2023年7月、国民に親しまれてきたジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏に関する性加害問題が一大ニュースとして報道され、日本全体が震撼しました。
この報道は、単にジャニーズ事務所の内部問題として収まるものではなく、事務所の経営体制や芸能界の文化、さらにはメディアやスポンサーの関与といった、より大きな構造的な問題への注目を集めました。
このような背景を踏まえて、改めて宝塚歌劇団とその創業者である小林一三氏のビジョンを振り返ることは、今後の芸能界改革の参考として非常に有益であると言えるのではないでしょうか。
ジャニーズ事務所と宝塚歌劇団は、日本のエンターテインメント業界で非常に影響力のある二つの大きな組織です。しかし、２つの組織の構造、育成方法、ファンとの関係構築方法など、多岐にわたる点で異なります。
マスメディアとスポンサーとの関係性
ジャニーズ事務所は、マスメディアとの連携を深く持っており、その関係性を利用してタレントの露出を増やすことで、その知名度を飛躍的に上げてきました。
一方、スポンサーもジャニーズのタレントを商業に起用し、ブランドや商品の認知度向上を図ってきました。
このような状況下で、ジャニーズのタレントたちはメディアやスポンサーの影響下に常に置かれていたと言えるでしょう。
対照的に、宝塚歌劇団はマスメディアの主流からは少し距離を置き、スポンサーを必要としない独自の有料チャンネルを運営し、自らの舞台公演をPRする手法を採用しています。