宝塚歌劇団の元雪組トップスター、望海風斗さんは、
4月11日に行われた雪組公演『fff ―フォルティッシッシモ―』『シルクロード~盗賊と宝石~』東京宝塚劇場千秋楽を最後に宝塚歌劇団を卒業されました。
退団後の初仕事はエリザベートガラコンサート。
ライブ配信もされたので視聴された方も多かったのではないでしょうか。
私は4月24日のフルコスチューム‘14花組バージョンのライブ配信を見ました。
望海さんはガラコンサートのお稽古には14日から参加されたようですが、望海ルキーニ会心の出来栄えでした。
同期の明日海りおさんとの久しぶりの共演が見られたのも嬉しかったです。
お髭をつけた望海さんのルキーニと再会でき、花組時代を懐かしく思い出しました。
花組時代の望海風斗さん
私が望海風斗さんに関心を持ったのは、まだ花組に在籍されていた頃でした。
蘭寿とむさんが花組のトップスターに就任され、お披露目公演の『ファントム』を観に行った時のことです。
望海さんはその時、オペラ座の団員、リシャール役を演じておられました。
望海さんリシャールがオーベロン役として舞台上で短い一節を歌う劇中劇の場面でした。
短いシーンですが、響き渡る望海さんの美声と眩いオーラにハートを射抜かれてしまったのです。
それ以降、花組を観に行くと、俄然、望海さんに注目するようになりました。
歌の上手さ、表現力の高さには定評がある望海さんですが、
歌唱力に秀でた春野寿美礼さん、芝居心のある真飛聖さん、スタイリッシュなダンサーである蘭寿さんと、歴代の花組トップスターの背中を見ながら、影響を受け、成長されてきたのでしょうね。
花組時代に自分ならではのスタイルを追及し、男役に磨きをかけてこられたことが、今日の大きな飛躍に繋がったのではないでしょうか。
『オーシャンズ11』では色濃い敵役のテリー・ベネディクトを演じ、一皮剥けた感がありましたし、蘭寿さんの退団公演『タスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛―』ではDV男のブロンソン・スミス役で強烈な印象を残しました。
その後、同期の明日海りおさんの大劇場トップお披露目公演『エリザベート』で様々な方が演じてきたアクの強い狂気の男ルイジ・ルキーニ役に挑み、客席を沸かせました。
『エリザベート』は花組生としては最後の公演であり、自分なりに組に何か残せればという思いがあったそうです。
当時、望海さんの花から雪への組替えが発表になった時は驚きましたが、その後の雪組での充実ぶりを考えると、組替えは必然だったのでしょう。
雪組2番手 そして雪組トップスターへ
雪に組替え後、当時の雪組トップスター早霧せいなさんのもとで、望海さんは2番手男役として活躍の幅を広げます。
2015年に上演された『星逢一夜』では、芝居巧者なトップコンビの早霧さんと咲妃みゆさん、望海さんの子供時代のお芝居が素晴らしく、3人の相性の良さを感じました。
望海さんは特に忘れられない作品として、2番手時代に主演した『ドン・ジュアン』をいつも挙げていらっしゃいますよね。
これで退団しても悔いはないと思えるぐらい情熱を持って舞台に立てたと。
『ドン・ジュアン』のような屈折した色濃い役が望海風斗の真骨頂みたいなところがありますしね。
逆に『私立探偵ケイレブ・ハント』のジム・クリードのような穏やかで洗練された男性の役も上手だったし、私は好きでした。
その後、早霧さん退団後の次期として雪組トップスターに就任が決まり、真彩希帆さんという相手役にも恵まれた望海さん。
念願だった『ファントム』のエリック役、男役の集大成ともいえる『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』のヌードルス、そして退団公演『fff』ではベートーヴェンと、個性的な主人公を計り知れない熱量で演じ切りました。
コロナ禍で様々な制約がある中、最後まで真摯に舞台に向き合い、宝塚ファンに夢を与えてくれた素晴らしい方でした。
最後に
現在、エリザベートガラコンサートは緊急事態宣言を受けて、公演は中止になりましたが、無観客ライブ配信が実施されています。
望海さんご出演の5月1日の’16宙組バージョン、5月3日、4日、5日のスペシャルバージョンは無観客ライブ配信が予定されていますので、お時間のある方は楽しまれてはいかかでしょうか。
今後のお仕事としては、望海さんがWOWOWで放送されている『宝塚プルミエール』の年間ナレーターに就任することも発表されましたね。
どんなナレーションを聞かせてくれるのでしょうか?
5月29日の放送から登場されるので、とても楽しみです。
公式サイト、インスタグラムも開設されていますので、すでにフォローされている方も多いかと思います。
宝塚OGとなり、新たな世界で望海さんらしく活動されることを陰ながら応援したいと思います!