東京宝塚劇場にて上演中の雪組公演「CITY HUNTER-盗まれたXYZ-」「Fire Fever!」
今公演は雪組新トップコンビ彩風咲奈さん・朝月希和さんのお披露目公演ということだけでなく、今なお人気を博している漫画の舞台化ということもあり、宝塚ファンのみならず話題となっています!
しかし…先日SNSで今公演の脚本について物議を醸していると知りました。
今までの傾向であれば、公演の改善点は大劇場公演中に見つかりますし、その声が劇団に届けば東京公演が始まるときにはその内容が変更されています。
今回は不思議なことに東京公演中の公演日数も中盤に差し掛かったところで脚本について話題になっています。
なぜ、シティハンターの脚本に注目されているのか私見を交えながらお話していきたいと思います。
(作品への解釈は人それぞれです。どなたのご意見も否定するつもりはありませんので、あくまで一ファンの私見としてお読みくださいね)
物議を醸したシーン
そもそもシティハンターを宝塚歌劇で舞台化するということ自体、だいぶ協議されたんじゃないかなと思います。
時代設定は昭和。今は令和です。
当時は良しとされていたことが今ではアウト、という事柄がとても増えました。
この作品で言うと主人公・冴羽獠(彩風咲奈さん)のお触りシーン。(セクハラは時代関係なくアウトです)
原作を忠実に再現するというこだわりも感じますが、「宝塚歌劇が」と考えると…うーーーーん。ちょっと気になるかなと思いました。
ただ、そういうシーンには槇村香(朝月希和さん)の100トンハンマーが飛んできてすぐに制裁されているんですよね。
そこで相殺しているのかなとも感じます。
また、冴羽獠のお決まりのセリフ「モッコリ」は「ハッスル」に言い換えしたりと、宝塚歌劇で上演するための変更点は多々あります。
今回話題になっているセクハラシーンについて、宝塚歌劇団としての理念を基に該当シーンをキレイにしてしまったらそれはもはやシティハンターではなくなるんですよね。
冴羽獠の個性が無くなってしまいます。
確かに宝塚歌劇という美しい世界を楽しみに観に行っているのに思いがけないシーンがあるのは衝撃だと思います。私の周りでも「何とも感じなかった」派と「あれはNG」派と分かれました。
ですが、原作に限りなく忠実に再現しながら宝塚で上演しようと奮闘した脚本・演出担当の齋藤吉正先生の熱い想いや、作者の北条司先生の想い、様々なところへの配慮をした上での結果なんだと受け取ることもちゃんとできます。
咲ちゃん自身「なるべく原作にキャラクターを近づけることはもちろん、宝塚の男役が演じているということを大切にしたい」とインタビューでお話しされていますが、ビジュアルの完成度は本当に高いですし、冴羽獠が爽やか過ぎて本当かっこいい…!
ネガティブに受け取られないように工夫されているんだなと感じました。
感じ方は人それぞれなので、もちろん価値観の押し付けはしません。
ですが、多くのスタッフさん、演者さんの努力は要所要所で感じられると思いますよ。
現代の価値観
私たちの価値観はどんどんアップデートされていっています。
だからこそ、今回のような物議が醸されたとも言えます。
きっと昔から同じように疑問を持っていた人々も異議を唱えられる環境になってきました。
劇団としても現代の価値観に沿った作品選びが必要になってくるのかもしれません。
「女性だけで構成されている劇団」としての在り方について、劇団の価値観のアップデートも今後重要になってくると思います。
いかがでしたか。今回のトピックについては賛否両論あると思います。
気になる方は11/14のライブ配信をご覧になって、ちょっと考えてみてくださいね。