コロナウィルスの感染者報告数が徐々に増えてきており、各地方で自粛要請が出てきていますね…。
大阪府でも自粛要請が出ており、宝塚公演にまた影響が及ぼされるのではないかという不安もあった中で初日があけた星組公演「シラノ ド・ベルジュラック」。
専科の轟悠さんの主演作は2019年の月組公演「チェ・ゲバラ」以来ということですので、約1年半ぶりということになります。
久しぶりにセンターに立たれる轟さんのお姿はやはりトップオブトップの輝きを放っており、各組のトップさんとはまた違った熟成された魅力を感じます。
今回注目したいのは公演内容やジェンヌさん達ではなく、特殊メイクについてです。
基本的に宝塚歌劇団では舞台メイクやカツラ及びヘアメイクはタカラジェンヌさん達自身で行なっています。
下級生だった頃にはまだ慣れていない様子だったのが、年々技術を身につけていき上級生になる頃にはもはやメイクアップアーティストさんやヘアメイクさんにでもなれるのでは…?
と思うほどの腕前を身につける方も多くおられますし、実際に退団後にそういった道に進むジェンヌさんがおられる程です。
ただ、いくらプロ級のメイク術を持っているジェンヌさん達でもさすがに難しいのが特殊メイクと呼ばれるジャンルです。
「シラノ ド・ベルジュラック」のポスターを見ているとちょっとだけ違和感がありませんか?
記憶の中にある轟さんのお鼻はもっとシュッとしていたような…??
そう、実は今回の公演で轟さんの鼻には特殊メイクが施されているんです。
その上特殊メイクを担当されているのは劇団の方ではなく、外部である中田彰輝さんという方なんです。
宝塚歌劇 星組公演
— 中田彰輝(特殊メイク) (@Akiteru_Nakada) December 4, 2020
「シラノ・ド・ベルジュラック」
初日開幕!
シラノ役、轟悠さんの鼻に特殊メイクさせて頂いております。
まさか自分が宝塚歌劇団様の舞台に参加させていただくとは夢にも思いませんでした。#宝塚 #宝塚歌劇団 #シラノドベルジュラック #シラノ #轟悠 #特殊メイク #zombiestock pic.twitter.com/swMMDH2UnO
宝塚歌劇団は基本的にではありますが、大道具や小道具に始まりお衣装やオーケストラ・当たり前ですが出演者も全員劇団付きの方々が担当されています。
常に同じ劇団にいる方々同士だからこそ意思の疎通もしやすいですし、普段からコミュニケーションを取っている相手だからこそわかるものというものもあると以前宝塚歌劇団で支配人やプロデューサーをされていた森下信雄さん著の「タカラヅカの謎300万人を魅了する歌劇団の真実」にて書かれていました。
そういうこともあって滅多に外部介入のない宝塚歌劇団なのですが、常に特殊メイクが舞台で使用されるわけではないですからこうしてたまに外部のプロフェッショナルの方が担当されることがあるわけです。
実際に観劇していても一体轟さんのお顔のどこに接続部分があるのか全くわからない…。
さすがプロとしか言いようがありません。
ちなみにですが、中田さんは普段「仮面ライダー」や「世にも奇妙な物語」等、聞けば誰もが知っているような映像作品から元タカラジェンヌさん達が退団後に出演されたこともある「劇団☆新幹線」でも特殊メイクを担当されているそうです。
ご本人のTwitterでも宝塚歌劇団で仕事ができることをとても喜んでおられる様子が伝わってきて赤の他人であるはずのこちらまで嬉しくなってきます。
そしてこの中田さん、既にご本人からも公表されていますが「シラノ ド・ベルジュラック」の轟さんだけでなく、既に千秋楽を迎えている星組公演「エル・アルコン~鷹~」にて舞空瞳さん
宝塚歌劇 星組公演
— 中田彰輝(特殊メイク) (@Akiteru_Nakada) December 9, 2020
「エル・アルコン〜鷹〜」
ギルダ役 舞空瞳さんの胸の傷、特殊メイクを担当致しました。
本番はご自分で着脱が出来る仕様にし、デザインもグロテスク過ぎず
舞台映えする様に考えました#宝塚 #宝塚歌劇団 #エルアルコン鷹 #エルアルコン #礼真琴 #舞空瞳 #特殊メイク #zombiestock pic.twitter.com/B0ygd7GFyL
演じるギルダ・ラバンヌの胸元の傷もご担当されていたとのこと。
舞空さん自身で着脱が出来るような工夫や、宝塚歌劇団ならではなすみれコードに引っかからないようなグロテスクになりすぎない且つ舞台映えするようなデザインを考えたとのことで、他の作品にはないオーダーにも細やかに対応されている様子が窺えます。
立て続けに2作品ご担当されたということは、これからももしかしたら中田さんが宝塚歌劇団の作品に関わることがあるかもしれませんが、どちらもかなりのハイクオリティでしたから安心して観ることができますね!