近頃阪急百貨店でベルサイユのばら展が開催されていたり、ベルばらアニメのアンドレ声優さんがお亡くなりになったりなど、久々に何かとベルばら関連のニュースを見かけるなと感じていたのですが、その中でも特に衝撃を受けたのがやはり「韓国ミュージカルでベルばらが上演予定」と発表されたことでしょうか。
【韓国】EMK&シンシカンパニー、2023年ラインナップ公開!
— LIM編集部 (@lesmisquarti30) December 12, 2022
2023年EMK『ベートーヴェン』『モーツァルト!』『レベッカ』『ベン・ハー』『モンテクリスト』『シスター・アクト』『ベルサイユのばら』
シンシ『マチルダ』『マンマ・ミーア!』『シカゴ』『RENT』などhttps://t.co/bl0H7cAlwQ pic.twitter.com/iyj1SFZ5JJ
韓国ミュージカルといえば、各国のミュージカル界でも近年かなりレベルが高いようで、韓国はファッションなどでも時代やトレンドに強い国かと思うので、舞台での衣装や世界観も抜群にお洒落なイメージがあります。
そしてそんな韓国ミュージカルで表現されるベルバラはきっとおしゃれで洗練されている舞台に仕上がるのではと今から期待大です。
とはいえ、ベルばらの実写化といえばあまりにも宝塚のイメージが強すぎて、いまいち韓国のミュージカルとしてどう演出されるのかイメージが全く浮かびません。
そこで今回は「韓国ならどう演出される?ベルサイユのばら」という視点からお話を進めていきたいと思います。
オスカル役者が肝心。美しいだけではNG。
ベルサイユのばらといえばフランス革命期を背景に描いた漫画なので、ほとんどの登場人物が実在した人物ですが、メインキャラクターのオスカル、アンドレに関しては漫画のオリジナルキャラとなっております。
そのため登場人物の中でもメインの二人が肝心ですが、特にオスカルに関しては「幼い頃より男として育てられた男装の麗人」というバックボーンが少々ややこしく難しい人物設定となっております。
仮にも“麗人“と言う部分にだけ着目し美しい女優さんが起用されても、衣装や髪型は似合うでしょうがオスカルの「強さ、勇敢さ、逞しさ」が全く出てこないはずです。
どうかビジュアルだけに拘らず、キャラクター性を重視したキャスティングが行われていればいいなと今から少しドキドキです。
今宵一夜はどうなる?
原作漫画、そして宝塚の舞台化においても特にベルばらの盛り上がりポイントといえば、やはり「今宵一夜」でしょう。
長年、オスカルに叶わぬ恋心を抱いてきたアンドレが一世一代の告白の後、遂に二人が結ばれる場面は非常に情熱的で美しいなと感じます。
宝塚版では、この際に「愛それは~」という宝塚を知らない人が宝塚を連想する際に必ず思い浮かべる曲であろう「愛あればこそ」を二人で歌い上げるのですが、韓国版ではどうなるのでしょう?
この曲は好きですが、やはり曲調的にも少し時代を感じるメロディなので、もう少し現代的な洗練されたテーマ曲が用意されるのではと期待できますね。
衣装、ヘアメイクはどうなる?
韓国版ベルばらで最も期待できることが個人的には衣装とヘアメイクかなと思います。
やはり、ファッショントレンドに敏感な国ですし、韓国版エリザベートを例に上げてみてもシシイの衣装も胸元が強調された女性的なデザインがこの演目の衣装としては少し斬新にも感じますし、それにトート役のヘアメイクもトートだから白髪のロングヘアでないといけないなどの固定概念に一切囚われていないところが素敵だと感じます。
宝塚版ベルばらでは、オスカル=赤の軍服、アンドレ=黒の軍服と色のイメージも強すぎて、衣装だけでいえば少しコスプレ寄りになっているところもあるので韓国版の衣装がどのようなデザイン性で攻めてくるのかなと期待大です。
総合的な予想と期待
現代のミュージカル界において先端を走っている韓国ですから、あくまで宝塚の演出、衣装をなぞることはせず、斬新に全く別のものにアップデートしてくるのでは?と予想しています。
もちろんベルばらは、宝塚においても“赤字続きの歌劇団を救った不朽の名作“であることは間違い無いですが、初演が 年とかなり昔なので、それから全く演出が変わっていないとなるとやはり現代を生きる私たちからすると“古い“と感じてしまうことは真っ当なことで「ベルばらは嫌いじゃないけど、再演はなあ‥」と感じている宝塚ファンも多いのではと思います。
「再演するなら新演出を!」との声も見かけますので、今回の韓国演出版の成功次第で何か宝塚も変わるものがあるのでは?と正直少し期待もありますね。