ヅカファンという身でこのようなことを申し上げると、謀反の罪で首を取られても文句は言えまいと覚悟の上で、あえて申し上げます(笑)。
実を言うと2019年6月9日、その日を迎えるまで筆者は、白い服で大集結し、列をなしているなんて、なんだかシュールで宗教のようだと思っていました。
すみません!(土下座)
シュールだ、まるで宗教ではないか、なんて、そう偉そうなことを脳内で呟いていたとしても、ハートはチキンなので、ど緊張の中、当日を迎えることに。
あ、何を隠そう私は、美弥るりかさんのファンです。
あの6月9日のラストデイ、はるばる東京にやってきました。
関西在住のため、これまで東京宝塚劇場にお世話になる機会もあまりなく。
おまけに極度の方向音痴ときたものだから、有楽町駅に到着したはいいけれど、初っ端から真逆の方向に歩みを進める事件も起きました(笑)
早朝に、とんでもなく酷い迷子を繰り広げた白い女が、数知れず建ち並ぶ大都会のビルたちを見上げ、佇んでいました。
確実に怪しい(笑)あーあ、世界で1番方向音痴な人、決定です。
そんなハプニングに見舞われたスタートとなりましたが、これも想定内、時間には余裕をもって行動していたので、遅刻することなく無事に到着。
しかし到着してもなお、慣れない環境にそわそわ(笑)
しばらくして、ようやく自分が居るべき場所に辿り着き、胸を撫で下ろしていると、それまで焦りや緊張の余りモノクロの世界のようだったその景色が、徐々に色づき始め、私は知りました。
ある1人のタカラジェンヌに恋をする、凛としていて美しい人々が、白い衣に身を包み、ずらりと並べば圧巻であるということを。
シュールとか宗教とか、そんな雰囲気ではなく、真っ白な百合の花が芳しく咲き並んでいると言った方が、その場の空気感にふさわしいなと思いました。
その列の中にいながらも、自分自身はまるでどこか別の次元から眺めているかのように、綺麗な光景だな~とただただ客観視。
そこにはたしかな“愛”が集結していたのです。
同じく退団者の音風せいやさん、玲美くれあさん、響れおなさんが、大きな拍手を浴びながら順に楽屋入り。
そして最後、ついに美弥るりかさんが颯爽とご登場
ここまで来てもまだ実感が湧いてこない、鈍感な筆者(笑)
白の洋服に月組カラーのイエローを上品に差して。
オシャレ番長の称号を欲しいままにされてきたこのお方は、やはり唯一無二の『美弥るりかスタイル』でした。
そして、駆けつけた大勢のファンが作る長く白い道を、端から端まで走ってお姿を見せてくださる優しさ、お声が届いているか気にかけてくださるお心遣い…。
どんな言葉で綴っても足りないくらい、目の前の美弥さんが尊く、眩しかったです。
ファンクラブの一員として、皆さんと一緒に美弥さんへの掛け声を口にしたその時に、鈍感な筆者もようやく今日が特別な1日であるということを受け入れることとなり、初めて胸がいっぱいに。
17年間の思いを語る美弥さんの目にも、ダイヤモンド級の輝きに満ちたひとしずくの涙。
10年前、初めて観た宝塚歌劇という大きな宇宙の中の小さな星は、大きな瞳をキラキラと輝かせ、私にはまるで夜空で最も明るい光を放つ一等星のように見えました。
月の光を浴びて、より一層輝きを増したお姿に、何度も愛と夢をいただきました。
美弥さんのファンになってからの10年を、走馬灯のように思い出した瞬間でした。
そして、出待ち、フェアウェルパーティ。
いよいよ美弥さんのタカラジェンヌ人生のフィナーレ。
正装である緑の袴姿と笑顔が清々しくて、カッコよくて。
もう美弥さんはタカラジェンヌではなく、あのきらびやかな宝塚の舞台でお目にかかることはないと思うととても寂しいです。
きっとお天道様もそう思ったのでしょう。
夜はひとしきり雨が降りました。
雨なのか、涙なのか、とにかくびしょ濡れになりましたが、心はとっても幸せでした!
きっとまた、必ずどこかでお目にかかれるはずです!
こんな素敵な方、誰が放っておきますか!
瑠璃色の伝説·続編、楽しみに待っていようと思います♪
ライター:有田だりあ