宝塚歌劇団の何かと気になる人事。
最近だと宙組トップ娘役の星風まどかさんが専科へ異動するというニュースで
宝塚ファンの間ではかなりザワザワしていました。
星風さんはトップ娘役就任から4年。
4年も経てば、相手役とは勝手知ったる関係性になっています。
それを『今さら異動って、何があったんだ!?』という感じでザワザワしているのです。
しかし過去の事例を見てみると、実はトップスターの組み替えというのは何度か起こっていたのです。
今回はトップスターの組替えについて触れたいと思います。
そもそも組み替えって?
その名の通り、組が変わること。
会社で言うと、部署異動のようなものですね。
『組が変わってもやってることは変わらないんじゃないの?』って思われる方が多いと思います。
しかしながら組によって、カラーや習慣も違います。
組み替えした組子さん(=組に所属するジェンヌのこと)にしてみれば、
一から雰囲気に馴染み直さないといけないのです。
またファン目線からみれば、それなりに頭角を表したスターであれば、
その組のイメージで固まってしまうために、
異動となれば一気にザワつき出すのです。
組替えというのはスターにとっても、ファンにとっても結構パワーがいるのです。
それをトップスターが異動というのは、どんなことが起こっているのか?
トップスター組み替えの過去事例とその背景
ここ数十年、男役トップスターが異動というのはなく、ほとんど娘役が多いです。
男役が中心になるため、娘役さんを動かす傾向にあるようですね。
では、過去にはどんな事例があったのでしょうか?
~①1998年 団内最大の革命~
○月影瞳さん(星組→雪組)
○花總まりさん(雪組→宙組)
これは皆さんご存じ、宙組新設に伴う異動ですね。
新たな組が出来るということで
様々な組から大掛かりな大異動が勃発した年でした。
この当時月組の2番手スターだった、姿月あさとさんが
トップ昇格を果たしました。
しかし娘役はさすがに経験値がある人材が必要ということで
花總さんが起用されたのではないかと思います。
事実、この時まで3人の男役トップの相手を務めてこられました。
一方で雪組のトップ娘役が空位になったことで
月影さんがスライド異動。
月影さんは星組トップ就任して、まだ1作品での
異動だったため、すぐに雪組としてのカラーが定着しました。
②トップコンビの相性
○白羽ゆりさん(星組→雪組)
これは白羽さんが、というよりは
この当時の星組の次期トップスターの問題。
この時の次のトップスターが安蘭けいさんに
内定していました。
しかしながら、相手役には白羽さんというよりは
遠野あすかさんと組ませようという劇団の考えが
あったように思えます。
2006年に「コパカバーナ」というミュージカルで
安蘭さんと遠野さんの息のあった演技がかなり話題となり、
この雰囲気を売りに出来ると考えたのでしょう。
また白羽さんも、星組トップ娘役としては
湖月わたるさんとのダンス×歌うまコンビとして
噛み合っていました。
次の相手役としてハマるであろうと組ませたのが
ダンスが得意な水夏希さん。
その後の水さんとの相性は抜群で
「エリザベート」や「マリポーサの花」、
「ZORRO」など、彼女にとって代表作となる
作品が出たと言っても過言ではありません。
③スター独自の個性
○檀れいさん(月組→専科→星組)
彼女の持ち味はなんと言っても美貌ですよね。
しかしながら、彼女のもう一つの持ち味というのが演技力ではないでしょうか?
過去の作品を見てみると、おそらく他の娘役さんでは
真似できないような役柄を演じておられたイメージがあります。
そのため専科へ一時的に異動し、再びトップ娘役へ
返り咲くというような”約束”を劇団側としていたのではないか
と考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
普通の組替えだけでも大変ですが、トップスターさんの組替えともなると
これだけの大掛かりな背景があるということがお分かり頂けたかと思います。
ちなみに今回の星風さんの異動も、おそらく檀さんのように
何か“約束”があるように思えます。
星風さんも容姿端麗であることはもちろんですが、
歌唱力は定評があるようにお見受けしました。
「これぞ宝塚の娘役!」という歌い方はもちろんですが、
今上演している『アナスタシア』はすでに他で上演済み。
王道なミュージカルの歌い方も出来る方なので、
もしかすると外部出演ということも考えられるかもしれません。
こういった“変化”を起こすことで、
今までになかった新たな楽しみ方を提供しようと
しているのではないかと思います。