スポンサーリンク

宙組「シャーロック・ホームズ」新人公演 キャスト別感想(東京)

宝塚歌劇を楽しもう

宙組「シャーロック・ホームズ」新人公演 感想

宝塚歌劇団宙組では、新しくトップ娘役の潤花さんを迎え、真風涼帆さんと新トップコンビとして上演し、好評を博しています。

そんな中、東京宝塚劇場にて宙組公演「シャーロック・ホームズ -The Game Is Afoot!-」の新人公演が行われました。

スターの登竜門と呼ばれる新人公演ですが、宙組の、そして宝塚のこれからを担う若手の活躍が光ったこの公演を振り返ってみたいと思います。

スポンサーリンク

純情さも。亜音有星さん

シャーロック・ホームズ役の亜音有星さんはこれが新人公演初主演となりました。

しかし、初主演とは思えないほど、華やかでスターの貫禄が。

これまでにも「オーシャンズ11」新人公演でのベネディクトが悪の色気がたっぷりで、客席を釘付けにしました。

また、「El Japón -イスパニアのサムライ-」新人公演でもアレハンドロ役で、ミステリアスな役どころを見事に演じました。研5ながらに着実に力をつけ、今回初主演となりました。

流石に今回、主演ということで緊張が見え、最初は歌が不安定に感じハラハラましたが、場面が進むごとに安定してきて、本来の力を発揮。

本役・真風さんほど変人的なホームズではなく、推理にのめりこむ姿が出ていて、アイリーンに見せる感情がストレートで純情さも。

立ち姿がすらりとしていて華やかで魅力的です。

格好良さと可愛さのバランスが良いスターだと感じました。

山吹ひばりさん

アイリーン・アドラー役の山吹ひばりさんも今回初ヒロインです。

現代的な美形で、人形のような綺麗さが際立っていました。

オペラ歌手役というのが納得の歌唱力もあり、研3ながら安心して見ていられる実力が。

容姿も技量も綺麗にまとまっている分、ちょっと面白みに欠けるかな、と余計な心配も。

何となく映像向きの演技と声のようで舞台だと少し違和感が。

上手いだけに、もっと、と求めてしまうのかもしれませんね。

山吹さんは105期で、この期といえば花組・星空美咲さん、月組・詩ちづるさん、雪組・音彩唯さんと既に各組で活躍している娘役さんがいっぱいで、これからが楽しみです。

鷹翔千空さん

ジェームズ・モリアーティ役の鷹翔千空さんは、新人公演の主演経験があるだけに安定感が違うと感じました。

本役の芹香斗亜さんの執拗にホームズに絡む妖しい感じともまた違う、悪の美学に関して偏執的なモリアーティ。

教授というだけあり知性派で計算しながら悪事を働いているというという印象が。

ホームズの視点から見ると強敵だな、と思わされるモリアーティを作り上げて感心させられました。

経験がある分、見せ方も上手いですし余裕と貫禄があり、流石のスターです。

優希しおんさん

ジョン・H・ワトスン役の優希しおんさんは今回が最後の新人公演。

冒頭のホームズとの歌が少々不安定に感じましたが、徐々に持ち直したのがあっぱれです。

元々、歌はあまり得意ではないと見受けますが、最近は経験を積んで上達。

主役・ホームズ役の亜音さんより上級生なので、本公演よりもワトスンのしっかりとした人物像を感じました。

恋人のメアリーとのやりとりが可愛く、癒される場面になっていました。

得意のダンスの見せ場はありませんが、芝居に工夫があり、新人公演卒業後の活躍に期待です。

有愛きい

メアリー・モースタン役の有愛きいさんは、ほんわかしていて可愛いかったです。

ワトスン役の優希さんとの場面は、殺人などの悪事がはびこるストーリーの中で、ほっとするひとときでした。

娘役らしい柔らかさがあり、声も良いですね。

余談ですが、雪組の一禾あおさんと双子だけあってやはり似ているな、と思いました。

他にも光る下級生がいっぱいで書ききれませんが、印象に残った方々を。

注目した下級生さんたち

G・レストレード警部役の大路りせさんが、芸達者。

マイクロフト役の真名瀬みらさんも落ち着いていて上手。

J・モリアーティ大佐役の風色日向さんは前回の新人公演での主演経験があるだけに、

そこにいるだけで光る逸材。

ヴィクトリア女王役の愛海ひかるさんは本公演でも目立つ役どころですが、元男役を活かしての貫禄があり感心。

フレッド・ポーロック役の真白悠希さんは、今回、代役で入りましたが工夫があり、妖しい雰囲気が。

全体の感想として、宙組としては1年以上ぶりの新人公演ということで、最初は少し緊張が漂っていましたが、どんどん取り戻し、客席を引き込んでいったことに感動しました。

東西1回ずつの公演ですが、若手だけで演じることに意義が感じられました。

今回、キャラクター性が強く難しいところも多々あったと想像しますが、各人が役作りに向き合い、連携して作り上げていったことが伝わってくる舞台で、今後の宙組に大いに期待します。