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花組「Liefie(リーフィー)」観劇レポ ちょっと辛口

宝塚歌劇を楽しもう

先日、宝塚歌劇団花組、聖乃あすかさん主演の最新公演「Liefie(リーフィー)」を観劇してきました。

この作品は、オランダを舞台にした新聞記者のお話で、何ともレトロな地元紙の雰囲気が素敵でした。

現代のネットニュースやデジタル化された情報社会を題材にしたものであったら、少し辟易してしまったかもしれませんが、この作品は逆に懐かしさと温かさを感じさせてくれました。

まあ、正直いうともう一つの花組別箱公演「ドンジュアン」を観劇したばかりで興奮中の筆者にとってはなんとも、落差が大きすぎて、ほのぼの・・・という感想になってしまう。正直同じくらいの料金だったら、もう一度ドンジュアンを見たかったな・・・なんて貧乏くさい感想も出てしまうほど、ドンジュアンの余韻が凄すぎるだけなんだけどね

まず、印象に残ったのは、作品全体に流れる「ほのぼの」とした空気感。また使う・・・笑

登場人物たちはみな善良で、ちょっと悪そうに見えるキャラクターですら素直に謝っちゃう姿が描かれています。

しかも、今回2番手枠の侑輝大弥くんがなかなか出てこない・・・やっと出てきたと思ったら、なんか「悪そう」なキャラ。
これはどんなストーリー展開が待っているのか・・・と期待してだけに、子供の頃から同じ境遇にいたヒロインに嫉妬していただけ・・・・。長年嫉妬していた根深い問題もなく、一回の喧嘩でチャラになる・・・・そんな人の心は簡単なものではない。正直ストーリーが薄いな〜という感想でした。

しかし、その物語の中にも、どこか切なさが感じられるのが「Liefie」の魅力なのかな?。

作品中で大きな事件が起こるわけではないのですが、登場人物たちが心の奥に抱えている痛みや葛藤が、静かに感じ取れるのかも。そこは、もう少し複数回観ないとわからないかも。

脚本に関して言えば、少し地味に感じる部分もありました。

もう少しメリハリがあれば、さらに作品に引き込まれたかもしれません。

無骨でありながらも、どこか憎めない記者たちの姿には、キュンとするシーンもありました。
また、社長とのシーンでは、思わず笑みがこぼれました。いや、社長の顔見れば、気づくだろ・・・普通。ここもとても無理があるよね〜。

完璧ではないかもしれませんが、その「完璧でないところ」こそが「Liefie」の魅力なのかもしれませんね。

もう一つ残念なのは、ジェンヌさんたちの魅力がもっと引き出せればよかったのにと思うところ。

ミラも徹底的に病んでしまって笑わない女性にするとか、レオだって徹底的な悪に。
そして、脇を固める新人記者のピーターだって、ずっこけダメダメ新人くん。アンナもバリバリできる女キャラに振りきって欲しかったな〜。

できるジェンヌさんたちなので、全てが「あ、このキャラでもっと観たい!」って思うことばかりだったのが、残念。

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生駒怜子作品

2016年、宝塚歌劇団に入団。

  • 2023年、宙組『夢現(ゆめうつつ)の先に』(バウホール)
  • 2024年、花組『Liefie(リーフィー)-愛しい人-』(日本青年館・ドラマシティ)