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月城かなとのクラシカルな魅力が楽しみ「ダル·レークの恋」

宝塚歌劇についての雑記

宝塚歌劇団月組公演「ダル・レークの恋」が今年3月、TBS赤坂ACTシアター、梅田芸術劇場・メインホールにて上演されます。

本来は昨年に全国ツアー公演として上演予定でしたがコロナ禍で延期になり、上記2劇場にての上演となりました。

ポスター画像から月城かなとさん、海乃美月さんの美しさが際立ち、楽しみです。

先日、その他の配役が発表されましたが、まずは再演となるこの作品を振り返ります。

有名な劇作家で先般は朝ドラ「エール」でも話題となった菊田一夫氏によって書かれた作品です。

「放浪記」などを世に生み出した菊田氏は宝塚に「風と共に去りぬ」「霧深きエルベのほとり」「ジャワの踊り子」を提供し「ダル・レークの恋」も1959年に春日野八千代さん主演の月組公演に書き、上演されました。

その後、1997年に麻路さきさんを主演とした星組では本公演と全国ツアー、2007年には瀬奈じゅんさんを主演とした月組全国公演での再演を重ねています。

初演は春日野さん自らが演出、97年版からは酒井澄夫氏の演出により一部をミュージカル化、主題歌「まことの愛」が加えられました。

写真で見る伝説の春日野さんは大変美しく、品がうかがえます。

97年、07年に関しては新人公演、全国ツアーも観劇しましたので、その感想を含め解説したいと思います。

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ダル・レークの恋

あらすじ、役柄についてはこれからの上演のためにネタバレしない程度で書き記したいと思います。

主人公ラッチマンはインドの騎兵大尉です。そしてヒロインはベナレス領主の孫娘で、二人はダル・レークという避暑地で出会い恋仲に。

そこへ憲兵が「貴族の女性をたぶらかし、金品をだまし取る詐欺師ラジエンドラがカシミールに滞在中である」との情報を伝えます。

ラッチマンがその詐欺師ではないかとの疑いがかかり、彼自身が農民出身でありラジエンドラだと告げるのです。

避暑地での一夏の恋とは言え、王族が農民出身の詐欺師と、というスキャンダルを恐れた王族からの要求に応じるラッチマン。

その駆け引きが……。

今でもインドではカースト制度が残っていますが、当時はもっと厳格で、身分の差で恋が実らないというのがポイントです。

そこへカマラの妹のリタや、パリから来たペペルも加わり、この二人の恋も絡まって話が進んでいきます。

また、ペペルの過去については2幕にパリを舞台として展開され、意外なことがわかっていきます。

本心と、建前。身分に縛られて本心を明かせないのが切なく、辛いのですが、宝塚らしい美しさに彩られてクラシカルなミュージカルとなっています。

さて、97年、07年に演じられましたが、麻路さんのラッチマンはとても美しく、品があり、

その良い中にカマラを求めるまなざしの熱さや、ねっとりとしたラブシーンに色気、艶があり、魅力的でした。

カマラを演じた星奈優里さんはダンサーとして名を残す娘役トップでしたので、ラブシーンで見せる腹筋の美しさが印象に残っています。

ペペル役の稔幸さんは普段、軽妙な役を得意としていて、リタとのやり取りは何かひっかかりながらも洒落た軽さがありました。

新人公演では、ラッチマンをダンサーとして有名な音羽椋さんが野性味を感じさせる役に仕上げ、妃里梨江さんがカマラを儚げに演じ、朝宮真由さんが小悪党を感じさせるペペルを演じ、新人ながらも印象に残る舞台でした。

瀬奈さんは普段からちょっと悪い役が似合うので、ラッチマンもセクシーで、悪い男を感じさせる役作りでした。

「来るんですか、来ないんですか」は名台詞となりました。

カマラ役の彩乃かなみさんはしっとりとした貴族の娘を好演。

ペペル役の大空祐飛さん(現・大空ゆうひさん)は危険な男の魅力があり、リタとの関係もどうなるのか、と先が気になる役づくりでした。

今回、ラッチマンを月城さんが、カマラを海乃さん、ペペルを東京では暁千星さん、大阪では風間柚乃さんがそれぞれ演じます。

月城かなと

月城さんは「ピガール狂騒曲」で髭の似合うシャルルを演じていて、美形さを際立たせていました。

雪組時代は日本物で研鑽し、「エリザベート」ではルキーニを務め、代役ではフランツを演じるなど、色濃い役も王道の役もどちらも演じられる演技力です。

イケメンというよりは美男子といった誰が見ても宝塚らしさを備え、今回のダル・レークの恋でもそれが発揮されそうです。

現代的な役も似合いますが、その容姿は古典で発揮されることと思います。

騎兵隊の軍服やターバン、そしてパリでの黒タキシードなど、目も楽しませてくれると思います。

海乃美月

カマラの海乃さんは憂いを帯びた表情が似合うので、ラッチマンを愛しながらも王族としての自分を捨てきれずに苦悩する姿が見られるのではないかと。

ペペルは月組が誇るスター二人がどの様な違いを見せるのか期待が高まります。

華やかで目を引く暁さん、演技派の風間さん、どちらも楽しみです。

月城さんと海乃さんは2018年の「THE LAST PARTY」でも息の合った演技を見せましたので、とても楽しみにしています。