
浅草一の男前なのに、控えめでお人好し
鷹翔千空さんといえば、すらりとした立ち姿と端正な容姿が印象的な男役スターです。
今回演じる清次郎も、浅草一と評判の男前。
ここまでは、鷹翔さんにぴったりの役柄といえそうです。
ところが清次郎は、町娘たちから好意を寄せられても、堂々と振る舞うタイプではありません。
むしろ控えめで、周囲に気を遣うお人好し。
酒屋の番頭として働きながら、気難しい蔵人たちと、勝ち気な店の娘・おみきとの間で板挟みになってしまいます。
この設定が面白いところです。
舞台上では格好いい男役の姿を見せる鷹翔さんが、今回は周囲に振り回される人物を演じる。
いつもの魅力とは違った、親しみやすい表情に出会えるかもしれません。
男役の魅力は、格好いい姿だけではありません。
困った顔や、思い通りにいかず慌てる姿が、かえって人物の魅力を引き立てることもあります。
清次郎という役には、そんな楽しみがありそうです。
下戸の清次郎が酒呑童子に変身!?
今回の物語で最も気になるのが、清次郎の変身です。
舞台は寛政年間の江戸。
造り酒屋「峰屋」は、上方から運ばれてくる酒に押され、経営が苦しくなっています。
そんな中、幕府の老中・松平定信が、関東で優れた酒を造るよう命じる触書を出します。
峰屋も店の再建をかけて挑戦することになりますが、なかなか物事はうまく進みません。
困り果てた清次郎は、酒が飲めないにもかかわらず、やけ酒をしてしまいます。
そして、町娘たちから届いた恋文を燃やしたことをきっかけに、清次郎の様子が一変。
自分を酒呑童子と名乗り始めるのです。
酒呑童子といえば、日本の伝説に登場する恐ろしい鬼。
その鬼が、酒を飲めない気弱な青年に取り憑くという設定が、なんともユニークですね。
清次郎と酒呑童子。
まったく異なる二つの人格を、鷹翔さんがどのように演じ分けるのでしょうか。
声の出し方や歩き方、目つき、立ち姿。
ちょっとした変化でも、同じ人物とは思えないほど印象が変わることがあります。
鷹翔さんの芝居を楽しむうえで、注目したいポイントです。
酒呑童子の伝説を宝塚でどう描く?
酒呑童子は、日本の昔話や伝説に登場する鬼として知られています。
一般的には、大酒飲みで恐ろしい存在として描かれることが多い人物です。
今回の『酔いどれ御免!』では、その伝説を下敷きにしながら、恋文に込められた思念によって人が鬼に変わるという物語が展開されます。
ここが、単なる時代劇とは違うところです。
江戸の町を舞台にした人情話に、鬼の伝説という幻想的な要素が加わる。
しかも、主人公は酒が飲めない酒屋の番頭です。
怖い話になりそうな設定でありながら、公式では「ファンタジー娯楽時代劇」と紹介されています。
笑いあり、騒動あり、そして人情あり。
そんな舞台になるのではないでしょうか。
もちろん、実際の演出や結末は観劇してからのお楽しみです。
鷹翔千空の主演舞台だからこそ楽しみなこと
今回の作品では、鷹翔さんが物語の中心を担います。
主演という立場では、自分の役を演じるだけでなく、舞台全体の流れを作ることも大切になります。
特に『酔いどれ御免!』のような娯楽時代劇では、台詞のテンポや出演者同士の掛け合いが作品の面白さを左右しそうです。
清次郎が周囲の人々に振り回される場面。
鬼に変わってしまう場面。
そして、騒動がどのように収まっていくのか。
鷹翔さんが持つ男役としての華やかさに、コミカルな芝居や大胆な人物の変化が加われば、新しい魅力が見えてくるかもしれません。
また、今回は日本物という点にも注目したいところです。
洋物のスーツや軍服とは違い、着物での立ち居振る舞いにも独特の美しさがあります。
鷹翔さんが江戸の町人をどのように演じるのか、楽しみですね。
大阪公演は11月6日から、神奈川公演は16日から
『酔いどれ御免!』は、11月6日から9日まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されます。
その後、11月16日から23日までKAAT神奈川芸術劇場で上演される予定です。
大阪公演は全席8,000円、神奈川公演はS席8,300円、A席5,000円です。
また、梅田芸術劇場公演についてはライブ配信も発表されています。
劇場での観劇が難しい方にとっても、作品を楽しむ機会があるのはうれしいですね。

