宝塚の作品を観るとき、衣装のきらびやかさを楽しみにしている人は多いと思います。
和服ひとつでも様々な形があるように、軍服ひとつでもたくさんの色使いがありますよね。
今回は、軍服に焦点を当て、軍の最高位の人が着るという「白軍服」についてのお話しをしたいと思います。
白軍服が登場する作品と、その作品の世界観を合わせてご紹介しますので、共感出来るかたがいらっしゃれば嬉しいです。
宝塚といえば・・・軍服
宝塚にある様々な作品の中で、軍服が使われているものがいくつもありますよね。
軍服は位の高い軍人が着るものであり、機能性や耐久性を重視されていますが、 宝塚では男役が美しく見えるように造られているとされています。
スタイルのよい、顔立ちの整った男役スターさんたちが、本当に素敵な着こなしをしていて、作品に花を添えています。
白軍服が美しい作品5選
ここからは、白軍服が美しく、男役さんの魅力を増加させていると思う作品を5つご紹介いたします。
1 戦争と平和
1988年8月に初演を迎えた、星組公演作品です。
主演は、元星組トップスターの日向薫さんでした。
この作品は、小説家レフ•トルストイさんの「戦争と平和」を原作に作られた宝塚のミュージカル作品です。
日向さんは、当時では高身長とされていて、大柄だけれど穏やかなふんわりとした雰囲気をまとった男役さんでした。
とても綺麗なお顔に、白い軍服をスラっと着こなす姿が本当に素敵です。
第一幕で、榛名由梨さん、紫苑ゆうさん、萬あきらさんと4人で話す場面があるのですが、もうズバ抜けて格好いいんです!!
凛とした立ち姿、整った顔立ち、優しくも強い話し方、など白軍服だけでなく日向さんの魅力も詰まった作品です。
2 ベルサイユのばら
ベルばらといえば、男装の麗人オスカル•フランソワ•ド•ジャルジェですよね。
ベルばらには、白軍服以外にも様々な軍服が使われていますが、やはりオスカルの白軍服がいちばん素敵だと思いませんか?
オスカルを演じてこられた全ての宝塚スターの方が、とても素敵な男装の麗人でした!
衛兵隊の隊長として、パリ出動の先陣も立つことになったオスカルは、アンドレと共に戦いの場に進行しました。
その戦いの中、アンドレが銃弾に倒れ戦死し、その悲しみを抱えながらもバスティーユへ進行したオスカルも激戦の末、アンドレと同じく銃弾に倒れました。
戦死したオスカルを、アンドレが白い馬車で白軍服で迎えにくるのですが、白軍服のオスカルとアンドレの二人が本当にキラキラと輝いていて、これぞ宝塚のベルばら!!という気持ちでいっぱいになります。
激しい戦いの場面でさえ、白軍服がとても凛々しく輝くベルばら、久しぶりに生観劇したいものです。
3 うたかたの恋
こちらの作品は、プロローグから赤い階段を背に白軍服が美しく、一気に作品の世界観に引き込まれていきます。
2023年3月13日に東京千秋楽を迎えた、花組さんの公演がまだ真新しく鮮明に思い出すことができます。
いままで何度も再演されてきている「うたかたの恋」ですが、花組トップスター柚香光さんの白軍服は本当に素敵でした。
ルドルフとマリーの悲恋の恋物語なのですが、さすがハプスブルク時代ともあって軍服以外にも素敵なお衣装が多い作品でした。
この作品の白軍服は、マリーに恋したルドルフ皇太子殿下の「本当の愛」「純粋な愛」を表しているように思えたのは、わたしだけでしょうか。
4 舞姫
舞姫は、森鴎外の代表作を舞台化した作品で、2023年5月に聖乃あすかさん主演で花組さんが公演しました。
日本の明治時代、愛する人と祖国への思いに思いに葛藤する主人公を演じる聖乃さんがとても素敵でした。
日本とヨーロッパの世界観の変化も楽しめ、恋の始まりと終わりの両方を肌で感じることができる素敵な作品です。
公演チラシの白軍服の聖乃さんはとても凛々しく、素敵でした。
聖乃さんは、正統派二枚目の役がとても似合うと思いますし、最近男役としての色気が増したと、私は強く感じます。
5 ダルレークの恋
この作品では、インドが舞台ということもあり、軍服にターバンという少し雰囲気の違った要素があります。
直近では2021年に、トップスター月城かなとさん率いる月組で上演された作品です。
騎兵大尉と貴族の娘との身分違いの愛を描いた作品で、月城かなとさんと海乃美月さんお二人の美貌が協調される作品でした。
海乃さんは仕草がとても美しく、気品あふれる貴族のお嬢様という姿がとても素敵でした。
そして、なによりも一番目を引いたのは、やはりトップスター月城かなとさんの軍服姿です。
和ものの軍服とは、少しデザインが違っているのですが、金色の装飾のついた白軍服にターバンを巻いた姿のかっこよさ。
綺麗なお顔に、スラっとした体形の月城さんの軍服姿は、本当に息をのむ美しさです。
軍服番外編3選
ちょっとここからは、白軍服ではないのですが、宝塚の軍服といえば外せない、個人的な軍服番外編をご紹介します。
1 はいからさんが通る
花組トップスター、柚香光さんが演じる「陸軍少尉・伊集院忍」の軍服姿の凛々しさ。
そして、伊集院少尉の部下である「鬼島森吾」の開襟軍服のワイルドさ。
柚香さんって、本当に軍服姿がすてきなトップスターさんですよね。
2 エリザベート
ルドルフの青色の軍服が、個人的に好きすぎるんです。
うたかたの恋の白軍服のルドルフも素敵なのですが、青色軍服のルドルフも凛々しさが増してすてきです。
でも、この青色の軍服は、ルドルフ皇太子は「この軍服は僕には耐えられない」と嘆いたという一説もあるようです。
エリザベートの作品の中で、青い軍服はとても素敵なんですけどね。
3 元宙組トップスター
白軍服姿で最後の大階段を降りてきたことで、最後にファンを驚かせたのが、元宙組トップスターの凰稀かなめさんです。
宝塚の退団といえば、伝統の緑の袴姿で最後の大階段を降りてくるものですが、凰稀さんは宝塚人生の中で軍服を着ることが多かったからという理由で、白軍服を選んだそうです。
凰稀さんの最後は、金髪に赤いバラの花束を抱えた白軍服姿でした。
最後までかっこいい男役を魅せてくれて、ありがとう!という気持ちになったのを思い出しました。
まとめ
宝塚での軍服の位置付けは、男役さんの魅力を増加させるためにあるといえますよね。
たくさんのタカラジェンヌさんが、軍服を着用してきて、たくさんの着こなしをみてきました。
これからも、宝塚の男役さんの軍服姿に魅了され続けていきたいと強く思います。