宝塚歌劇の世界をご存知ない方へ
こんな場面に遭遇したことありませんか?
特に、日比谷周辺、帝国ホテルのすぐ脇の道路とか。
たまたま通ったら全員白い洋服をきた女性の集団を見た!!!!
大勢の女性が道路に面して通りの真ん中を向いて綺麗に並んでいる!!!
時々、全員が揃って立つ、座るのを繰り返している!!
誰かに向かって全員が声を揃えて何かを言っている!!!
あの人たちってなにもの????????
なぜ、全員が白い洋服を来てるの???
なぜ、全員が同じ色のスカーフみたいなものをつけてるの???
なぜ、一斉に座ったり立ったりしているの???
なぜ、全員が揃って何か言っているの???
はい!お答えします!
あの人たちってなにもの????????
ズバリ!宝塚歌劇団のファンの方達です!!!
特に綺麗に並んでいる方達は、タカラジェンヌさんの私設ファンクラブに属している方達です。
タカラジェンヌさんが劇場に来られる時の出入り待ちをしています。
お揃いの色のスカーフなどをしているのは、それぞれがどのファンクラブに属しているのかがわかるためです。統制が取りやすく、合理的。
どんなに暑い日でも、寒い日でも、雨の日でも長時間でも、自分のお気に入りのタカラジェンヌさんに会うために、時間を作って来ています。
なぜ、全員が白い洋服を来てるの???
いつも白い洋服を来ているわけではありません。
全員が白のお洋服を来ている時は、それは、お気に入りのタカラジェンヌさんが引退する時だけです。ファンクラブに属している方達は、真っ白の装いで最後を見送るというのがここ20数年前からの定番になっています。
(一般のファンの方達は、お気になさらず普段着で公演に来てください)
退団公演の千秋楽に近づくにつれて、だんだんと白の装いのファンの方が増えて、いよいよ最後の時が近づいているという寂しさもあるが、気持ちよく卒業をお祝いしていこうという独特な空気感が増してきますね。そんな空気感をファンの方達から作って盛り上げてくれるファンの優しさです。
なぜ、一斉に座ったり立ったりしているの???
大勢の方がバラバラになって道路を占領してしまったら、通行の邪魔になります。
綺麗に並んでいるのは、一般の歩行者に迷惑をかけないようにするための配慮です。
座ったり立ったりするのは、長時間の待ち時間になるからですが、一斉に揃えるのも、周りを見苦しくさせないための配慮です。
そして、必ずタカラジェンヌさんが出てこられた時は座ってお迎えします。
これは、後ろにいる大勢のファンの方達にも、タカラジェンヌさんが見えやすいようにする配慮です。
なぜ、全員が揃って何か言っているの???
こちらもすべてジェンヌさんに対してもそうですが、周りの一般の方達への配慮が詰まっています。
みなさん、他のアイドルなどの出待ちとか見たことありますか?
「キャ〜〜〜!!!!!!」「ウォ〜〜〜〜〜!!!!」そんな叫び声が町を歩いて突然聞こえたら、びっくりしますよね。
そんなことのないように、しかし気持ちをジェンヌさんに届けられるようしたのが、「声を揃えて思いを伝える」ということです。
そしてそれ以外の言葉は基本的に何もジェンヌさんには話しかけないのです。ジェンヌさんが受け答えに困ったり、余計な時間をかけさせないためです。
すごい配慮ですね・・・。
宝塚ファンはファンの鑑
偶然、その場に居合わせて、何も知らない方が見たら、「何?この集団?宗教?教祖でもくるの?」なんて思う方もいるかと思います。
しかし、このファンの方達の作ってきた決まり事のおかげで、タカラジェンヌさんたちは、毎回、安全に楽屋への出入りができ、一般の方に迷惑をかけず、そして、安全にファンのにも顔を見せてくれるのです。
こういう決まり事がもしなかったら・・・・。
道路を占領して、他の歩行者の迷惑になってしまったり、
勝手にタカラジェンヌさんに近づき写真を撮ろうとしたりサインを迫ったりするような人が増えてしまったら、押し合いになり、表の楽屋口からは出てこられなくなってしまいますね。
アイドルの世界ではこんな事も起きている
ジャニーズの関ジャニ∞の大倉忠義が「ルールを守らない人達による身勝手な行動が精神的に辛いです」とブログ「Johnny’s web」で
駅や空港で追いかけられたり、手を繋がれたり、プライベートで行った飲食店の隣に座っていたりと
「普通の人に戻る方がよっぽど楽」「そろそろ限界」と休止を匂わせる文章を投稿していました。
他にもファンから暴行被害を受けたNGT48の山口真帆さんの事件も記憶に新しいですよね。
事務所の管理体制が問題視されました。
それに比べて、
宝塚のファンの人達は、ファンの方達が周りに決して迷惑をかけないように、宝塚の夢の世界を壊さないために自らルールを作り、105年続いている宝塚歌劇を一緒に支えているのです。
なぜ、こんな世界が出来上がってきたのか、不思議なのですが、
本当に素晴らしい世界です。
そんな美しい世界ですので、
たまたま、通りすがりに「何?この集団!!!!」と思った方達も
温かく見守ってくださいね。