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「有終の美」宝塚宙組退団公演、小池修一郎作品が華やかに彩る

宝塚歌劇についての雑記


宝塚歌劇団宙組の公演中ですが、今回の退団者は、
トップスターコンビ 真風涼帆さん 潤花さん、
組長寿つかささん 
秋音 光さん 
紫藤 りゅうさん
澄風 なぎさん 
湖風 珀さん 
明希翔 せいとさんと退団者が多いです。

退団公演は、有終の美に相応しい華やか、かつスパイスの効いた小池修一郎先生の作品でした。

原作はジェームズ・ボンド007という誰でも知っている作品ですが、私自身は映画を観たことがありませんでした。


予習と思ってAmazonプライム・ビデオで視聴するものの、やはりカッコいいアクションを楽しむ映画という感じで、男性向けの作品という印象でした。

「007」の世界観ではボンドは一人の女性とは結ばれません。

一作ごとに出会いと別れを繰り返します。

世界一優秀なスパイが家庭的なパパというのは確かに厳しい設定です。

この作品でも二人はさわやかに別れお互いの道を歩いて行きます。

退団しそれぞれの道を歩むトップコンビに相応しいストーリーですね

スカイステージのNOW ON STAGEではアクリル板越しでしたが

真風涼帆さんはじめ5名の出演者が宝塚大劇場の階段前で一同に出演されていました。

やはり複数の方でワイワイとお話されるのは視聴者も楽しいです。

NOW ON STAGEは観劇後に視聴しても感動したシーンを思い出したり、演出の仕掛けの答え合わせをしたりと、観劇の予習だけでなく余韻を楽しむためにもいい番組です。

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男役の集大成!真風涼帆さんが魅せる「007」の世界

スーツと革ジャンとロシアの民族衣装

登場のシーンからスーツのダンスシーンでハートを撃ち抜かれてしまいます。
前回月組『グレート・ギャッツビー』でも
小池修一郎先生の作品の男性はとにかくスーツが似合いすぎます。

ボンドのカッコ良い男性のイメージを持ちつつ、人間的で正義感もある真風ボンドは新しいボンドのキャラクターではないでしょうか?

次期トップスター芹香斗亜さんが完全ヒール役

次期宙組を率いる芹香斗亜さんはル・シッフルというソ連のスパイの役です。

柔道の黒帯とか、実は自分自身の帝国を築く野望があるとか、まさに今の世界情勢を風刺しています。真風ボンドと互角に勝負する姿が次期トップとしてのオーラと気迫を感じる公演でした。

オリジナルキャラクターで魅せる宙組トップ娘役の魅力

前回宙組公演『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』でもそうでしたが、トップ娘役がオリジナルキャラクターということが原作と宝塚の世界観をつなげる橋渡し役になっています。

ハードな男達かっこよさを男役が表現しながらも、ある種の品のよさというか宝塚歌劇の観客が受け入れやすい重要な役割を果たしています。


今作で添いとげ退団の潤花さんはデルフィーヌというロマノフ家の末裔で後継者に指名されている大学院生の役です。

全ての子供に等しく教育をという理念を持ち教育学を学ぶという設定が、非情なジェームズ・ボンドの世界観を柔和にしています。
そして何より潤花さんの限りなく明るい陽のオーラが舞台全体を明るく華やかにしています。

桜木みなとさんと天彩 峰里さんの新境地

桜木みなとさんは学生運動のリーダーで、潤花さん演じるデルフィーヌの恋人で芹香斗亜さん演じるル・シッフルの経営するナイトクラブで働いています。

天彩 峰里さんもナイトクラブの歌手の役です。
学生運動のリーダーといえば、高い理想に燃えるカッコいいイメージですが、実は気が弱くデルフィーヌとの身分差を感じている人間味のある役どころです。

天彩 峰里さんもナイトクラブの歌手なのでその歌唱力が存分に発揮できる役でした。

お二人の演技は真風涼帆さんがあくまでもかっこいいジェームズ・ボンドに対してコミカルな部分が際立ちます。

明るくトップスターコンビを送り出そうという小池先生の意図を感じます。

組長 寿つかささん退団

宙組誕生時から宙組を支えスタイリッシュな男役が特徴の宙組を育ててこられた寿つかささんの退団発表は真風涼帆さんの退団よりも衝撃的でした。

なぜならトップスターは数年で交代するのが決まっているからです。

それに対して組長さんは比較的在団年数が長いものと勝手に思い込んでいました。

寿つかささんの退団発表は一つの時代の終わりと新たな宙組の始まりを感じざるをえません。

白のデュエットダンスが尊すぎる。

どの公演も宝塚歌劇団の皆さまの最高の舞台と思って観劇していますが、やはりトップスターの同時退団公演の白いデュエットダンスの衣装は特別尊い雰囲気でした。

ライター・さんなん