宝塚歌劇団花組新人公演「アルカンシェル」。久しぶりに観劇できることとなり、東京まで出掛けてきました。
本公演とはまたひと味違う、まさに新人公演らしい爽やかな作品となり、晴れやかな気持ちになりました。
「アルカンシェル」の本公演は1本もの。作品は今回退団されるトップコンビ、ダンスが得意な柚香光、歌が得意な星風まどかに合わせて作られた作品でもありますので、それを新人公演用に時間を縮小し、アレンジがされていました。レビューシーンもだいぶカットされていたのが残念でしたが、非常にシンプルにわかりやすくまとめられていたのが印象的。
主演:天城れいん(本役:柚香光)
落ち着いた演技と歌。さすがに2回目の主演!
銀橋での「たゆたえども沈まず」の歌声もとても素晴らしかった!
相手役さんへの愛情溢れる仕草など細部へのこだわりが見えて素敵でした。
あたたかくソフトな声が魅力的だが、悪役も見てみたい。
ヒロイン:七彩はづき(本役:星風まどか)
星風さんを良く見ているんだろうなと思う仕草や台詞回しから伝わってくる。
こちらもすでに2回目のヒロインで、着実に上を目指していますね。
お化粧も上手くなり、潤花さんに見えてきた。歌は堂々たる素晴らしさ。
フリードリッヒ(フリッツ):遼美来(本役:永久輝せあ)
初めての大役で最初は緊張が見えたが、流石にダンスの人。
Swingのダンスからだんだんとよくなり、伸びやかな歌声を披露してくれました。
いままで遼美来さんの歌を聞いたことがなかったので、こんなに歌もお芝居も上手だったとは知らず、新しい発見でした。
本公演のちょっぴり影の見えるフリッツに対して、純粋でストレートな熱い思い、フリッツの人柄の良さが伝わる演技。
何も考えずにただひたすらにエンターテイメントが好きで、「両方やっちゃえ!」って言っちゃったのが、全ての始まり・・・なんだなというこのアルカンシェルという作品を、遼の純粋なお芝居で、よりシンプルに見せてくれたのかもしれない。
銀橋でのソロもサセジャズの高音も迷いなく歌いこなしてた。
男役としての声はまだまだではあるが、大きな役をもらう度に進化していく過程が楽しみだ。今後おおいに期待したい。
アネット:花海凜(本役:星空美咲)
「うたかた」での影ソロを聴き、「誰?この綺麗な声」と始めて認識したのが、彼女。
ミラクルでの美声が素晴らしかった。
声がよく、台詞がとても耳心地良い。
フリッツの部屋で帽子をなかなか取らず、戸惑いや緊張を表現してたのがすごく好きなお芝居だった。
ミラクルでの美声に感激した…!声がとても良いので台詞がとても耳心地良い。フリッツの部屋で帽子をなかなか取らず、戸惑いや緊張を表現してたのがすごく好きなお芝居だった。
新公フリアネ、ピュアで可愛い!新公フリアネコンビ二人の純粋さが、なんともこの公演を爽やかな作品にしてくれた。
純朴で美声で華やかさも芯の強さもある娘役さん。今後ヒロインも期待したい。
コンラート・バルツァー:夏希真斗(本役:輝月ゆうま)
芸達者な輝月ゆうまの役を上手に再現され、執拗な嫌な感じがよく出ていた。歌もお芝居も存在感もすごかった。
作品の温度調節はこの役にかかってて、それを見事に担っていましたね。 新公学年であの迫力出せるのすごい!。
ペペ:鏡 星珠(本役:一樹千尋)
こちらも芸達者な専科一樹千尋さんの役でとても難しかったと思いますが、フルフルのソロ、しっかり歌い上げた。
本来はキレキレのダンスを踊る鏡が、年配のダンスの雰囲気を出すのは、とても難しかっただろうと思います。
さすがの器用な鏡。細かい役作りと表現力で鏡くんなりの役作りでとても良かった。
捕虜になり、イブ(真澄ゆかり)と再会し、フルフルを歌う場面では涙が込み上げた。
イヴ・ゴーシェ:美空真瑠(本役:聖乃あすか)
一発目の台詞から耳心地良くて、ストーリーテラーとして芝居の押し引き、さすがの上手さだった。
本公演と設定が違うので、本公演観劇済みの方は戸惑ったかもしれないが、イヴ(=自分自身)に寄り添ったり細かいお芝居がスパイスになってた。