オペラグラスで衣装を是非覗き込んで欲しい!
宝塚観劇といえば、娘役さんのゴージャスなドレス、男役さんのタキシードです。
今作品は鉄道が発達する前の貴族の称号が残っているドイツの物語です。
トップスター彩風咲奈さんの気品あふれる貴族感が現実を忘れて夢の世界に連れて行ってくれます。
オペラグラスの貸し出し(有料)もあるので、衣装の繊細で豪華な生地の凹凸を見るだけでもゴージャスな気分になれます。
人間関係が複雑すぎず、ショーとしても楽しめるお芝居
宝塚歌劇といえば、男役さんのかっこよさが目玉ですが、今作品はトップスター彩風咲奈さんが長男ハインドリッヒとして一家を率いる5人の男兄弟の物語です。
兄弟物語なので男役さん達が横並びに揃うシーンも多いです。
二番手男役朝美絢さんが次男で官僚のフランツ、三番手男役和希そらさんが三男の軍人ゲオルグを演じておられます。
四男には政府高官の秘書のランドルフを一禾あおさん
末っ子には音楽家ヨーゼフを華世京さんが演じています。
舞台作品は初見では物語の筋がわからない事もありますが、今回は鉄道建設を夢見る貴族の兄弟の物語ということさえおさえておけば、セリフの中に解説が入っているのでついていけなくなることはありません。
また今作品は演出家が元宝塚歌劇団生で宝塚歌劇の振り付けを数多く手がけておられる謝珠栄先生が演出をされているので、お芝居だけでなくショーとして楽しむ事もできます。
軍人ゲオルグの和希そらさん率いる軍人さんのダンスの場面は舞台装置の演出効果とともに見応えのある場面です。
仲良し兄弟の物語なので、強烈なコンプレックスなどのシーンはありませんが、次男朝美絢さんが長男彩風咲奈さんに抱く複雑な思いの表現は誰でも持つ親族に抱く複雑な気持ちを表現されているので多くの人が理解しやすいとお思います。
夢白あやさんのお披露目公演に感激
今公演はお披露目公演として夢白あやさんの魅力が存分に発揮された公演です。
ソロの歌声も素晴らしいですが、カンカンでの身体能力の高さに驚かされます。
娘役さんは男役さんを輝かせるために女子っぽく振る舞われていますが、素晴らしいダンスを披露される時にジェンダーを超えた人としての美しさにハッと気づくことがあります。
夢白あやさんはまさにそういうタイプのトップ娘役さんだなと思いました。
宝塚らしい華やかさでキラキラを楽しむショー
ショー作品『ジュエル・ド・パリ!!』-パリの宝石たち-は質の高いショー作品を次々に生み出されている藤井大介先生の作品です。
時間を忘れてショーに没入し、気がついたら終わっていたという体験ができること間違いなしです。
誰もが彩風咲奈さんの歌声に圧倒され、フレンチカンカンに圧倒され、新娘役トップスター夢白あやさんの歌声に圧倒されることと思います。
宝塚歌劇といえば、1927年「モン・パリ〜我が巴里よ」が日本で初めて上演されたレビュー作品(ダンスと歌のショー)ですが、今作品『ジュエル・ド・パリ!!』-パリの宝石たち-もパリ+宝石というこれ以上ないほどキラキラしたテーマでショーもタイトル通り、宝石箱をのぞいたような世界です。
ドレスを着て脚を振り上げて踊るラインダンスのカンカンは、舞台の隅から隅までジェンヌさんが揃うので生観劇ならではの迫力を感じられます。
宝塚大劇場公演はいよいよ千秋楽が近づいてきました。
宝塚歌劇を観たことがない方や、観劇自体初めての方に宝塚歌劇ってこんな感じとお伝えするのにピッタリの作品でした。
ライター・さんなん