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瀬央ゆりあがここまで躍進できた3つの理由

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇団95期生といえば、

礼真琴さん、柚香光さん、月城かなとさんの男役トップスターを三人、

愛希れいかさん、実咲凛音さん、妃海風さんの娘役トップスターを三人、

現役生では水美舞斗さん、桜木みなとさん、朝美絢さん、瀬央ゆりあさんと

(いずれも二番手・三番手のポジション)

スターの宝庫と言われています。

その中でも瀬央ゆりあさんは入団成績45人中40番と下から数えた方が早く、

新人公演の主演も一回のみ、

バウホールの初主演は研10と

他の同期の方に比べると役が付くのが遅かったスターさんです。

しかし、2021年現在、

バウホール公演の主演は3回、

来年2月には東上初主演と、

他の同期のスターさんに追いつく勢いで主演を重ねています。

今回は遅咲きのスターと言われている瀬央ゆりあさんが

なぜここまで躍進できたのか、考えてみたいと思います。

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躍進できた理由は3つ

瀬央さんがここまで躍進できた理由は

  1. そもそもスターの素質があった
  2. 運の良さ
  3. 与えられたチャンスを自覚し、投げられたボールを確実に打ち返してきた

この3つだと思います。

①そもそもスターの素質があった

瀬央さんは音楽学校の頃に演出家の正塚先生に

「腐るなよ」

という言葉をかけてもらったそうです。

スターが揃っている95期生の中で、

成績も上位ではなかった瀬央さん。

入団後も役が付かない下級生時代は心が折れそうになる方もいるそうです。

正塚先生は瀬央さんの素質を見抜いていたから

この言葉をかけたのだと思います。

また、正塚先生の好きな役者像は

芝居心があって、

現実にいそうな男性を演じられる、

フェアリータイプより、男らしい男役さんです。

正塚先生にとって瀬央さんは、

自分の理想の男役像に当てはまる役者であると

音楽学校時代から感じていたのではないでしょうか。

瀬央さんのバウホール単独初主演『デビュタント』は

正塚先生の作品でした。

自分が目をかけていた生徒が主演であること

自分に目をかけてくれていた先生の作品で主演ができること

これはお互いにとって大きな喜びであったことでしょう。

②運の良さ

瀬央さんの新人公演初主演は『ガイズ&ドールズ』、

瀬央さんは新人公演に出演できるラストの学年、研七でした。

この公演は同期で主席の礼真琴さんは

本公演でメインキャストのアデレイドを演じており、

ポスター入りもしています。

新人公演は最上級生である研七生がお稽古を牽引します。

首席入団の礼さんは新人公演ではメインキャストに入っていなかったので

新人公演の主演経験も多く、本公演でも役がついていた礼さんが

後輩の指導に回ったことが予想されます。

(ただ、礼さんは新人公演で7役を演じたそうで、

とても大変だったそうです)

礼さんがいることで、瀬央さんは自分のお稽古に集中できたのではないでしょうか。

また、この新人公演のメインキャストは

サラ    綺咲愛里(ヒロイン・96期生)

ネイサン  紫藤 りゅう(二番手・96期生)

アデレイド 真彩希帆(二番手娘役格・98期生)

とヒロイン・二番手の方は瀬央さんと1期違い、

特に綺咲さんは本公演でも大きな役が付いており、

新人公演・バウホール公演でもヒロイン経験がありました。

舞台経験の少ない若手娘役さんではなく

経験豊富な娘役さんが相手役だったことで、

瀬央さんの負担がかなり軽減されたことは明らかです。

最初で最後の新人公演の主演を

瀬央さんが全力で取り組める態勢が整っていました。

また、主演したバウホール公演の

一作目は自分に目をかけてくれていた先生の作品、

二作目は熱い!瀬央さんとは真逆の静のイメージの

『龍の宮物語』伊予部清彦と、

作品にもとても恵まれている生徒さんだと思います。

③与えられたチャンスを自覚し、投げられたボールを確実に打ち返してきた

瀬央さんがここまで躍進できた大きな理由はこれだと思っています。

瀬央さんにとって大きな変化があった年は2018年、

4 – 7月、『ANOTHER WORLD』 『Killer Rouge(キラー ルージュ)』

8 – 9月、『New Wave!-星-』(バウホール) バウW主演

10月、『デビュタント』(バウホール) バウ主演

怒涛の瀬央さんプッシュの年でした。

特に『Killer Rouge』では瀬央さんがメインの場面があったり、

フィナーレでトップの紅さん、綺咲さん・礼さん・七海さん・華形さんという

スターさんと一緒の場面がありました。

この場面の瀬央さんからは、とにかく必死に食らいつくというか

絶対に爪痕を残してやるという気迫が感じられました。

この公演が、自分のこれからの宝塚人生を変えるとわかっていたのでしょう。

どんなに役が与えられても自覚がなくては向上できない

宝塚は楽しいだけじゃない

チャンスが何度も与えられるわけじゃない

他の同期がどんどん主演を務めている中で

役が付かない悔しさを痛いほど実感している

そんな瀬央さんだからこその、気迫ある舞台でした。

その後瀬央さんがバウホール公演の主演を連続で務めることが決定しても

「なんで2作連続で、しかも8-9月、10月と立て続けに

瀬央ゆりあが主演なの?」

という批判がほぼなかったのは、

『Killer Rouge』での瀬央さんを観て

ファンが納得した結果だと思います。

一般の社会でもそうですが、

組織で重要なポストを任される人物は

与えられたチャンスに対して、しっかりと成果を出せる人だと思います。

最後に

瀬央ゆりあさんがなぜここまで躍進できたのか、考えてみました。

瀬央さんはもともと芝居心があり、静も動の役もできる、

そして歌も上手な生徒さんです。

ダンスに関しては得意ではないかもしれませんが、

かなりお稽古を積んだのだろうというのがわかる場面が多々あり、

努力が確実に目に見える成果として出ているのが

ファンとしては応援したくなる一因です。

遅咲きのスターと言われていますが、

礼さん退団後にトップになったとしても

そこまで遅い学年でトップになることはないと思います。

(礼さんは実力・身長からして宝塚退団後も舞台で活躍できる生徒さんなので

あと2-3年位で退団すると予想しています)

現在公演中の『モアー・ダンディズム!』で

『ラ・パッション!』を歌っているように、

これからも情熱に溢れた瀬央さんの舞台を期待しています。