スポンサーリンク

原作好きも満足!宙組『HiGH&LOW』

宝塚歌劇についての雑記

宝塚歌劇団宙組公演『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』『Capricciosa!!』が8月27日にスタートしました。

HiGH&LOWは2015年からLDHが発表したドラマを発端に映画やライブ、漫画にまでなっているコンテンツですが、今回はじめて宝塚歌劇で上演されるということで大きな話題を読んでいます。

私は予習のためHiGH&LOWのドラマと映画を全て見て、すっかりハマってしまったので宝塚・HiGH&LOW両方好きな立場から感想を書きたいと思います。

スポンサーリンク

キャラクターそれぞれの良さ

HiGH&LOWはSWORDと呼ばれる5グループを中心とした物語です。

5つもあるグループそれぞれにインパクトの強い人物が勢ぞろいしていることが作品の特徴でもあります。

かつ、今回は宝塚オリジナルグループ「苦邪組」までいるという、人物の多さ!

しかし、元々HiGH&LOWに登場していた人物も、宝塚オリジナルの人物もしっかりキャラクターが立っていたことが印象的でした。

衣装の色やテイストがグループ毎に分かれているのも勝因のひとつかな、と思います。

しっかり世界観が確立されたHiGH&LOWで宝塚オリジナルキャラクターが出ると、浮いてしまうんじゃないか?という心配も全くいりませんでした。

苦邪組の全員、濃さのトーンがしっかりHiGH&LOWに合わせてあって全員とても魅力的でした。

ドラマ&映画の人物に寄せる演技力

感動したのは、SWORDの頭をはじめHiGH&LOWに出ていた人物に、出演者の皆さんがそれぞれの工夫で雰囲気を寄せていることでした。

違う俳優さんが演じているし、男女の違いもありますが、目の前でHiGH&LOWの人物が動いている!という感動を得られたのも嬉しかったポイントのひとつです。

皆さん動きや話し方をすごく研究されているのが感じられました。

それでいいの!?(笑)こそがHiGH&LOW

お芝居としてストーリーを見ると、カナって何の病気なの?街全体が燃えちゃって大丈夫なの?など、いろいろな疑問点が浮かぶかもしれません。

しかし、その、「あまり辻褄が合ってなくてリアリティもないけど、なんかカッコいいから良し!」みたいな世界観こそが“HiGH&LOWそのもの”だと感じました。

ストーリーとして辻褄が合っていないようでいてちゃんと伏線回収されている部分あり、疑問に思う部分は演出のひとつとしてあえて楽しめるように作られているのだと思います。

群衆の歌とダンスから得られる高揚感

HiGH&LOWの原作は、ミュージカルではないのでテーマソングを登場人物自らが歌ったりしません。

しかし、宝塚ではそれが見られること、それこそが本当に宝塚版ならではの楽しさだと思います。

原作の様な1,000人を使った乱闘シーンは無理ですが、大勢での歌とダンスが見られる!しかも原作で聞きなれたあの歌!となればテンションがあがること間違いないでしょう。

個人的に、ルードボーイズのテーマソングRUN THIS TOWNをスモーキー自らが歌っている場面に感動しました。

桜木みなとさんのスモーキーそのものな演技力も加わって、RUN THIS TOWNから感じられる無名街の人々の境遇や思いが心に響きました。

版権の都合上、原作の曲は使用できなかった鬼邪高校も全く違和感のない、はじめからこのテーマソングだったような世界観にぴったり合った曲で良かったです。

原作が好きならもっとテンションがあがる

多いながらそれぞれのキャラクターが立っていて、スピード感抜群の公演なので、HiGH&LOWのドラマ等をあらかじめ見ていなくても楽しめると思います。

けれど、あらかじめ予習してみて、気に入ったなら、幕にロゴが表示されるだけでもテンションがあがるはず。

それぞれ原作の俳優さんに寄せたタカラジェンヌさんたちのお芝居を追求する力をより楽しむためにも、少なくともドラマのシーズン1と2、ひとつめの映画を見てから行くと、より楽しめるかもしれません。

(ライター:霧村さえ)