宝塚歌劇団月組の次回作品「応天の門」の配役が発表されました。
組長 光月るうさんはじめ退団発表者が多く驚きました。
原作は連載中の漫画作品で作者は灰原薬さんです。
コミックは現在16巻まで発売されています。
Amazon Kindleでは3巻まで読み放題で読むことができます。
読み始めると、平安時代版の犯罪や難事件を菅原道真の頭脳で解決していく物語かなと思いましたが、政治的な陰謀や当時の庶民の悲喜こもごもが描かれている歴史物語としても面白い作品です。
宝塚歌劇では平安時代の作品では「あかねさす紫の花」や「新源氏物語」などが有名ですが、「応天の門」はサスペンスやコメディ要素もあり新しい形の和物作品になると思います。
「応天の門」は平安時代の菅原道真と在原業平を主人公とするクライムサスペンスです。原作と発表された配役から宝塚歌劇で登場するキャラクターを考察したいと思います。
月城かなとさん演じる菅原道真について
学問の神様として太宰府天満宮で祀られている菅原道真です。
原作の漫画では天才的な頭脳を持つが、その分皮肉屋で世の中をどこか冷めた目で見ている若き文書生(学生)です。
一般的に知られている菅原道真の若い時代の物語となっています。
クールというよりシニカルで、原作のビジュアルもちょっとやんちゃな感じでしたが、やはり月城かなと様は予想を遥かに超えたお姿での登場でした。
原作のインテリかつやんちゃなイメージに美しさを盛ってくると言う、全方位非の打ち所がないポスターで、菅原道真公史上最強ビジュアルではないでしょうか?
平安時代の超イケメン色男在原業平に鳳月 杏さん
前作「グレート・ギャッツビー」ではギャッツビーの恋敵、アメリカ人の大富豪トム・ブキャナン役でしたが、今回は実在する平安貴族の在原業平です。
原作では現代の警察長官のような仕事をしています。
次々と起こる難事件を菅原道真の知恵を借りながら解決していきます。
一見菅原道真をからかいながらもその頭脳の素晴らしさを人一倍理解して自ら絡んでいきます。
その裏には単に好奇心だけでなく、道真の頭脳を利用しようとする意図も見え隠れします。
史実でも色男として有名ですが、女性が大好きで自他共に認める色男です。
鳳月杏さんの超絶イケメンの在原業平を楽しみにしています。
海野美月さんは唐(中国)の美女昭姫
海野美月さんは、唐(中国)からやってきた酒場(賭博場)の主人の役です。
原作を読む限りでは菅原道真とは恋愛関係ではなさそうです。
事件を解決する時に協力したりする仲間の一人という立ち位置かなと思います。
風間柚乃さん演じる藤原基経について
原作漫画を読んでいて、月組三番手である風間柚乃さんは、紀長谷雄(彩海せらさん)を演じられるのかなと予想していました。
しかし配役発表では風間柚乃さんは今作では平安時代の貴族の一大勢力藤原家の藤原基経役でした。
藤原基経は原作では出世欲が強く、妹の藤原高子(天紫 珠李さん)も政治利用し京の権力を自分のものにしようとします。
どちらかというと菅原道真と在原業平の敵チームです。
原作ではいくつもの事件が起こり、菅原道真と在原業平が解決していくのですが、背景に藤原氏VS反藤原氏という政治的な対立が大きく関わってきます。
風間柚乃さんは前作では、月城かなとさん演じるギャッツビーを心から思う親友役でしたので、今回はどちらかというとヒール役ですね。
どんな鋭い切れ味の藤原基経を演じられるのか楽しみです。
紀長谷雄役は彩海せらさん
紀長谷雄は菅原道真と同じ文書生(学生)ですが、どちらかというと単純で騙されやすく、明るいキャラクターです。
原作でも全編を通して登場します。
シリアスな場面をボケて和ませる役割なので、彩海せらさんの明るいイメージで楽しい雰囲気を担っていかれるのかなと期待します。
白梅は彩 みちるさん
白梅はある事件をきっかけに菅原道真の邸で仕えることになった博識の女官です。
身軽な立場なので情報収集など菅原道真や在原業平にとって欠かせない存在です。
組長光月るうさんは藤原良房役
やはり退団者の発表で一番驚いたのは光月るうさんです。
今回の公演では藤原良房を演じられます。
鳳月杏さん演じる在原業平と風間柚乃さん演じる藤原基経が同じぐらいの立場でバチバチ火花を散らすと予想できますが、藤原良房はラスボス中のラスボスです。
娘役さんの出番も多そうです!
配役発表と原作を読んでいくと、女官が事件に深く関わるエピソードも多く娘役さんの登場場面も多いのではないかと予想します。
和物作品はどちらかといえばシリアスなイメージがありますが、「応天の門」は菅原道真と在原業平の掛け合いもテンポの良い作品です。
新しい形の和物作品に期待しかありません!
ライター・さんなん