五月の爽やかな風とともに、宝塚界隈には今、少し身の引き締まるような議論の風も吹いています。
本日報じられた、読売新聞による「ファン会と劇団の変革」についての特集。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

宝塚歌劇が112年という長きにわたり、なぜこれほど美しく、力強く続いてこれたのか。その舞台裏で「ファン会(私設ファンクラブ)」が果たしてきた役割が、今、改めて公の場で問われています。
■ なぜファン会は「生活全般」を支えてきたのか
記事でも触れられていましたが、宝塚歌劇団には一般の芸能事務所のような「タレントマネジャー」がいません。劇団員は日々のスケジュール管理やお弁当の手配、膨大なチケットの取りまとめ、さらにはガード(入り待ち・出待ち)の整理まで、その多くをボランティアベースのファン会が担ってきました。
「なぜそこまで?」と思われるかもしれません。 でも、私たちファンにとっては、それは「義務」ではなく「愛」だったのです。鳳月杏さんのような、実力がありながらも時間をかけて頂点へ登り詰めたスターを想うとき、その足跡を一歩一歩共に踏みしめてきたのは、間違いなくファン会の皆さまでした。
■ 盛り上がりの背景にある「感謝」と「戸惑い」
SNSでこのニュースが大きく取り上げられているのは、劇団側が株式会社として組織改革を進める中で、この「善意のサポート」をどうシステム化していくのかが不透明だからです。
「ファン会がなくなったら、誰がスターの細やかなケアをするの?」「会費やチケットのルールが厳格化されるのは良いことだけど、あの温かなコミュニティまで消えてしまわないか」……。
そんな、スターを思うがゆえの不安が、議論の熱量となっているのです。
■ これからの「ファン道」はハイブリッドへ
スターさんたちの輝きを未来へ繋ぐためには、ファン会の「熱量」と、劇団側の「公的なサポート」のハイブリッド化が必要なのではないでしょうか。
例えば、事務的な負担は劇団がマネジメントとして引き受け、ファン会は「純粋にスターを愛し、応援するコミュニティ」として、お茶会などの楽しい交流に特化していく。そんな形が理想かもしれません。
■ 愛する心は変わらない
制度が変わっても、私たちがスターを想い、拍手を送る気持ちに変わりはありません。 むしろ、ファン会という組織がより透明性を持ち、健全化されることで、新しくファンになった方々も気兼ねなく「推し」の世界へ飛び込めるようになるはずです。
「清く正しく美しく」――その言葉は、劇団員だけでなく、私たちファンに課せられた矜持でもあります。
大好きなスターさんが、明日も笑顔で大階段を降りてこられるように。 私たちは新しい時代の応援スタイルを、共に作っていきたいものです。

