宝塚OGの美弥るりかさん主演のミュージカル「ヴェラキッカ」をライブ配信で視聴しました。
「ヴェラキッカ」は、演出家の末満健一氏が吸血種にまつわる物語を描いた「TRUMPシリーズ」の最新作です。
(ネタバレがないように注意していますが、小さなちょっとしたネタバレあるかもしれません。)
「TRUMPシリーズ」の最新作「ヴェラキッカ」
「TRUMPシリーズ」について私は詳しくありませんが、2009年からこれまで様々な吸血種の物語が舞台化されてきたそうです。
宝塚OGの壮一帆さん・愛加あゆさんが以前の「TRUMPシリーズ」に出演されています。
ちなみに、愛加あゆさんは「ヴェラキッカ」にもご出演です。
吸血種の物語というと、なんとなく暗く恐ろしい物語なのだろうというイメージを持ってしまいましたが、「ノラ役は美弥るりかさん以外には考えられない」という末満健一氏のうれしいお言葉に期待が高まりました。
「ヴェラキッカ」のストーリーについては、公式サイトにこう書かれています。
名門貴族ヴェラキッカ家の当主ノラ(美弥るりか)は、遠縁の親戚であるシオン(松下優也)、異母弟のカイ(古屋敬多)、シオンの妹ジョー(愛加あゆ)、家庭教師のロビン(宮川浩)、執事のウィンター(西野誠)ら一族の仲間や、クレイ(大久保祥太郎)、マギー(斎藤瑠希)ら養子たちに囲まれて暮らしていた。ヴェラキッカ家の吸血種たちは、全員がノラに強烈なまでの愛情と執着を見せる。そこに新しい養子であるキャンディ(平野綾)が迎えられる。ノラを巡るマウントゲームにキャンディが巻き込まれたことから、ヴェラキッカ家の秘密が暴かれていく。
「吸血種名門貴族ヴェラキッカ家の当主で、親族や養子たちの全員から愛されているノラ」は、女性のようであり男性のようでもあり、謎めいた存在です。
この独特の世界観を果たして受け入れることができるのか不安ではありましたが、観たら全く心配する必要はなかったです。
「TRUMPシリーズ」をほとんど理解していなかったけれども、大丈夫でした。
「TRUMPシリーズ」の専門用語(繭期とかイニシアチブとか)についてもお芝居の中でちゃんとわかるようになっていました。
観たい美弥るりかが詰まっていた「ヴェラキッカ」
舞台は薄暗くゴシック系の衣装やセットで包まれ、独特の世界を醸し出していました。
一幕は思ったより明るいナンバーが多く、コメディタッチな部分もありました。
そして、美弥さんは登場するたびに衣装も髪形も髪色も違うというくらいに様々な姿を見せてくれます。
宝塚で美弥さんが演じた様々なキャラクターを所々で思い出されます。
スイートハートだったり、シモンだったり、アラミスだったり。
そうかと思えばこんな美弥さん初めてだなぁと思う姿もあったりして、見たい美弥さんが詰まっていて、それだけでうれしくて泣いてしまうのです。
そして、二幕ではヴェラキッカ一族の秘密が暴かれていき、その予想もしなかった展開に一幕で流した涙とは別の涙を流すことになりました。
ヴェラキッカ一族の秘密については、観る前に絶対知ってはいけません。
「何も知らないでみる1回目」と「すべてをわかってみる2回目」の両方を経験してほしいから。
ともかく、涙なしではとても観られない舞台でした。
美弥さんファンにとっては、「見たい美弥さんがみられてうれしい涙」と「物語によって感情を揺さぶられて流す涙」の両方がある舞台でした。
生の舞台で見たかったです・・・残念!
「ヴェラキッカ」は美弥るりか退団公演?
なにもかもが美弥さんのために準備されたかのように思えてしまう舞台で、美弥さんの美しい姿と繊細な演技を観られたことは本当にうれしいことでした。
こんな舞台が見たかったんです~~末満さんありがとうございます~~号泣・・・
という気持ちです。
突然の退団のあの頃、満足できなかったいろいろがこの公演によってすべて浄化されたような気がするという声も聞き、共感しきりです。
あの頃のもやもやを未だ心に残していらっしゃる方がいらっしゃるみたいです・・・
そんなこともあってか、SNSでは「ヴェラキッカ」は「美弥るりか退団公演」とか言われています。
私はそういう感想は持ちませんでしたが、言われてみればなるほどと思いますね。
男役のような装いのノラ(美弥さん)とキャンディ(平野綾さん)のダンスシーンではリフトが付いていたし、芝居終了後には中央の階段から主演の美弥さんがみんなに見守られながら最後に降りてくるなど、宝塚を連想させるシーンがいくつかありました。
私の感想としては、「一族みんなから愛されているノラの様子」が、「ファンから愛されている美弥さんの様子」と重なって見えたということでした。
そして、自分もヴェラキッカ一族に入りたいなぁ~と、単純に思ったのです。
どうやらそういう方続出のようで、ツイッターで勝手にヴェラキッカ姓を名乗っている「野良ヴェラキッカ」が増えているというなんとも楽しい現象が生まれました。
ネーミングが上手い!「野良ヴェラキッカ」
忘れてならないのが、他の出演者の皆様です。
全員が歌もダンスもレベルが高くて素晴らしいカンパニーでした。
愛加あゆさんは、宝塚時代の娘役の時とはまったく違った地声でパンチのある歌唱とパワフルでキュートな演技に引き込まれました!
公演中止決定
残念ながら、こちらの公演も2月3日・4日中止が発表になりました。
本当に宝塚歌劇団の中止もこちらの中止も、、、悲しいお知らせが続きますね。
千秋楽には大阪での大千秋楽の配信が発表され、なんと「8Kオペラグラス配信」だそうです。
「8Kオペラグラス配信」とは???
聞いたことがなかったのですが、「普通の動画配信とは違って、映像のカット割りはなく、舞台全体の映像から、ユーザーが見たい場所を自由自在に拡大したり、画面をスクロールさせて見ることができる」というすごい配信なんですね。
6日千秋楽公演の映像を11日から15日に視聴できるということみたいです。
以前礼真琴さんの「VERDAD!!」で実験的に配信された「8Kウルトラズーム」と同じような技術なのでしょうか?
家でオペラグラスをのぞくように観たい人を追っかけて観られるって夢のようですね。
どうか6日の千秋楽の幕が開きますように!!!