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真風涼帆さん『NEVER SAY GOODBYE』新時代の宝塚に期待

宝塚歌劇についての雑記

2022年2月~3月、宝塚歌劇団宙組で「NEVER SAY GOODBYE -ある愛の軌跡-」が再演されることが発表されました。

なんと真風涼帆さんが初舞台を踏んだのが、他ならぬこの「NEVER SAY GOODBYE -ある愛の軌跡-」です。

真風さんも感慨ひとしおではないでしょうか?

初演は、ゴールデン・コンビと呼ばれた和央ようかさん、花總まりさんの退団公演でもありました。

今でもつい劇中歌を口ずさんでしまう身としましては、心から再演が嬉しいです。

少し地味ではありますが、本当に素敵な作品でした。

初演を思い返してみて、ふと「真風さんと和央さんの魅力、そしてトップコンビの魅力が真逆では?」と思いましたので、その違いについて書かせていただきます。

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初演から15年

個人の感想であり、予想も含まれますので、苦手な方はお気を付けください。
最後までお付き合いいただければ、嬉しいです。

「Never Say Goodbye -ある愛の軌跡-」初演から、もう15年も経つのですね。

月日が経つのは早いものです。
退団公演の当て書きですので、再演のタイミングが難しかったとは思います。

けれど同時期に湖月わたるさんの退団公演用に当て書きで作られた「愛するには短すぎる」は、すでに二回再演されています。

それを考えますと、名曲揃いですからもったいないと感じました。

現在、愛月ひかるさんが、瀬奈じゅんさん初演の「マノン」を再演されています。

昨年は春野寿美礼さん初演の「不滅の棘」を主演されていたことから、「一人オサアサ」という声も上がりました。

今、あの頃の作品を再演する流れになっているのかもしれませんね。

「NEVER SAY GOODBYE -ある愛の軌跡-」は著名な作曲家であるフランク・ワイルドホーン氏が、宝塚のために曲を書き下ろしたことでも話題なりました。

宝塚のCDやDVDを参考に、トップコンビに合わせて書き下ろしたということで、とても贅沢な作品になっています。

そしてこの作品が出会いの場となり、ワイルドホーン氏と和央さんが結婚されたのは、有名な話ですね。

当時の和央ようかさんは「ザ男役」のようなキザり方や、濃いメイクを避けた方でした。

和央さんがトップになったことで、宙組のメイクがどんどん薄くなっていったのを、覚えています。

その数年前から宝塚全体のメイクも変わりつつあったのですが、和央さんはその中でも特にナチュラルなメイクで、自然体の男役を目指した方でした。

それを支えたのが、逆に「ザ娘役」ともいうべき、トップ娘役花總まりさんの存在だったと思います。

今では考えられない12年3か月という長期にわたって、トップ娘役を務められた方です。

5人のトップスターの相手役を務められましたが、その3人目である轟悠さんが退団公演中だと考えると、不思議な気持ちになります。

一方の真風涼帆さんが宝塚らしい、正統派男役であることに疑いはないと思います。

轟さん退団に際してコメントを寄せている記事を複数読み、やはり今のトップさんで轟さんの系譜に連なるのは真風さんなのだと、しみじみ感じました。

これからの宝塚を魅せてくれる

潤花さんは新時代の娘役さんだな、と感じています。

寄り添って咲くのではなく、自らが輝くタイプですね。

男役と娘役の在り方も、時代とともに変わりつつあります。

生徒さんの普段の生活の中でも、かつての男役が絶対な世界では、なくなっていると聞きます。

特に宙組は男役さんが娘役さんに優しくすることが普通の組なのだと、以前七海ひろきさんが語っていらっしゃいました。

これも時代の流れかもしれないですね。

演技の魅力で語りますと、あくまで主観ですが、和央さんは「大人になり切れず、あがき、苦悩する」青年の役が似合う方だったと記憶しています。

和央さんの代表作の一つであるファントムは、やはり「大人になり切れない」役でした。

トップになる以前の「エリザベート」のフランツも、他のジェンヌさんの演技と比較すると、母親の影響から脱しきれない苦悩が感じられました。

真風さんもフランツを演じていらっしゃるので、比較してみると面白いと思います。

退団公演の一つ前の「炎にくちづけを」も、和央さん演じるマンリーコの養母役の一樹千尋さんがストーリー上でも舞台上でも圧倒的な存在感で、すべてを支配するような歌声だったと、ふと思い出します。

その大人になり切れない感じが、ファンの母性反応をくすぐる方でした。

真風さんはと言えば、間違いなく大人の男の魅力を漂わせた方です。

全国ツアーで再演される「アクアヴィーテ!!」も、大野先生が「ウイスキーをテーマにしたものをやりたい」とずっと機会を狙っていた時に、宙組のショーを担当することになり、真風さんのイメージでこれだと決めたものだそうです。

「ウイスキーは大人の男こそ似合う」という大野先生が、ぴったりだと思う真風さん。間違いなく、大人の魅力たっぷりです。

真風さんの真骨頂は、立っているだけで大人の男のカッコよさが出せることではないかと、個人的に思っております。

長期トップ娘役を務めた花總さんの、最後の相手役となった和央さん。

現在珠城さんに続き、二番目に長い現役トップさんである真風さんの、二人目のお嫁さんとなった潤さん。

ゴールデン・コンビの退団公演である初演と、トップコンビとして大劇場2作目になる今回。

トップコンビの在り方も真逆と言ってもいいのではないでしょうか?

見た目だけでも、丸顔の和央さんに、面長の真風さん。

中性的な和央さんに、正統派男役の真風さん。

本当に対照的ですね。

共通するのはすらりとした長身と、立ち姿のカッコよさです。

「NEVER SAY GOODBYE -ある愛の軌跡-」は衣装が全体的に地味だからこそ、スタイルと姿勢の美しさが際立ちます。

真風さんのジョルジュ役が楽しみです。

15年前とは異なる魅力を放つ今の宙組が再演に挑む「NEVER SAY GOODBYE -ある愛の軌跡-」。

幕が上がる日を楽しみに待ちたいと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。