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驚きの発表の中でのアナスタシア観劇

宝塚歌劇についての雑記

宝塚歌劇団宙組。11月7日より宝塚大劇場でスタートしたミュージカル『アナスタシア』。

Home・Love・Familyがメインテーマで幸せな気持ちになるとても楽しい公演です。

舞台セットも豪華で歌のない場面がほとんどない勢い、しかもどれも頭にのこる名曲揃いで何度見ても楽しめる作品だと思います。

初宝塚観劇にもおすすめしやすいかもしれませんね。

真風涼帆さんの誠実な青年ディミトリと、星風まどかさんのアーニャはおふたりともぴったりの役で安定しています。

芹香斗亜さん演じるグレブは、登場場面は多くないものの、凄みと自身の抱える悩みが交差する複雑な役で、ラストの息をのむお芝居はとても説得力があります。

桜木みなとさん演じるおじさん、ヴラドは軽快でとても楽しく物語を進めてくれてこちらも本当に素晴らしく(技術がないとこなせない難しい役どころです!)、また、組長の寿つかささんと和希そらさんは美しい女役!というもう見どころしかない作品です。

筆者も初日から幾度か足を運びましたが、11月30日の宙組に関する発表には本当に驚かされました。

星風まどかさんが次回から専科、そして潤花さんのトップ娘役就任…。

ちょうど観劇のために劇場に足を運んでいる途中だったので、頭が真っ白になりました。

今回、発表を受け止めた上で観劇し、改めて感じたことを書かせていただきます。

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星風まどかさんのヒロイン力と組替え

今回の公演はタイトルロールであるアナスタシア演じる星風まどかさんの確かなヒロイン力を楽しめる作品だと思います。

まさか今公演で宙組トップ娘役としての星風さんを見るのが最後になるとは思いませんでしたが…(泣)。

作中でも言われているように、星風さん演じるアナスタシア(アーニャ)は美しく聡明で芯の強い女性。

真風さん演じるディミトリたちに助けられながらも、自分で自分の進むべき道を切り開く自立した女性として描かれています。

芹香さん演じるグレブにも、ドレス姿でたった一人毅然と立ち向かいます。

敵役との対立をヒロインのみで成立させるお話は、宝塚ではとても珍しいと感じました。

たくさんある壮大なナンバーもこなしながら、娘役としての可憐さも残しつつアナスタシアを演じきった星風さんの実力・ヒロイン力は見事としか言いようがないでしょう。

星風さんは宙組初の生え抜きトップ娘役

宙組は男役さんの生え抜きトップスターを排出していないため、現在唯一の宙組生え抜きトップ娘役です。

今後どのような形で活躍することになるのか、宙組ファンとしては心配というか、このまま宙組にいてほしいという気持ちも強くあります。

本人にとっても、組配属からずっと育ってきた場所を離れることに寂しさや不安を感じることもあるのではないでしょうか。

しかし、アナスタシアがぴったりはまった彼女の姿を見れば、どこへ行っても彼女なら大丈夫、という気持ちもわいてくるのです。

2021年は多くのトップスターさんの退団が発表されています。

トップコンビの関係性を楽しむのも宝塚の楽しみ方のひとつですが、どのトップコンビよりも早く真風さんと星風さんのコンビが見られなくなるというのは、本当に青天の霹靂でしたね。

残された時間、宙組で輝く星風さん、そして真風さんとのコンビをしっかりと目に焼きつけようと思いました。

潤花さんの活躍場面が欲しかった

次回より潤花さんがトップ娘役になることにより、真風さんと潤花さんがトップコンビとなります。

しかし、残念ながらお芝居でふたりがからむことはありません。

潤花さんの主な役はアナスタシアの姉、マリア。

笑顔がとても可愛らしく、優雅な皇女様姿が印象的ですが序盤以外は亡霊として出てくるため、声を発することもないのが残念。

トップコンビの身長差や声の相性などが気になる身としては、もう少しどうにかしてほしかったと思うところなのですが、予期せぬことが起きてしまうコロナ禍で予定が変更されたかもしれないので仕方ないですね…。

アナスタシアはとても楽しい公演ですが、全体的に役が少ないところが少し残念とも言えます。

何があるかわからないから今の公演を大切に

今回は本当に驚きの発表でしたが、宝塚にこういった急な人事異動等はつきものです。

宝塚が好きだからこそ、悲しんだり、怒ったりすることもあるかもしれませんが、それでも私たちに夢を見せ続けてくれるタカラジェンヌさんたちのために、今の公演を大切に楽しもうと思いました。

ライター:霧村さえ