学生時代というものは煌びやかで楽しい思い出の塊ではありますが、その反面定期試験という苦い思い出も共にあるものですよね…。
何故タカラジェンヌさん達の名前はすらすらと覚えることが出来るのに徳川十五代将軍の名前を覚えることはできないのか。
さて、そこで今回はそんな謎を解明すべく思い立った宝塚から学ぶ世界史ということをテーマにして宝塚の作品からであれば歴史上の人物の名前や歴史を覚えることが出来るのでは?という結論をご披露していこうかと思います。
世界史選択の学生の皆様、是非お役に立ててみてくださいね!
エリザベート
こちらはオーストリー=ハンガリー帝国の皇后エリザベートの史実を元につくられた作品であることはご存知のことかと思います。
ハプスブルク家はドラマチックな出来事が多くおこっているため、「エリザベート」の他にも「ベルサイユのばら」「うたかたの恋」「マリー・アントワネット」「レディ・ベス」等宝塚歌劇団以外でも多く舞台化されているジャンルでもあります。
エリザベートはオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后で、そのあまりにも波瀾万丈な人生はもはや創作なのでは…?と勘ぐってしまう程です。
宝塚でも複数回再演されており、その時々のエリザベートの愛らしさはもちろんのことトート閣下のかっこよさも必見です。
個人的にはウィッグに注目しており、以前記念年に宝塚の殿堂にて行なわれた特別展でも歴代トート閣下の写真とそれぞれのウィッグが飾ってあったこともある程各々拘りが詰まっているアイテムでもあります。
そもそもトート閣下は史実には一切出てこない存在ではあるのですが、ビジュアルモデルがないからこそそれぞれのトップさん達が思い描く「黄泉の帝王」が具現化されているという意味でも毎度メインビジュアルが発表される度に胸がときめきます…。
が、本当に残念ながらトート閣下は歴史には出てこないのでかっこよさに目を奪われがちですが歴史を知るためにはエリザベートの方に注目することをおすすめします。
また、ストーリーテラー的な存在でもある実在した人物であるルキーニの台詞はそのまま教科書のような内容にもなっているのでそこに注目するのもありかと思います。
眠らない男・ナポレオン
こちらは宝塚歌劇団100周年記念に上演された第1作品目という意味でも注目されたものでした。
「宝塚から世界へ発信するオリジナル作品」を目指した超大作ミュージカルとなっており、現在星組にて上演されている「ロミオとジュリエット」の作曲を手掛けられているジェラール・プレスヴィック氏と日本を代表する演出家とも言える小池修一郎先生の日仏コラボレーションということで宝塚のみならずミュージカル好きの方々から多くの関心を寄せられました。
ナポレオンと言えばフランスのヒーロー的な存在として知られているかと思いますが、こちらの作品ではその人生は栄光だけではなく多くの葛藤があったということも描かれています。
教科書で読むよりもより人間味を感じることができるため頭には入りやすいのではないかと思います。
また、あまり史実には出てこない夢咲ねねさん演じる妻ジェセフィーヌとの恋愛模様であったりの美しさは必見です。
そういう教科書の端に書いてあるような事の方が印象に残るものなんですよね…。
歴史的にもフランスという土地柄的にも衣装がとても華やかになっていますので、「宝塚を見た!」という満足感もかなり得られる作品となっていますのでおすすめです。
アナスタシア
先日無事千秋楽を迎えた宙組公演ですが、こちらはロシアに実在した「アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ」という最後のロシア皇帝ニコライ2世とアレクサンドラ皇后の第四皇女をモデルにつくられたIFの物語です。
残念ながら史実では1917年に家族で監禁され、翌年に17歳という若さで銃殺されてしまっているのですが、ロシアの人々にとって栄光の時でもあったロマノフ家の生き残りがいるのでは?という数々の当時の人々の想いから生まれたと言っても過言ではない作品です。
ちなみに劇中と同じく実際に偽アナスタシアは多く出現し、DNA鑑定等行なわれた結果本物のアナスタシアはいなかったことも証明されており遺骨も発見されているため皇帝一家は確かに全員殺害されていることが現代ではわかっています。
しかしそのロマノフ家の夢が詰まっているアナスタシア。
ロマノフ家と言えば「神々の土地」や「ロマノフの宝石」等、ハプスブルク家と同じく煌びやかな時代であったが故に多くの作品として愛されている一族でもあります。
横文字名前って覚えにくくて苦労されていることかと思いますが、この人はあのタカラジェンヌさんが演じていた名前…というようにしていけば意外とすんなり暗記できたりする…かもしれません。
他にも史実ではありませんが、その時代背景や文化をよく知ることができる作品を多く取り扱っている宝塚歌劇団。
お勉強の合間の息抜きに是非見てみてください。