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いつもと違う宙組のオケピ&宝塚歌劇オーケストラの魅力

宝塚歌劇についての雑記

宝塚歌劇団宙組公演『アナスタシア』がついに2020年11月7日に開幕いたしました。

新型コロナウィルスの影響で他組が公演中止となる中、宙組のみは陽性者ゼロで公演が続行していたためお気づきでない方もおられるかもしれませんが、実は宙組の大劇場公演は約1年ぶりとなります。

幕が開き、思わず客席でも涙がこぼれ落ちてしまった方も多くおられたことと思います。

客席にいる我々がそうなのであるのと同様に、舞台上におられるタカラジェンヌの皆さんも無事幕が開いたことに安堵と多くの感謝の言葉を残されていたことが印象的でした。

これまで当たり前のように365日宝塚歌劇団は日本のどこかで上演されているという状況下に慣れすぎていた私達もまた改めて舞台が上演されること、組子全員ではないものの出演者が揃って舞台上に立っているということに感動と感謝しかありません。

さて、これまで劇団はコロナウイルス感染予防対策として様々な手法をとってきていました。

客席の感覚・銀橋からの飛沫を計測した上での1列目を空ける、出演人数縮小、新人公演・その他イベント一旦中止、そしてオーケストラ中止。

そのどれをとってもこれまでの宝塚にとってはなくてはならないものであり、それこそが楽しみであった方々もおられたかと思います。

特に宝塚のオーケストラは生演奏だからこそ出来る他の舞台にはないタカラジェンヌの皆さんのその日のコンディションに合った絶妙なタイミングで流れる音楽に安心すら覚えるクオリティでした。

中には宝塚大劇場と東京宝塚劇場とで変わる指揮者の先生やオーケストラの皆さんによって生まれるほんの少しの差異を楽しむコアなファンな方もおられますし、指揮者の先生によって変わる作品の雰囲気を楽しむ方もおられます。

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宝塚歌劇オーケストラの指揮者たち

正確で重厚な佐々田愛一郎先生、ファンのように宝塚を楽しみながらタクトを振る塩田明弘先生、Twitterでも常に暖かさを感じる西野淳先生、そして優しく柔らかく華のある御崎惠先生など、挙げると切りがありません。

指揮者の先生方は指揮は勿論のこと、お芝居の中でもちょっとした演出に加わってお面を着けたり小道具を持っておられたり、時にはタクトを奪われたりと他の舞台では中々見ないようなこともされておりあっと驚かされるばかりです。

しかしコロナウイルス感染予防の観点から舞台上にいる人数をできる限り減らす為にオーケストラは撤去され録音を流すという手法になってしまいオーケストラの団員の方々を心配するお声も多くあがりました。

仕方のないことだとわかってはいても『はいからさんが通る』、『ピガール狂騒曲~シェイクスピア原作「十二夜」~』等ではなんとなく物足りない感を抱いてしまっていました。

退団を発表されている雪組トップスター望海風斗さんのライブ『NOW!ZOOM ME!!』ではオーケストラではありませんがこれまでのライブ公演同様舞台上にてバンドの方々が生演奏をされていたこともあり、次こそは…と期待していた部分もありました。

いつもと違う宙組のオケピ

そんな中での宙組公演初日。

オーケストラボックスがいつもとは違う…?と思ってよく見てみるとそこには御崎先生のお姿が!

え、どういうこと?と思っていたところ劇団としてはブロードウェイ公演ということもありこの公演には音楽が重要ポイントであると判断され、録音ではありますが指揮者のみがボックスに入りタクトを合図に音楽を流すという前代未聞の措置がとられたとのことでした。

やっぱりまだ録音なのね…というがっかり感もありましたが、それ以上に劇団はきちんと音楽のことをオーケストラのことを重要であると考えてくださっているのだということを知られただけでも良かったのかもしれません。

そして、うっかり見慣れてしまっていた空っぽのオーケストラボックスに御崎先生お1人ではありますがそこに誰かがいて音楽を鳴らしているということが宝塚においてどれだけ大切なことであるかを痛感いたしました。

いつになるかはわかりませんが、いつの日かまたオーケストラボックスいっぱいに溢れる音が舞い戻ってくる日を心より願っています。