楽しい宝塚歌劇団の観劇、この楽しさを何倍にも大きくすることができればうれしいと思いますよね。
観劇前になにかしらの情報を入れれば、公演までがより楽しみになったり、初見での見どころなど、観劇をより深く、充実したものにできるのではないかと予習をお勧めします。
まず、宝塚の舞台になるにあたり、脚本を先生方が書かれます。
座付き演出家の先生の完全オリジナル作品から、小説・漫画・アニメ・ドラマ・映画がもとになるもの、海外ミュージカルの宝塚版など、とにかく多岐にわたります。
せっかく、たくさんの資料があるのだからそれに触れない手はありません。
しかし、中には『なんの情報も入れないで観た方がいいのよ!』と、まっさらな状態から「最初のインプレッションを楽しむ」と言う方もいらっしゃると思いますが、宝塚観劇の楽しみ方は、人それぞれ、ファンの数だけあると思いますので、今回も個人的意見です、どうぞご理解ください。
初演ものの場合
<その1:オリジナル>
初演ものの完全オリジナルは、情報収集するのはなかなか難しいので、宝塚歌劇の公式ホームページから、作品紹介を読みどんな舞台が展開されるのか、妄想の世界を脳内で広げながら開幕までの日々を楽しみます。
<その2:原作本を読もう>
原作本が楽しいのは、なんといっても普段、自分がチョイスしないであろうジャンルの本を手にするということで、勉強になることです。
本屋さんの店頭で普段足を踏み入れない分野の棚の前で、原作本があるか探しますが、まだ買いません(笑)。
何故なら、そう、宝塚で上演されるとなると帯が付く場合があるからです。
推しメンが『本の帯に』全国の宝塚を知らない人の目に留まると考えると、幸せ以外の何物でもありません。
原作本を読み進めますが、無理に一気読みしようなどと思わないでください。
作者と読者の相性などがありますので、なかなか読み進まない場合もあります。
場合によっては途中で諦めてしまうことになりますので、気長に作品と付き合っていきましょう。
私の場合『紅はこべ』がなかなか読み進められず、気づいたら公演が始まっていた(笑)ということがありました。
その一方で、時間が空けば少しでも先に読み進めたいと思う作品にも出会います。
『火怨 北の燿星アテルイ』は通勤電車の中で、不覚にも泣いてしまいました。
溢れる涙を必死にこらえ、本を閉じ、家で続きを読み嗚咽するという事態が発生、翌朝、瞼がパンパンです(笑)。
おかげで『阿弖流為』は、礼さんで脳内変換して原作を読んだことと、舞台での物語が相まって、はじめからお話しに没入することができ、二幕からは涙が止まらない状況になっていました。
<その3:マンガ・アニメ・ドラマ・映画を見よう>
既に、そこに出来上がったイメージがあるマンガ・アニメ・ドラマ・映画は、活字より入りやすいと思います。
作品のビジュアルに対して「どれだけ寄せてくることができるか」が演出家さんと役者さんの腕の見せ所になるのだと思います。
古くは『ベルサイユのばら』から始まり、最近では『CITY HUNTER』『はいからさんが通る』『エル・アルコン-鷹-』等々、挙げたらきりがありません。
私が、原作に寄せるクオリティが高いと思った作品は『Thunderbolt Fantasy 東離剣遊紀』と『はいからさんが通るでした。
中でも、七海ひろきさんの『殤不患:しょうふかん』と柚香礼さんの『伊集院少尉』は、原作の世界観がそのままだったと感心ました。
『Thunderbolt Fantasy 東離剣遊紀』は、あの世界観が好きになって、原作シリーズを続けて観るようになっています(笑)。
今後の話題作として『今夜、ロマンス劇場で』がありますが、こちらも宝塚版として、どう料理されるか話題になっていますね。
これを機に映画を見てみようかな?とも思っています。
amazonPrimeですぐにみることができますので、おすすめです。
再演・続編ものの場合
さてさて、宝塚ファンの界隈では、ここのところ再演物が多いとよく耳にしますよね。
発表されているものが『NEVER SAY GOODBYE』『王家に捧ぐ歌』『TOP HAT』『ブエノスアイレスの風』『グレート・ギャツビー』です。
星組の『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』は、オリジナル作品ではありますが、続編ということで、こちらの枠にさせていただきました(笑)。
これらは、過去作品がありますので、タカラヅカ・スカイステージを大いに活用しましょう。
タカラヅカ・スカイステージでは、これから公演するものに合わせて、関連する公演の特集を組んだりします。
そこで過去作品を放送してくれますので、TCAプレスをチェックしながら必要と思われるものをチョイスしてください。
推しメンが同じ演目に出演されていたのであれば、その成長を、出ていない演目であれば、どのような役作りをしてくるのか、と楽しみながら観られるはずです。
また、続編であれば、元の話しから、どのような切り口で新な展開に発展されていくのか想像しながら観たり、前作を知っていた方が楽しめる『振り』なども、物語の中の随所にちりばめられていたりしますのでチェックは必要になってきます。
応用:演出家になったつもりで推しメンで脳内変換
これらの予習を実施するにあたり、応用編として『自分が演出家だったら』という視線でそれぞれの作品に触れることをお勧めします。
原作本を読みながら、自分なら「どのお話しを主軸にするか」「どのお役を誰にやらせたら面白いのか」と思いを巡らせながら読み進める。
過去作品ならば、主要メンバーは決まっていますので、それ以外のメンバーで、自分が楽しみたい配役を予想をしてみる。
自分の想像力を目いっぱい働かせ、その物語について考え、その世界に入り込む楽しさを知れば、これから始まる作品に対しても愛着が湧いてきますし、演出家になったつもりで予習してみると、配役発表があった時に、答え合わせする楽しみも待っています(笑)
【復習】
これら予習を踏まえたうえでの観劇で、初見でもある程度はお話しについていけたのではないでしょうか?
1回しか観劇の機会がないという方には、この予習をしたことによって、観劇後の『???』な状態から、『こういう演目を観たのね』と認識することができたでしょう。
もしかしたら『ちょっと気になるところが出てきたわ』とか『もう一度観たい』と思った方が出てくるかと思います。
そんな方、安心してください。
一度観劇して、物語全体の流れを掴めてしまえばこっちのもの(笑)、2回目の観劇からは復習となります。
より、その演目への理解を深めて、観劇するごとに新しい何かを発見していくことでしょう。
この復習を繰り返すことによって、その人にとっての忘れられない演目のひとつに昇華していくのです。
宝塚を観劇するなら、是非、予習復習をしてほしいと思います。
そして、より豊かな宝塚ライフを共有していきたいと思います。