宝塚歌劇団宙組の次回作品『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』の初日が迫り、チケット争奪戦が激しさを増しています。
6月に東京ガーデンシアターにて行われた真風涼帆(まかぜ すずほ)さんのコンサート、『FLY WITH ME』では早くもHiGH&LOWの扮装が披露されました。
そのあまりの完成度の高さにヅカファンの期待は一気に高まり、この入手困難に至ったのではないかと想像します。
『HiGH&LOW』と共に上演されるのは藤井大介先生のショー『Capricciosa‼』です。
それもまたファンにとっては「期待大!」でしょう。
なぜ藤井大介先生のショーが期待大なのか、過去の名作を振り返りつつ、藤井先生ならではの演出方法について深掘りしてみたいと思います。
藤井大介作品はテーマが個性的!
宝塚の座付きの演出家はたくさんいらっしゃり、皆さんそれぞれに作風がまったく違って、その違いを楽しむのも宝塚の醍醐味のひとつと言えますよね。
その中でも特に個性的なのが藤井大介先生。
主に情熱的なショー作品を多く作り出しています。
毎回必ずひとつのテーマに沿って全ての場面を作っていて、その発想力の豊かさには驚いてしまいます。
特に「アルコールシリーズ」と呼ばれる作品たちは本当に魅力的でした。
- 『Cocktailーカクテルー』
- 『Santé!! 〜最高級ワインをあなたに〜』
- 『アクアヴィーテ (aquavitae) !! 〜生命の水〜』
カクテル、ワイン、ウィスキー。
藤井先生自身が大のお酒好きという噂も有名ですが、そこから発想を得てショー作品に昇華させてしまうのがすごいアイデアです。
他にも、ギリシャ神話に出てくる神々をモチーフにしたもの、「目」をテーマにしたもの、猫をテーマにしたもの、タイのバンコクをテーマにしたものなど、本当に個性的です。
今回の宙組ショー『Capricciosa‼』は、公演解説を読んでみると「イタリア語で『気まぐれ』『勝手気まま』という意味」とあります。
イタリア人男性と言えば、オシャレで自由で伊達男という印象がありますよね。
大人っぽい真風涼帆さん・潤花(じゅん はな)さんコンビにピッタリな色っぽい内容になりそうな予感です。
藤井大介ショーに欠かせない【アレ】は登場するのか!?
藤井大介先生が作るショーで有名なのは、男役さんのダルマ姿です!
【ダルマ】とは、水着のような衣装のことです。
「手足がない」ということから、「ダルマ」と呼ばれているようです。
藤井大介先生は過去にどれだけの男役さんの美脚を私たちに見せてくれたか…!!
男役さんは基本的に肌の露出はほとんどなく、私服でも半袖を着ている姿さえほとんど目にしません。
特に脚はラインダンスに参加する学年を卒業すれば、滅多に見ることができません。
衣装を着ていてもはっきりと分かるあの細く長い足を封印してしまうなんて、言ってしまえば「宝の持ちぐされ」です。
それを惜しげもなく披露してくれる機会が、藤井大介ショーというわけです。
ごくたまにですが、トップスターさん自らがダルマ姿になってくれることもあり、今回は一体だれが国宝級の脚を披露してくれるのかとても楽しみです!
藤井大介ショーのテーマ曲は脳内リピート必至
藤井大介先生のショーと言えば、テーマ曲が毎回とてもキャッチーなことも有名です。
大介ショーを観た後は、劇場から駅に向かう道すがら、きっと皆さんの脳内にはテーマソングが鳴り響いていることでしょう。
歌詞も「ガチッ!ガチッ!ガチッ!」や「「情熱視線ビシバシ!」など、とても個性的な歌詞があると思いきや、叙情的で美しい日本語が使われていたりと、バラエティー豊かです。
宝塚ではたまに外部発注でテーマソングを作る場合もあります。
しかし、基本的には座付き作曲家の先生が作りますので、たくさん作るテーマソングの中でも藤井大介先生の歌詞にはいいメロディーが浮かびやすいのかもしれませんね。
加えて、その作品でトップを務めるスターさんの個性を表す歌詞を書いてくれる場合も多くあります。
2016年に宙組で上演されたショー『HOT EYES‼』(このビックリマーク2つ使いも特徴です)は、トップスターだった朝夏まなと(あさか まなと)さんの大きくキラキラした瞳が印象的ということで、「目」に関するショーを作ったということでした。
当然、テーマソングもまさに朝夏さんにピッタリの歌詞。
このように「生徒さん主体」で作品を作ってくれるところにも深い愛情を感じ、ファンから愛される先生というわけです。
『Capricciosa‼』も間違いなく真風涼帆さんの色っぽく大人っぽいイメージから着想を得て作ってくれたに違いありません。
トップ就任5年目を迎え、男役の集大成を見せている真風涼帆さんがどんなイタリア伊達男を見せてくれるのか、どんなテーマソングなのか、そして一体だれがダルマ姿になるのか(笑)、非常に楽しみですね!