宝塚ファンにはそれぞれ「思い出のジェンヌさん」がいるのではないかと思います。
私にとっての思い出のタカラジェンヌは、宙組前トップスターの朝夏まなとさん。
88期生です。(→88期生一覧)
宝塚が大好きな友人の影響でそれまでもなんとなく宝塚を追ってはいましたが、朝夏まなと(まぁ様)に出会って「なんだこのキラキラ感は……!」と衝撃を受けて以降、宝塚に対する関心がぐぐっと深まりました。
2017年をもって宝塚を退団したため、今から彼女の男役姿をリアルタイムで観ることはできませんが、退団した現在も女優として数々の舞台で活躍されています。
今回はそんな朝夏まなとの魅力やおすすめ公演、現在の活動についてまとめました。
朝夏まなとの魅力〜宙組の太陽〜
朝夏まなとの魅力はなんといってもそのお人柄。
常に明るく、ポジティブであろうとするその姿を見ていると自分も頑張ろう!という意欲が湧いてきます。
忙しい日々の中、観劇を通じて「明日へのエナジー」をくれるジェンヌさんの一人でした。
誰が名付けたか「宙組の太陽」は本当にぴったりの呼び名だと思います。
抜擢ゆえの苦悩を乗り越えて
そんな前向きで仲間想いの朝夏まなとですが、退団後に発売された写真集『Welina』には、今まで明かされることのなかった宝塚時代の彼女の心情が綴られています(ファン必見です)。
新公学年のうちからスター候補として活躍の場を多く与えられてきた朝夏まなと。
早くから「推されてきた」生徒さんではありましたが、その抜擢に自身の実力や人気が伴っていないのではないかと思い悩むこともあったそうです。
花組から宙組への組替え後も、正式な二番手としての出演の機会が多くなかったこともあり、トップ就任時には決して準備万端とはいえない状況と見る向きもありました。
それでも着実に実力を伸ばしてゆき、持ち前の華やかさやダンサーとしての技術に加え、当初は苦手としていた歌のレベルもどんどん上がり、トップとなってからは朗々とした伸びやかな歌声で観客を魅了するまでになりました。
組子との絆
朝夏まなとは「チャラ男」と形容されることがありました。
娘役をサラリと褒める軽やかさはまるでイタリアの伊達男のよう(思わず照れる娘役たちが可愛かったです)。
娘役のみならず、後輩ジェンヌの良いところを見つけ、しっかりとフォローしていました。
もちろん先輩への心遣いも忘れません。
飾らず気さくで壁を作らない性格でメンバーから慕われた朝夏まなと。
時にチャラいと言われるほどに他の生徒の魅力を的確に褒めていました。
それが自信につながり舞台での輝きを増した生徒さんもたくさんいたのではないでしょうか。
誰からも好かれる朗らかさとおおらかな包容力で組をまとめ上げ、宙組はファンにも伝わるほど生徒にとって居心地の良い雰囲気になっていました。
彼女のスピリットは二番手としてそのリーダーシップを誰より近くで見ていた真風涼帆率いる現在の宙組にも確実に引き継がれていると感じます。
朝夏まなと主演のおすすめ公演
『HOT EYES!』
朝夏まなとのチャームポイントである大きな目をテーマにしたショーです。
朝夏まなとの魅力を歌詞にギュッと詰め込んだ主題歌や、キレッキレの華やかなダンス、目が潰れそうになるほどのキラキラオーラに満ちたパレードなど、「陽のスター」としての朝夏まなとの良さが最高に伝わるショーです。
『神々の土地』
今をときめく上田久美子作・演出の退団公演。
ラスプーチン暗殺を描いたこの作品は、退団公演としては暗すぎるという意見もありますが、歌やセリフでは語られない滲み出る感情が物語を紡いでいく、観る者の心に余韻を残す美しい物語でした
朝夏まなとの役者としての実力の集大成を見届けられたのはもちろんのこと、軍服やロングコートを着こなす朝夏まなとにもときめいた作品です。
現在の活動
現在は女優として大活躍している朝夏まなと。
男役をコンスタントに見ることはできませんが、なんといってもぱっちりお目目の美人さんなので女役の違和感がゼロ(それどころか、むしろ女性として素顔で演じるほうが似合うお顔立ちかもしれません)。
『マイ・フェア・レディー』『オン・ユア・フィート!』などのミュージカルで次々と主演し、成功を収めました。
直近の舞台は日生劇場公演『笑う男』でのジョシアナ公爵役。華やかな美貌にドレスが良く似合います……とにかく美しい!
公式Instagramで活動の様子をいち早くチェックできます。
元相手役の実咲凜音(みりおん)と現在も仲良く観劇している様子で、この二人のコンビ(まぁみり)ファンは退団後もほっこりさせてもらっています。
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おわりに〜タカラジェンヌを超えた、人としての魅力〜
いつも朗らかで周りに元気をくれたまぁ様。
試練が訪れても苦労を顔に出さず、努力を積み重ねて成長を続けたまぁ様。
ともに舞台を作った仲間を愛し、仲間に愛されたまぁ様。
宝塚の男役として輝いていたのはもちろんのこと、それに加えて朝夏まなとには「こんな素晴らしい人間になりたい」と思わせる魅力がありました。
人格者の彼女をほんの少しでも見習えるように心がけつつ、女優・朝夏まなとのこれからの飛躍を見守っていきたいです。
ライター:ミナミ