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月組で上演決定!! 宝塚ファンはなぜ「グレート・ギャツビー」に魅かれる? 男役の美学が詰まった名作

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇が世界で初めてミュージカル化したことでも知られる、「グレード・ギャツビー」が、月組で再演されることが発表されました。


一般的には、レオナルド・ディカプリオの映画「華麗なるギャツビー」で有名でしょうか?

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宝塚の定石からは外れる、トップコンビが結ばれることのない、悲しく虚しい結末。
当時のアメリカの時代背景を踏まえないと、理解しがたいストーリー。

軽佻浮薄な登場人物たち。

初恋を貫くために、犯罪に手を染め、狂気とも思える行動をとる主人公。

ディカプリオの映画ですら、決して評価が高いとは言えません。

それなのになぜ、宝塚のファンには愛され、再演されることとなったのか。

宝塚という特別な空間で、男役の美学の極みが見られるからでは、と思いましたので書かせていただきます。

あくまで個人の感想ですので、理解のある方だけお読みください。
さいごまでお付き合いいただければ、幸いです。

まず、筆者が舞台で見たことがあるのは、2008年月組の、瀬奈じゅんさん主演の「グレート・ギャツビー」であることを申し上げておきます。

雪組で上演された「華麗なるギャツビー」はショーと併演で、月組バージョンは一本物になります。

鮎ゆうきさんのデイジーを生で拝見したかったと、後悔しきりです。

月組の「グレート・ギャツビー」は、本当に素晴らしい作品でした。

瀬奈さん演じるギャツビーはクールで熱く、ひたすらにカッコよく、そのラストは涙なしでは見られませんでした。

ギャツビーがデイジーに捧げた純愛は、美しく輝かしいものでした。

ギャツビーに心惹かれながらも、その思いを封印するデイジーの姿は、本当に切なかったです。

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アメリカン・ドリームを背景にしたストーリー

しかし、です。

冷静に考えると、ストーリー的には「?」と思うことが多いですし、登場人物は共感できない人が多いのです。

ヒロインのデイジーには、お説教でもしたい気持ちになります。

ギャツビーのパーティーに興じる人たちも、何考えているのか理解できません。

アメリカの狂乱の時代を背景に書かれているので、まずあの時代を理解しないといけないのでしょう。

ギャツビーをあっさり過去の人にした人々も、風刺が効いていると理解すべきなのかもしれません。

この感覚は、原作を読んでいただけると、わかりやすいかもしれません。

男役の美学を凝縮した、宝塚版ギャツビー

しかし宝塚のギャツビーは、どこまでもかっこいいいのです。

それはなぜなのか。

ギャツビーには男役の美学が詰め込まれているからだと思います。

ギャツビーの、身を亡ぼすほどの、まっすぐな愛。

黒い手段を使ってでも、愛する人に会いたい、認められたいと這い上がる姿。

周囲の人の無理解にも背中で語る姿は、まさに男役の真骨頂と言えるでしょう。

立っているだけでもかっこよく、それでいて悲哀を漂わせる。

これは男役を極めた方だからこその、技術だと思います。

「泣くことも 笑うこともなく……仮面の下に 情熱秘めて」と、帰り道には「グレート・ギャツビー」の曲ではなく、「ネオ・ダンディズム」の歌詞が頭に浮かんでしまうほどでした。

男役の美学が、ダンディズムが詰め込まれた存在なのではないでしょうか。

現実の男の人ではなく、男役が演じるからこそ、純粋で美しく感じるのだと思います。

初恋のために人生をかけるという設定も、一歩間違えればただのストーカーです。

それを男役さんが演じるからこそ、美しいのです。

「美しいお人形さん」であることが、幸せであると語るデイジーもそうです。

宝塚というきらびやかな舞台で、夢々しく「美しいお人形さん」を演じるからこそ、低俗にならず、逆にその悲しさが際立つのではないかと感じました。

宝塚だからこそ、輝くストーリー

これは、瀬奈さんのギャツビーを見ただけで思ったことではありません。

ディカプリオの映画も背景にあります。

さらに井上芳雄さん主演の「グレート・ギャツビー」を観劇したからこそ、感じたことです。

井上さんと言えば、タカラジェンヌになる夢は諦めましたが、夢組になら入れるのではないかというジョークを飛ばすほど、宝塚への造詣が深い方です。

元花組の初輝よしやさんは、妹さんですね。

そして小池先生イズムを叩き込まれた方でもあります。

その井上さんが以前、宝塚の「グレート・ギャツビー」の台本をほぼそのままに、小池先生の演出で、デイジーには夢々しさでは定評のある夢咲ねねさんを迎えて、主演されました。

それでも宝塚の舞台を離れ、男女が演じることで、どうしても原作の嫌な部分や、えぐい部分が出てしまう舞台となっていたと感じます。

台本にはあまり手が加えられていなかったのに、別物に感じました。

もちろん、個人の意見です。

宝塚の舞台なら、男役の美学にうっとりし、娘役の美しさに浸ることができます。

宝塚という夢の舞台だからこそ、愛される作品になっているのではないか。

「グレート・ギャツビー」はそう感じる作品です。

新しい「グレート・ギャツビー」に期待!

演技力抜群の月城さんと、金髪美女が似合いすぎる海乃美月さん。

お二人を中心に、宝塚の舞台で新しい「グレート・ギャツビー」が見られる日が、楽しみです。

予習には2008年月組バージョンをどうぞ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。