ファンの不安を掻き立てる、遅すぎる発表
亜音さんの休演発表は、遅すぎたのではないか。
こんな不満を抱く宝塚ファンは、少なくないと思います。
亜音さんが組替えになるのではないか、そんな憶測が駆け巡ったのは、4月のことでした。
『Xcalibur エクスカリバー』にも『大逆転裁判』にも、発表されたキャストにお名前がなかったからです。
この時に一番多かった予想が、「組替え」でした。
もう宙組の亜音さんは見られなくなったしまうのか?
当時は真風涼帆さん、潤花さんのトップコンビの退団公演中でした。
チケットを買い足すこともほぼ出来ず、不安を抱えながら、ファンは次の発表を待つことしかできなかったのです。
休演発表は大千秋楽直前
亜音さんの休演が発表されたのは、それから約2か月後の6月9日でした。
大千秋楽は6月11日です。
ちなみに振り分けが出て亜音さんのお名前がないことに動揺が広がったのが、4月15日。
大劇場千秋楽は4月17日です。
千秋楽2日前に爆弾落さないといけないって決まりでもあるんでしょうか、宙組さん!
少なくとも4月の時点で、休演の予定は立てていたはず。
休演発表については、タイミングを窺っているうちに大千秋楽が近づいて、慌てて発表したのかと疑いたくなってしまいます。
ベスト・タイミングはいつ?
個人的にはやはり、4月15日だったかな、と感じます。
もしくは「決まったら、出来る限り早く」でしょう。
希波さんのケースでは、新人公演の配役と休演が同時に発表されたため、ファンの動揺は最低限で済んだと思います。
もちろん亜音さんご本人が出演するかどうか最後まで迷っていた、と言うことも考えられます。
でも亜音さんは若手のホープですし、今後益々の活躍が期待されています。
ギリギリの判断で出演されて体に無理が出るようでしたら、未来のための休演を選んで欲しいな、と感じました。
多くのファンが待っているから、頑張って出る、となりがちだと思います。
しかし期待されているからこそ、きっちりと休む。
これが大事なことのようにも感じます。
最近ですと2020年11月からの『アナスタシア』を、東京を含め全日程休演された、風色日向さんがいらっしゃいます。
理由は体調不良と発表されました。
また『無現夢双 -吉川英治原作「宮本武蔵より」-』『クルンテープ 天使の都』公演中のけがにより、休演された月城かなとさんもいらっしゃいます。
最初はショーだけでしたが、3日遅れでお芝居の方も休演となりました。
無理して出演されていたのかな、と心配になりますね。
さ
らに『チェ・ゲバラ』『宝塚舞踊会』と休演されましたが、皆様ご存じの通り現在月組トップスターとして輝いていらっしゃいます。
また休養から復帰したトップスターさんと言えば、同じく月組の霧矢大夢さんが有名でしょう。
『シニョール・ドン・ファン』を膠原病のため途中休演され、バウ主演も降板、紫吹淳さんの退団公演である『薔薇の封印』で復帰されました。
退団後も大活躍で、先日まで舞台『マチルダ』に出演されていました。現在、日本のミュージカルには欠かせないお一人になっています。
偶然なのか、月城さん、霧矢さん、礼さんともに約4ヶ月の休演ですね。
数作休んでもトップスターになれる。
そんな例をファンは知っていますから、生徒さんたちもためらわずしっかり休んで欲しいなって思います。
宝塚もアフターコロナで!
前述の紫吹淳さんの、ベルリン公演での有名なエピソードがあります。
公演中に声が出なくなってしまった紫吹さんは、劇団のスタッフに連れて行かれた病院で、ドクター・ストップがかかってしまったそうです。
しかし楽しみにしてくださっているドイツの皆さんのために、休演はしたくない。
そう考えて通訳さんや現地日本人会の伝を頼り、鍼治療をしてもらうことで、公演を続行したそうです。
帰国後に手術をされたというお話ですから、本当に大変な状況だったのでしょう。
以前でしたら無理をするのが美談でしたし、当時のスターさんは点滴や注射を打ってでも舞台に立つ、と言うのが当たり前でした。
しかし今は、違います。
体調不良は、早めに申告。
必要なときには、早めの休演。
休むことは悪ではない。
代役に入る生徒にとっては迷惑ではなく、飛躍のチャンス。
そんな風に考えて欲しいなって、思います。
生徒さんが休演をためらう理由の一つに、「代役に迷惑をかける」と言うのがあるそうです。
宝塚ではありませんが、市川猿翁さんが「代役は一番のチャンス。しっかりやればスターになれる」と仰っていたそうです。
歌舞伎だけではなく、宝塚でもチャンスであって欲しいと思います。
そしてファンの不安を呼ばないためにも、早めの休演発表を願っています。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。適切なタイミングはいつだったのか?