宝塚歌劇団では、ここ数か月、怒涛の娘役人事がありました。
発信される情報量の多さに、いったい何が起こっているのか?と混乱している方もいるのではないでしょうか。
夢白あやさんと潤花さんのトレード組替え、朝月希和さんの入団12年目での雪組トップ娘役就任、華優希さんの退団発表、星風まどかさんの専科異動と潤花さんの宙組トップ娘役就任…
過去の宝塚歌劇団でここまで怒涛の娘役人事が行われたことがあったでしょうか。
今回はここ数日で起こった娘役人事について、劇団から発表があった順に考察してみます。
夢白あやさんと潤花さんのトレード組替え
怒涛の娘役人事は、まずこのお二人の組替え発表から始まりました。
夢白あやさんは「オーシャンズ11」「アクアヴィーテ(aquavitae)!!~生命の水~」でトップ男役の真風涼帆さんと並んでいるのを観て、「真風さんと大人なコンビでいいな~」と思っていたので、雪組への組替えは意外でした。
しかし、夢白さんよりも衝撃だったのは潤花さんの宙組への異動でした。
次期トップ男役の彩風咲奈さんとは、「炎のボレロ」(全国ツアーは中止)でコンビを組んでおり、ポスターも2人だけ、これは絶対次期雪組トップコンビになるのだろうと思っていました。
また、現雪組男役トップスターの望海風斗さんが、宝塚グラフの表紙が彩風さん、裏表紙が潤さんだったのをうけて「これからの雪組の顔になる二人が揃っていた」という内容のお話をしていました。
このコメントを見て潤さんの雪組トップ娘役就任を確信していたのですが、宙組に異動、という発表にとても驚きました。
朝月希和さんの入団12年目での雪組トップ娘役就任
朝月さんの雪組トップ娘役就任の発表があったときは「じゃあなんで花組に組替えさせたの?」という疑問でいっぱいでした。
朝月さんは花組→雪組→花組→雪組と組替えをしていますが、二度目の花組への組替えは本公演の出演は「はいからさんが通る」の1作品だけで、1年も経たない内にまた雪組へ戻る、という謎過ぎる異動です。
更に月刊誌「歌劇」で朝月さんは2020年10~12月まで花組生として「えと文」を担当しています。もう既に雪組に組替えして、雪組大劇場公演のお稽古も始まっているのに…。
朝月さんは今年の異常事態に伴う何かしらの事情で、トップ娘役に就任したと予想しています。
しかし、入団12年目でのトップ就任、雪組時代に何度も彩風さんと組んでいて相性の良さは確認済、ファンの方からも好意的な意見が多く、この人事は幸せな人事だと思います。
華優希さんの退団発表
華優希さんはトップ娘役に就任して3作目で退団を発表しましたが、3作での退団は珍しくなく1作品で退団された方も過去にはいらっしゃいます。
しかしなぜ華優希さんが早すぎる退団、と感じるのか。
それは、これから伸びる、伸びしろがある、という未完の大器だからです。
華さんのトップ就任は、正直実力に伴う人事ではありませんでしたし、過去にもそのような人事はありました。
しかし、華さんはこれから歌も上手くなるであろう、お芝居だってメリーベルと紅緒以上のはまり役に出会うだろう、とこれからが楽しみという気持ちが強かったです。
退団会見では「私には光栄すぎるこの立場にさせていただいたときから、『卒業の時期は考えないと』と思っていました」と語っており、どうか劇団の意向に沿った退団ではなく、華さんが自分で決断した退団であって欲しい…と願って止みません。
星風まどかさんの専科異動と潤花さんの宙組トップ娘役就任
こちらが最新の娘役人事です。
潤さんの宙組トップ娘役就任よりも、星風さんの専科異動の方が衝撃、というよりもショックでした。
潤さんは雪組でなくてもどこかの組でトップになるのだろうと思っていました。
実際、現在上演中の「アナスタシア」では「白鳥の湖」のオデットという見せ場がしっかり用意されていました。
また、トップ娘役就任発表前に「Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス」の上演が発表されました。
その公演解説にバレエ・リュスという言葉が出ていて、「出演者は発表されていないけれど、星風さんはミュージックサロンに出るし、バレエの得意な潤さんがヒロインなんだろうな」と思っていました。
その後、星風さんの専科異動、潤さんの宙組トップ就任の発表がありました。
星風さんは専科に異動後、花組か月組で再度トップ娘役就任という噂があります。
しかし、星風さんは花組の柚香さん、月組の月城さんとも合わないような気がします。
個人的に星風さんと一番相性が良いのは、宙組の桜木みなとさんだと思います。見た目の身長差も、声の相性も桜木さんと星風さんはとても良く、この二人がトップコンビになったら良いのに…とずっと感じています。
私は、星風さんは「アナスタシア」で退団するのかなと予想していました。
星風さんの得意な歌がふんだんにあるミュージカルで、タイトルロールで退団というのが、誤解を恐れなければ「美しい辞め方」だと思っていました。
ただ、既に退団を発表しているトップ娘役の真彩希帆さん、美園さくらさんに加えて星風さんが退団してしまうと、残ったトップ娘役で歌が一番得意!という方がいなくなってしまいます。
花組→次期トップ娘役未定
月組→次期トップ娘役未定
雪組→朝月希和さん(歌・芝居・ダンス三拍子揃っている)
星組→舞空瞳さん(ダンスが得意)
宙組→潤花さん(ダンスが得意)
最近の宝塚はミュージカル作品が多く、踊れる生徒さんよりも歌える生徒さんが重宝されます。
歌える娘役枠として、星風さんを確保しておきたいという劇団の考えがあるのでしょうか。
最後に
最近の娘役人事について考察してみました。
今回の一連の人事ですが、一つ一つは過去にも似たような事例はありました。
しかし、ここまで怒涛の展開はなかったため、みなさん戸惑いが隠せなかったのではないでしょうか。
人事については考えたところで劇団が何を考えて決定したのかはわかりません。
誰もが幸せで納得する人事というものはありませんが、今回の人事に関わった娘役さん全員が、どうかこれから充実した宝塚人生を送って欲しいと願っています。