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宝塚の名バイプレーヤー!「イケオジ」役者をご紹介

宝塚歌劇についての雑記

宝塚歌劇団には男役・娘役ともに「路線」と呼ばれる、トップ就任の道に繋がっている生徒さんがいらっしゃいます。

そしてその他にも、「別格」と呼ばれる生徒さんや、トップ路線ではないもののお芝居やショーの中核を担う上級生軍団がいたりします。

その生徒さんたちの中でも特に「イケオジをやらせたら天下一品」「オジサン役なのにすごい色気」と高い評価を受けている生徒さんたちをご紹介してみたいと思います!

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月組/光月るうさん

月組組長の光月るう(こうづき るう)さん。

組長さんというのは70~80人近い組子たちを束ねられるだけの人間力や人柄が求められる立場ですので、舞台人としてのスキルはまた別物です。

しかし光月さんは一人の舞台人・男役としての技術も非常に高く、光月さん無しの作品作りはあり得ないと言っていいほど、物語の軸を担っている役者さんです。

コロナで千秋楽が早まってしまった公演『出島小宇宙戦争』では主演の鳳月 杏(ほうづき あん)さんの師匠役で、白髪で飲んだくれ、言葉遣いも荒い「クソジジイ」みたいな役でしたが(笑)、何とも言えない色気が漂っていてとても素敵でした。

まもなく千秋楽を迎えようとしている『桜嵐記』でもストーリーテラーとして幕開きに登場、客席を南北朝時代の空気に一気に連れていきます。

日本が真っ二つに分かれた南北朝時代を見守り続けてきた立場として、最後まで見事な哀愁が漂っていました。

月組/輝月ゆうまさん

まだ95期生ということで本来ならば「イケオジ役者」になるには少しお若い学年ではありますが、既にどっしりとした貫禄を見せている輝月ゆうま(きづき ゆうま)さん。

『桜嵐記』では珠城りょうさんのお父上、楠木正成を堂々と演じていらっしゃいます。3人の息子たちに「楠木家としての矜持」をしっかりと伝え、立派に討ち死んでいく役どころです。

と思いきや、ショー『BADDY』ではスミレコードへの抵触が心配になるほどのとんでもない宇宙人メイクでヅカファンを仰天&爆笑させました。

桜嵐記の千秋楽を最後に専科への異動が発表されていますので、月組ファンとしては寂しい限りではありますが、今後は5組すべてでこの才能を発揮してくださることが非常に楽しみです。

星組/天寿光希さん

宝塚入団前から長い舞台経験を持つ天寿光希(てんじゅ みつき)さん。小学校から舞台に立っていたというその高いスキルもあって、宝塚でも首席で入団するという優等生ぶりです。

お顔立ちが可愛らしいせいか、しばらくは「路線スターになるのかな?」という立ち位置にいらっしゃった記憶がありますが、むしろ学年が上がってきたほうが役者として味が出てきたような気がします。

直近の本公演『ロミオとジュリエット』ではジュリエットの父を演じ、モンタギュー家への憎悪、パリスを殺された恨みを見事に爆発させていました。

瀬央ゆりあ(せお ゆりあ)さん主演のバウホール公演『龍の宮物語』では龍神という役どころ。

なにせ神様ですから、貫禄や威厳、神々しさというものを滲ませなくてはいけない非常に難儀な役ですが、天寿さんにしかできないような美しく冷酷な神様を完璧に演じ切っていました。

宙組/凛城きらさん

輝月ゆうまさんと同じく、次回公演から専科異動が決まっている凛城きら(りんじょう きら)さん。

組配属は雪組でしたが、2006年に宙組に来てからは別格となり、女役もこなす名役者として活躍されています。

他のイケオジ役者の皆さんと一線を画している部分は、イケオジでもありながら美女も演じ切ってしまうところ。

『神々の土地』ではロマノフ王朝最後の皇后・アレクサンドラを演じましたが、初見時は「あの美女、ダレッ?!」と目を疑うほどの美しさでした。

ラスプーチンに盲目的に傾倒していく厳格な皇后という役作りはお見事というほかありませんでした。

他にも桜木みなと(さくらぎ みなと)さん主演の『壮麗帝』でも桜木さん演じるスレイマンの母、ハフサを演じ、ここでも皇帝の母としての威厳に満ちた美しさを披露していました。

専科/夏美ようさん

おじさま役者の宝庫、専科の中で際立つ色気を放っているのが夏美よう(なつみ よう)さん。

星組と花組での組長経験もありますので、人心掌握の術にも長けていらっしゃる生徒さんです。

直近の本公演では花組の『アウグストゥス』でカエサルを演じ、野心的で魅力的な役作りがさすがでした。

「こんなオジサマになら利用されても騙されてもいい!」と思えるほどの妖艶な雰囲気は専科の中で異色の存在とも言えそうです。

間もなく初日を迎える雪組の『CITY HUNTER』では、休演となってしまった専科の英真なおき(えま なおき)さんのピンチヒッターとして急遽出演することが決まり、ヅカファン一同「夏美さんがやってくださる!!」と胸をなでおろしたほど、心強い存在の生徒さんです。

貴重な存在となってきたイケオジ役者たち

今回は残念ながら花組のイケオジ役者をご紹介できませんでしたが、先日退団された瀬戸かずや(せと かずや)さんがまさにイケオジ役者でした。

間もなく東京公演が始まる宙組の『シャーロック・ホームズ』でも大勢の上級生が退団する予定で、瀬戸さんを筆頭に、素敵なおじさまを演じられる生徒さんがどんどん退団されていってしまいます。

トップさんを頂点とした路線スターさんももちろん宝塚の根幹を支える重要な生徒さんですが、その路線スターさんが輝けるのも、今回ご紹介した名脇役の皆さんの活躍あってこそです。

今後、輝月ゆうまさん、凛城きらさん、紫門ゆりや(しもん ゆりや)さんの専科異動が予定されています。

それはやはり各組で名脇役となれる役者が激減してきたという理由から、貴重なイケオジ役者を5組で共有しようということなのかなと推察します。

唸るほどの名演技に加えて熟成しまくった色気をふりまく「イケオジ役者」の育成も宝塚の重要課題のように感じますね。