宝塚歌劇団花組100周年のショーという名目に惹かれ、観劇してきました花組公演。
制作発表のときに柚香さん、星風さん、水美さん、永久輝さんがそれぞれ身に纏っていたピンク色の衣装がとても綺麗で、是非この目で、生で、拝見したいという強い意志の元、大劇場に足を運んできました。
かなり、ショーを目当てに行ったんです。
『元禄バロックロック』
けれど、お芝居、『元禄バロックロック』。こちらの作品が良すぎました。
観劇後、お芝居の感想ばかりが止まらないほど、大好きな作品になりました。
脚本は分かりやすく、お披露目にぴったりなハッピーエンドなので、その大円団仕様が好きじゃない方もいるとは思うのですが、そんな細かいことは置いておいて。
なんといっても、舞台が美しい！ 色遣いが華やかで、衣装と舞台装置、バランスの良いスクリーン映像。
舞台の手前から奥までをいっぱいいっぱい使った舞台は、これでもかとばかりに目を楽しませてくださいました。
場面が変わるごとに、「うわあ」と感嘆の声を漏らしたくなるくらい、いっぱいの拍手をしたくなるくらい、世界観が素晴らしかったです。
こういう美しい、非現実的な世界が見たくて、私は宝塚に通っているのだ、という気持ちを再認識できる、最高の舞台でした。
そういった舞台の華やかさに惚れ惚れしたのはもちろんですが、花組の、とくに娘役の出番が多いのも良かったです。
花組若手娘役、美羽愛ちゃんと星空美咲ちゃんがくの一役だったのですが、想像以上に登場してくれました。
台詞も聞き取りやすくて、殺陣のシーンも頑張っていました。
他の若手娘役にもたくさん踊りの出番があったり、とにかく動きが美しくてうっとりしました。
あらすじを読んでいたときは、難しい役名と難しそうな設定についていけるか不安だったのですが、導入の上手さのおかげで、気づけば架空の世界『エド』のとりこでした。
柚香さんと星風さんのコンビを、私は初めて拝見したのですが、これがまた相性抜群のカップルでした。
二人ともがナチュラルにお互いを大好きな様子が、セリフ回しや仕草から伝わってきて、ずっと幸せでした。
柚香さんがバロックロックの本を読んだとき、これを面白く出来なかったら演者側の責任だということをおっしゃっていたのですが、それに納得する面白い脚本でした。
そして、その面白さをしっかり発揮した花組生のみなさん。
隅から隅まで、本当に楽しませて頂き大満足でした。
ショー『The Fascination（ザ ファシネイション）!』
そして、目当てだったショー『The Fascination（ザ ファシネイション）!』と言えば、プロローグもパレードも大好きですし、前半はかなり良かったです。
とくに『ミモザの花』の場面。
白い軍服の士官な永久輝さんがかっこよくてかっこよくて、「宝塚の男役だ〜！」と感激してしまいました。
また、この場面の相手役が音くり寿さんだったのですが、音さんは歌だけでなくダンスも表情のつくり方も素晴らしかったです。
今回のショーで、音さんが単独で歌うシーンはほぼないのですが、代わりにたくさんの場面で踊っていて、そのダンスのキレの良さに、惚れ惚れしました。
水美さんの『酒とバラの日々』、柚香さんの『ペルーの花』。
前半にあったこちらの場面もとても素敵でした。
本当に綺麗でした。
しかし、オマージュシーンは些か長すぎたのか、寝ている方がちらほら見受けられました。
花組100周年というフレーズに興味がないお客さんには、この場面は多少間延びした感覚になるのかなと思いました。
だけど、ダンスの花組、わたしにはとても輝いてみえました。
「情熱の花」の歌い継ぎのシーンから、客席も生き生きしていたように思えます。
私はこのショーの中で、白燕尾と黒燕尾が堪能できたことが幸せでした。
ショーの時間がいつもより長い特権ですかね。
この生徒さんは白燕尾が、この生徒さんは黒燕尾が似合うな、と楽しませて頂きました。
あと、柚香さんと星風さんの超高速リフトは大興奮してしまいました。凄いです。
だけど身体には気をつけてほしいとも思いました。
お衣装も舞台装置も、充分素敵なショーでした。
しかし、ただひとつ。
やはり、パレードで二番手羽根の存在がなかったのは、視覚的に寂しかったです。
人事がどうとかではなく、客観的に見て、大きな羽根がいつもよりひとつ足りないことは物足りなさを覚えました。
はっきり言って、せっかく１００周年のショーなのに、最後の最後で羽根の圧と派手さが足りないなのはどうなのかなと。
そこが心残りのショーでした。
しかし、花組の生徒さんはみなさん本当に素敵でした。
次の別箱公演もとても楽しみです。
