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礼真琴さんのポスターから長期トップ可能性を考える

宝塚歌劇についての雑記

宝塚歌劇団星組の「王家に捧ぐ歌」のポスターが発表されてから、しばらくが経ちました。

先行ビジュアルのジャケット姿に驚き、「いや、ロミジュリのときだってポスターまでには持ち直したし……」と思い直し、またポスターで目が丸くなりました。

・・・なぜ、ジャケット姿なのでしょうか。

湖月わたるさん、朝夏まなとさんのときのあのキラキラなお衣装は、どこに行ったのでしょうか。

瀬央ゆりあさんのポスターはあんなに素敵なのに、トップである礼さんが白ジャケットに白い包帯足して、しかも白バックってどういうことでしょう?

「なぜ」「どうして」ばかりが頭の中を駆け巡る中、ふとあることを思い出しました。

「長期トップは駄作を当てられがち、無駄に冒険させられがち」という都市伝説です。

「これは礼真琴さん長期トップの証では?」と思いましたので、個人的な推測を書きたいと思います。

もちろん一ファンの考えですので、苦手な方はご遠慮ください。
ご理解ある方だけお読みいただければ、幸いです。

「王家に捧ぐ歌」と言えば、オペラの「アイーダ」がベースになっていることは、宝塚ファンの皆様はご存じのことと思います。

上演の歴史は長くないものの、宝塚の名作の一つであることは確かです。

木村先生は、宝塚でアイーダをやりたいという思いを長く抱いていたそうです。

初演時の娘役トップ檀れいさんの美貌をもってして、初めて実現にこぎつけたという話は、有名ですね。気位の高い演技は、見事にはまっていました。

また当時ファンの間では「とうこさん(安蘭けいさん)の退団後に、アイーダ主演が決まっているから」との噂が、まことしやかに流れました。

実際、安蘭さんは退団後にアイーダを主演されました。

また、漢らしさでは定評のある湖月わたるさんが、将軍のラダメス様を見事に演じられました。

すべてを包み込むような大きな演技で、そこに古代国家エジプトを出現させていたのです。

素晴らしいトライアングルで完成させたがゆえに、「王家に捧ぐ歌」が名作になったと個人的に思っています。

朝夏まなとさんは天性の華やかさで、黄金の国エジプトを見せてくれました。

実咲凜音さんのアイーダも美しく、お二人とも輝かしいがゆえに、ラストの悲劇性が際立ち、涙なしでは見られないものとなりました。

少し前に朝夏まなとさんがインスタグラムで、「王家に捧ぐ歌」当時のお姿と、「王家の紋章」の写真を並べて載せていらしたので、ラダメス様の衣装を特に懐かしく感じます。

もちろん、礼さんのラダメス様も素晴らしいものに違いありません。
舞空瞳さんのアイーダも、早く見たいです。

でもポスターは、「これじゃなくない?」という気持ちが強すぎます。

宝塚ファンは「王家に捧ぐ歌」が名作で、礼さんが素晴らしいトップであることを知っています。

でもアウェイの御園座です。

まずポスターで魅了してほしいというのは、わがままでしょうか。

礼さんのお父様のことを考えれば、凱旋公演かもしれません。凱旋ならもっと気合を入れてもいいですよね。

ロミジュリのときのような、現代風アレンジなのでしょうか。

ロミジュリ、ロクモの衝撃を軽々乗り越えた礼さんだからこそ、それもありなのかもしれません。

キラキラした重たい衣装では出来ないダンサーなラダメス様を作り出し、「踊るフェルゼン様」ならぬ、「踊るラダメス様」伝説を作るのでしょうか。

金髪碧眼を思わせるメイクは、もはやエジプトではない気もします。

今はやりの異世界転生だったらどうしようとまで、考えてしまいました。

現代のエジプト人はいわゆる白人と黒人が交じり合ったものであり、「王家に捧ぐ歌」の時代はほぼ黒人であったと言われています。

湖月さん、朝夏さんのラダメス様は、濃いめのドーランを使われていました。

だからこそ外部作品ではありますが、「王家の紋章」のキャロルの金髪碧眼が驚かれ、「ナイルの娘」とあがめられるわけですね。

なんで名作に対して、こんな冒険をするのでしょうか。

「キムシン、何てことするの?」と嘆いていたのですが、これは逆なのかもしれません。

礼さんの長期トップが決まっているからこそ、冒険できたのではないでしょうか。

短期トップの方は、手堅い作品を当てられがちです。

それは確実にチケットを売る必要があり、冒険のリスクも取れないからです。

礼さんの今の人気ぶりを考えれば、たとえ失敗作となってしまっても、ファンはチケットを買うでしょう。

いえ、礼さんなら駄作ですら、満足度の高い作品に昇華してくれるはずです。

そして長期トップが決まっていれば、ここで売り逃しがあったとしても、安心です。

そう考えると、星組の「二番手不在?」問題にも、納得がいきます。

最近、爆上げの兆候が見られる瀬央さんですが、やっと東上が決まったばかりです。

正二番手を堂々と名乗るには、東上は必須。

「竜の宮物語」で東上が叶わず、「ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~」まで持ち越す形となりました。
もちろん東上が遅れた背景には、コロナ禍があることは確かです。
一方で礼さんの長期トップが決まっているから、二番手の育成も焦っていないと考えると、納得がいきます。
さらに「瀬央さんが二番手なら、三番手は誰?」問題も、礼さん安泰だからこそ急がないという見方が出来ます。
三竦みの中から誰が飛び出すのか、待っている時間もあるというわけです。

星組の長期トップと言えば、レジェンドと呼ばれたトップスター、柚希礼音さん。
柚希さんも、実質的な二番手がいても、正二番手が置かれない時代がありました。

人事がうまく、順当であることには定評がある星組です。
若手の育成もぬかりなく、星組で見出された生徒さんが他組で開花するのも、よくあることですね。

「礼さんの長期トップ」を前提に考えると、何もかもが腑に落ちる気がします。

では任期はどれくらいなのか。

気になる要素が二つあります。

一つは、瀬央さんが95期であること。

もう一つは、極美慎さんが2025年の大阪万博アンバサダーなのでそこまでに、はっきりとした番手上げをしないといけないこと。

大阪万博アンバサダーは、一組につき一人ときれいに配分されています。番手上げのための組み替えはないと思っていいでしょう。
柚希さんの11作には届かないかな、とは思いますが、瀬央さん極美さんの成長を見守ってくれると考えてよさそうですね。
少なくとも2023年ぐらいまではトップでいてくださるだろうと、推測します。

礼さんが長くトップで輝いてくれると思うとうれしい限りですが、ラダメス様のお衣装に「うーん」と首を傾げてしまうのも確かなところです。
幕が上がればそれまでの不満を忘れ、礼さんのラダメス様のカッコよさに夢中になってしまうのは、確定なんですけどね。

礼さんにはそれだけの魅力と、実力がありますから、心配なんていらないのです。

さいごまでお付き合いいただき、ありがとうございました。