宝塚歌劇団と聞くとだいたいイメージとして思い浮かべられるのはやはり輪っかドレスや盛り盛りなウィッグ、そして舞踏会…といったようなものが大半を占めますよね。
実際に地上波にて宝塚が紹介される際のイメージ映像として流されるのもそういったものが多く見られます。
そのイメージの根源としてあるのはやはり一時代を築き上げた「ベルサイユのばら」が大元にあるのではないかと思われます。
宝塚が衰退していた時代、まさかの大逆転をこれまでにない漫画を原作とした舞台で見せてくれました。
今では宝塚以外でも歌舞伎や2.5次元舞台と言われる界隈でも当たり前にある形の舞台ではありますが当時では珍しいスタイルだったこともあり話題にもなり人が人を呼ぶという所謂口コミ形式で劇場を沸かせました。
そして今、宝塚で頻繁に見られるのは輪っかドレスではなくどちらかと言うと現代的な服装でありアニメや漫画を原作としたものだけではなく映画やTVドラマを原作に持つ作品も多く上演されています。
宙組公演『HiGH & LOW -THE PREQUEL-』
特に今話題になっているのは宙組公演『HiGH & LOW-THE PREQUEL-』ですよね。
EXILEや三代目J SOUL BROTHERSなどで知られているLDHとのまさかのコラボレーション。
双方のファンからは「まさかこことコラボするとは!」と驚きや不安の声が多く聞かれました。
しかしそんな声はどこへやら…現在大人気でチケット難にまで陥っているという状況です。
演出・脚本家である野口幸作先生のハイローオタク過ぎる熱量が全て注ぎ込まれ、ハイロー未履修の方でも気軽に楽しむことができる内容且つ、これまでのシリーズ前日譚ということで明かされていなかった部分を知ることが出来たという意味でも原作ファンの皆さんからも好評を博しており大成功と言っても全く過言ではない作品となっています。
ハイローと言えばヤンキー作品ですから当然登場人物達の服装は現代的且つかなり尖ったファッションとなっています。
革ジャン・アスリート系・輩系と普段であれば宝塚ではあまり見られないものとなっていますよね。
是非とも東京宝塚劇場でその衣装にも注目して観てみてくださいね。
そしてこのハイローの他にも現代を舞台とした作品というのは他にも最近よく上演されているんです。
最近上演された作品
宙組で言うと『カルト・ワイン』『NEVER SAY GOODBYE-ある愛の軌跡-』では完全なる現代とは言えないかもしれませんが服装はかなり現代よりですよね。
今年度での作品で他組のものをあげるとすると花組の『TOP HAT』月組の『今夜、ロマンス劇場で』『ブエノスアイレスの風-光と影の狭間を吹き抜けてゆく…-』『グレート・ギャツビー』雪組の『Sweet Little Rock’n’Roll』と現代よりなお衣装の作品は意外と多いんです。
もちろん『TOP HAT』や『グレート・ギャツビー』では軽いドレスも着用されていますが輪っかドレスではないですし男役さん達は現代よりな服装をされています。
ハイローのような特殊な服装が多い作品ですと難しいですが現代よりな作品ですと輪っかドレス等装飾品の多い作品よりもお衣装に割く予算も減ります。
なにしろ使い回しが効くという利点もあるのでこのコロナ渦で大変な中よく採用されるのかなぁ…なんて邪推もしてしまいますが、どちらにせよ面白ければ全て良し!ですよね。
奇跡的にムラでの全公演を上演しきった宙組さんのハイロー。
東京公演もこの勢いでなるべく1公演でも多く無事上演されることを心から願っています。