先日、雪組の新人公演『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』を観劇してきました。
もう…終演後にため息が出るほど「耳福」な時間で、今でも胸がじんわり温かいままです。
新人公演というと、どうしても緊張感や粗さが見えることもあるのですが、今回はまったくそんなことがなくて、むしろ“若さゆえのピュアさ”が作品の心理描写にぴったりはまり、心にまっすぐ届く舞台でした。
全体の印象:とにかく歌が強い!新人公演とは思えない完成度
雪組さんらしい、しっとりした空気感と確かな歌唱力が土台にあって、どの場面でも耳が幸せ…。
「新人公演なのにここまで歌が安定しているの?」と驚くほどで、主要キャストがそれぞれ自分の持ち味をしっかり出していました。
作品自体、心理描写が難しくて大人っぽい内容ですが、若いみんなが全身全霊で役の心を追いかけているのが伝わり、ストレートに胸を撃たれました。
律希 奏(ボー・ブランメル)
今回が初主演とは思えないほど堂々としていて、まず立ち姿だけで「この人がブランメルだ」と納得してしまう華やかさ。
滑舌の良さ、歌の安定感、繊細さと大胆さを行き来する芝居…どれも新人公演の域を超える完成度でした。
特にラストシーン。
背中で語るあの歩み…。
ブランメルという人物の誇りと孤独が一気に押し寄せてきて、思わず涙がにじみました。
カーテンコールでの
「壁の越え方はいろいろあるけど、皆さんと一緒に越えられた」
という言葉も印象的で、プレッシャーの中で挑み抜いたことが伝わり胸が熱くなりました。
ビジュアルの美しさは本役の朝美絢さんを思い出すほど。
これからの雪組を背負う存在になりそうです。
華純 沙那(ハリエット)
出てきた瞬間から“声”がきれいで、ソロの一音一音に吸い込まれました。
ピュアでまっすぐな感情表現が素晴らしく、ラブシーンでは新人公演とは思えない心のこもった演技でドキッとさせられるほど。
返り咲きヒロインとしての安定感がありつつ、歌唱が抜群に強いので舞台全体がぐっと締まります。
苑利 香輝(プリンス・オブ・ウェールズ)
この役は難しい…!
ブランメルへの感情が友情とも嫉妬とも憧れともつかない複雑さで、演じるのが本当に大変なのですが、苑利さんはその“揺れ”を真っ直ぐに表現していて胸が痛くなる瞬間も。
最終場面の感情の爆発が見事で、「ああ、雪組の2枚看板の一人になるだろうな」と感じました。
白綺 華(デボンシァ侯爵夫人)
この役、ただ嫌な人に見えてしまうと深みが出ない難役なのですが、白綺さんは過去の哀しみや孤独までもほんのり滲ませていて、本当に巧みでした。
そして歌が極上。
狩場の緑のドレス姿は、美の暴力と言ってもいいレベルでした…。(語彙力を失うやつ)
水月 胡蝶(シェリダン)
とにかくイケメン!
舞台上で光り方が違う。
歌も良くて、中心メンバーの一人としてしっかり存在感を残していました。
琴峰 紗あら(リトルジョージ)
痛々しいほどリアル…。
子どもにしか出せない表情や声の震えが自然で、見ていて胸がぎゅっと締め付けられるほどでした。
紀城 ゆりや(パパブランメル)
もう「さすが」です。
新人公演全体を支える包容力のあるお芝居で、メリハリをつけながら作品を引き締めてくれました。
その他のメンバー
- 華世 京:本公演でも大活躍の勢いそのまま。舞台の中核になる存在感。
- 音彩 唯:ロココの夢の場面で圧倒的な印象。歌・お芝居とも抜群。
- 霧乃 あさと:細やかな役づくりで安定感あり。
とにかく歌が強い雪組らしさが全面に出た、新人公演として非常にレベルの高い舞台でした。
まとめ
今回の新人公演は、“若さ”と“実力”が見事に両立した素晴らしい舞台でした。
作品の難しさを感じさせないほど真っ直ぐな芝居が光っていて、本公演とはまた違う魅力を堪能できました。
雪組の未来は明るい——
そう確信させてくれる新人公演だったと思います。
皆さんはどの役が印象に残りましたか?
よければ感想も教えてくださいね。


