宝塚歌劇団の公演が５月12日からの公演再開という嬉しい発表がされましたね！
客席で観劇できる日を楽しみにしながら、今日は５月５日の「エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート」千穐楽のアニヴァーサリーバージョン（トート・望海風斗さん）で、ルキーニ役が印象的だった宇月颯さんの現役時代を振り返ってみたいと思います。
ダンスの宇月颯さん
宇月颯（うづきはやて）さんは90期生で元月組の男役スター、愛称はとし。
同期の男役は瀬戸かずやさん、香綾しずるさん、如月蓮さん、冴月瑠那さんらです。
2018年5月に退団された後、女優として主に舞台で活躍中です。
現役時代の宇月さんといえば、ダンスの人。
スカイステージ番組「ダンサーハント」で、数々のダンスが得意な男役・女役のスターから、憧れるダンサーとして何度も名前が挙がった方です。
早くからダンサーとして頭角を現し、『ジプシー男爵』では新人公演主演も務めました。
宇月さんのダンスを堪能できる作品を、タカラヅカオンデマンドで配信中の作品からピックアップしてみましょう。
『BADDY−悪党は月からやって来る−』（2018）
宇月さんの退団作品です。
クールという役で、踊りに踊っています。
宇月さんのダンスの魅力は、角度。
群舞だとわかりやすいのですが、いろんな振りの角度が誰よりも深く、美しい。
決して男役らしい体格に恵まれた方というわけではないのですが、身体の動きの美しさでオペラをロックオンさせる方です。
その美しい角度の秘密は、本人談にもあった、太ももだそう。
話はそれますが、同じ太もも系ダンサーとして、望海風斗さんとの共通点を感じるのは私だけでしょうか？
望海さんも腰を落として重心を低く踊るのが得意ですよね。
たとえば『SUPER VOYAGER!』の波止場の倉庫に8時半に行く「アンダルシアに憧れて」など。
宇月さんのダンスといえば他に、
『CRYSTAL TAKARAZUKA』（2014）ドールオペラの自動人形やクリスタルズ、
『Forever LOVE!!』（2016）キサスの場面など。
特に全国ツアー『Apasionado!!Ⅲ』（2016）では、オープニングのセンター上手（画面右側）の宇月さんに注目です。月組が誇る藤井大介先生ショー・アパショナードの伝道師的角度です、ぜひ。
配信には入っていませんが『New Wave!-月-』（2014）のリベルタンゴも絶品です。
芝居もいい！
ガラコン千穐楽はアニヴァーサリーバージョンで、基本はコンサートという作りでしたが、ルキーニは芝居力が問われましたね。
宇月さんは以前番組で、下級生の頃、芝居がとても苦手だったと話していましたが、OGとなった今、さらに芝居を磨いているのが伝わるルキーニ像でした。
現役時代は男役芸で魅せていたわけですが、そこに居たのはもう男役でないのにルキーニという男を演じる宇月颯さん。
最初は正直戸惑いました。
終わってみれば、男役の縛りから解き放たれた自由な人物像が印象に残りました。
そんな彼女が現役時代も芝居で魅せた作品があります。
『All for One』（2017）
キラキラ三銃士（美弥るりかさん、暁千星さん）に混じって、ひとり渋いおじさんがいました。宇月さん演じるアトスです。
みんなをまとめるしっかり者のおじさんは、剣の達人。
そして声がよくて、セリフがよくわかる。
そして何気ない立ち姿がすてき。
タカラヅカに渋さを求めたことはなかったのですが、この一本物の豪華なコメディ作品の中で、きっちり要となっているアトスさんを見逃すことはできませんでした。
さらにフィナーレでは金髪でキレッキレに踊る宇月さん。参りました！
『Bandito（バンディート）-義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ-』（2015）
宇月さんビギナーにおすすめなのがこの作品。
主演は珠城りょうさん、ヒロインは早乙女わかばさん。
そして宇月颯さん、白雪さち花さん、千海華蘭さん、朝美絢さん、 輝月ゆうまさん、専科から一樹千尋さんと飛鳥裕さんです。
渋い、渋すぎる…。これぞ芝居の月組、というメンバーですね。
宇月さんは腹に一物抱えたヴィトー役で、悪役かと思いきや…？という役どころ。
このころ大劇場作品の『PUCK（パック）』 『1789-バスティーユの恋人たち-』で、バンドメンバーや印刷工など、にぎやかな男子グループの年長さんが続いた中で、宇月さんの個性が味わえる作品です。
フィナーレがまた、踊ってよし、歌ってよし。期待を裏切りません。
他に作品のスパイスとなる役どころを務めたのは、『春の雪』（2012）飯沼、『NOBUNAGA〈信長〉-下天の夢-』（2016） 浅井長政、『グランドホテル』（2017）運転手などです。
歌もいい！
何でもできる宇月さん。
スカイステージの歌の番組にもよく登場されていました。
『Bandito』マフィアsoloや、配信には入っていないようですが『カルーセル輪舞曲（ロンド）』飛翔もおすすめです。
おわりに
ガラコンを観ながら一番テンションが上がったのは、望海トートと宇月ルキーニが舞台で並んだことでした。
１学年差ながら、組が違うと芝居で並ぶことがなかったスターさんたち。
他の89期や90期、いやもう舞台上の全員、ＯＧとなってから夢の競演が実現するとは。
しかも、それぞれ進化した姿を見せて下さるのが、１タカラヅカファンとして嬉しかったです。
コロナでできなくなったことはたくさんありますが、今できる形をみつけて、舞台に光を灯し続けてくれた出演者やスタッフのみなさん、西野淳先生とオーケストラのみなさん、関係者のみなさん、ありがとうございました！
ライター：Dj heaven
