宝塚ファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
公演再開を心待ちにしながら、4月中旬に観劇した宝塚大劇場・花組公演のことをお話しします。
花組公演の初見は、ニップンさんの「レガーロ」貸切公演でした。
去年の3月に当選したのですが公演中止になり、1年越しで同じ花組の『アウグストゥス』で振替公演が実現し、ありがたく行かせてもらいました。
久しぶりの宝塚大劇場に足を踏み入れると、やはりテンション上がりました。
抽選で当たったのは2階B席最前列のセンターブロック。
着席すると、オーケストラボックスに黒い幕のようなものが張られていて、オケの方は中央のひとりだけ姿が見えていました。
そして田渕大輔先生作・演出の『アウグストゥス』が始まりました。
芝居中の発見
トップスター、柚香光さんら、花組のみなさんの熱演が続きます。
そして途中で気づきました。
銀橋を渡るスターの後ろで、黒いキャップで激しく動く人の存在。
それは指揮者。
今回どなたなのかはノーチェックで、開演アナウンスも聞き逃していました。
指揮者がキャップをかぶってるって珍しくないですか?しかも指揮の合間にキャップのツバを、前にやったり後ろに回したり、謎の動き。
さらに、銀橋を渡る音くり寿さんに、左手を挙げたら、音さん歌い出した。
…こんな激しい動きをするのはあの先生しかいないのでは。
劇場内にオーケストラメンバー表が
幕間に公式サイトを見ると、やはり指揮は塩田明弘先生。
同じ藤井大介先生の『Gato Bonito!!』でもノリノリで指揮をされていましたね。
劇場内メインロビーには、指揮者とオーケストラメンバーの紹介があるとのツイートを見かけたので、降りてみました。
キャトルレーヴに続く入り口の上に、主な出演者の写真がズラリ並んでいますよね。
その写真を正面に見た左側の壁に、ありました。
これを見るとどんな楽器があるのか、クラリネットとサックスは兼務で3人もいらっしゃるのね、などがわかります。
ショーでは塩田先生も大活躍
ショーは、藤井大介先生の『Cool Beast!!』です。
花組さん久々の大介先生のラテン・ショー、とっても楽しみでした。
さらにお芝居中に塩田先生という楽しみも増えてしまい、2階B席からのオペラ越しの俯瞰では全然目が足りませんでした。
まずトップの柚香さんから目が離せないんです。
稲葉太地先生が、スカイステージの番組「LOCK ON!-スター徹底検証-柚香光」で柚香さんについてコメントされていた、「出てきたらもう、れいちゃん!れいちゃん!!おーーすげーーー!!!」のとおり。
瀬戸かずやさんも見ておきたいし、水美舞斗さんは踊りまくるし、永久輝せあさんはお歌がさらにうまくなってるし、帆純まひろさんも一之瀬航季さんも視界に入ってくるし、このシルエットはどなた?と思ったら専科の凪七瑠海さんだし、さらに専科の美穂圭子さんと音くり寿さんが銀橋に出てきて大声量の歌合戦。
音さん、負けてない、すごい!
その合間に塩田先生の後ろ姿を追っていました。
タクトを振ってる曲とそうでない曲があったので、全曲が生演奏ではないようです。
もちろん、コロナ以前から録音ナンバーもありましたが、今回も生オケと録音をうまく混ぜている感じ。
まだ舞台全体の人数を減らして、AB2チームで公演しなければならない中で、見せ場となる大ナンバーは録音でコーラスに重厚感を出すなど、この期間ならではの工夫をしているのかな?と想像しました。
素人の想像なので、まちがっていたらごめんなさい。
というわけで、塩田先生の頭が見えると、これは復活生オケだ!とテンションが上がります。
これまで意識して指揮者をチェックしたことがなかったのですが、タクトを振ってオケに指示するだけでなく、舞台の演者にも左手を挙げてキュー出しをしてるんですね。
長いオーケストラ休止期間を経て、改めて指揮者がタクトを振ってオケメンバーが演奏するのも生の舞台表現の一部なんだなあとオペラ越しに思って、なんだか感動していました。
オケ復活公演の指揮者がノリノリ塩田先生なのもツボでした。
ファゴットやクリネットなど1つひとつの楽器がそれぞれ響いてくる感じは、やっぱり生オーケストラならでは。
舞台上の演者の息遣いとひとつになって届いてくるものがあるような気がしました。
塩田節の真骨頂は、意外にも、ロケットでした。
ロケットボーイの永久輝さんがはけてロケットメンバーだけになり、半円でしばらく足上げをした後、塩田先生がメンバーに向かって左手を挙げました。
それが「GO!」の合図で、センターのメンバーが前に出てきて一列に並びました。
いや、これまでなら普通の当たり前の光景なんですが、指揮者との一体感を一番感じて、ここ、めちゃくちゃ感動したんですよね。
これこれー!という感じ。
おわりに
佐々田愛一郎先生や西野淳先生をはじめとする他の指揮者の先生もお元気でしょうか。
今回の花組公演は私にとって、出演者の熱気やオーケストラの生音はもちろん、「指揮者」の果たしている役割が印象に残る公演でした。
再開の折には、塩田先生の左手をもう一度見に行きたくてたまりません。
まずは、いつかの公演再開を心から楽しみにしています。
ライター:Dj heaven