スポンサーリンク

最高の場面に最高の振付あり!宝塚歌劇団の振付家たち①

宝塚歌劇を楽しもう

宝塚歌劇を観続けていると、「あのショーのあの場面が大好き!」とか、とても印象的な場面がずっと記憶に残ったりしますよね。

また、宝塚のダンスといえば、男役さんがボレロ調の曲で踊る黒燕尾の場面や、下級生たちが脚を上げまくるラインダンスも宝塚独自のダンスです。

今回は、それらの素晴らしい振付をしている振付家たちをご紹介していきたいと思います!

スポンサーリンク

ラインダンスといえば、『鬼の喜多』!

代表作

  • ベルサイユのばら
  • 風と共に去りぬ
  • ノバ・ボサ・ノバ
  • ル・ポァゾン

宝塚が『ベルサイユのばら』の上演で一大ブームとなった頃に、最前線で振付をしていたのが喜多 弘(きた ひろし)先生。

喜多先生といえばとんでもなく厳しいお稽古で有名で、「鬼の喜多」という異名の持ち主でした。

初舞台生であろうと容赦なく怒号を飛ばし、ヒートアップしてしまうと灰皿や小道具なども飛んできたそうです!(今の時代では考えられない…笑)

しかし、それはあくまで生徒たちを「なんとか一流の舞台人に育てたい」という深い愛情から来ているものなので、喜多先生は生徒たちから嫌われるどころか大変親しまれていたそうです。

厳しいお稽古を乗り越え、無事に初舞台の初日を迎えられた生徒たちの姿を見て生徒と一緒に涙したり、人情深いお人柄が人気の先生でした。

後年にはご病気をされて振付家としての仕事ができない状況になり、「宝塚で仕事ができないなら稽古場で死んでやろう」と自殺まで考えたほど、宝塚での仕事を天命だと思っていらっしゃったそうです。

まさに「命を懸けて」作り上げた場面が観る者の心を打つのも納得ですよね。

代表作のひとつである『ル・ポァゾン』は雪組トップスター・彩風咲奈さんのプレお披露目公演として選ばれました。令和の時代にも喜多先生は作品の中に生き続けているということですね。

あのエリザベートの振付をした尚すみれ

初舞台生ロケットといえばもう一人、厳しい指導で有名なのが尚すみれ(しょう すみれ)先生。

タカラジェンヌOGから座付きの振付家に転身した先駆けとなった先生です。

尚先生は雪組の元男役。

最後は副組長まで務めたので、生徒をまとめたり指導するような素質ももともとお持ちだったのででしょう。

お母様もタカラジェンヌで、叔母様2人もまたタカラジェンヌ。

タカラジェンヌという存在を熟知していらっしゃることも、指導をしていく上で活きているのかもしれないですね。

現在はお母様から受け継いだダンススクールで指導をしつつ、音楽学校で講師をされたり、公演でも振付のお仕事をされています。

尚先生も喜多先生と同じように、愛情深いゆえにレッスンは厳しくなりますが、やはり尚先生を慕うスターさんはたくさんいらっしゃいます。

尚先生が振りをつけられた作品で最も有名なのは、『エリザベート』でのフィナーレナンバーでしょうか。

特に男役群舞は特徴的な動きが多く、男役さんの魅力が最大限に活かされていてとても素敵ですよね。

代表作

  • エリザベート 2幕

喜多先生の愛弟子・羽山紀代美

現在も多くの作品で振付を行っている、羽山紀代美(はやまきよみ)先生。

羽山先生も元タカラジェンヌで、星組の娘役でした。

その高いダンススキルを後輩たちにぜひ教えてほしいと劇団から依頼され、喜多先生に弟子入りし、振付家としての基礎を学んでいきます。

羽山先生は娘役出身ながら男役さんの魅力を存分に伝える独自の特徴的な振付が多く、生徒からもファンからも大人気の振付家です。

2005年には『羽山紀代美ダンスリサイタル ゴールデン・ステップス -1975〜2005-』と冠して、これまでに発表してきた代表的な場面を集めたイベントが催されました。

トップスターを含め、当時在籍していた月組・雪組・星組の現役タカラジェンヌたちが揃い、名場面を次々に踊り継ぐという伝説的な素晴らしいイベントでした。

「この振付は羽山先生だな!」と分かるほど、現在も本当に見事な振付をしてショーの底上げに尽力してくださっています。

代表作

  • ヒート・ウェーブ
  • ベルサイユのばら
  • 国境のない地図
  • エリザベート
  • アクアヴィーテ‼
  • シルクロード(黒燕尾)

まだまだ続く宝塚の名振付家たち

「宝塚の振付家といえば?」と訊かれたらまずはこの3名の先生方を語らずにはいられませんでした。

この世には実に様々なダンスの種類が存在しますが、宝塚でのダンスというのは唯一無二、世界でここでしか見ることのできない大変貴重な芸術です。

その芸術作品を無から作り上げてきた偉大なる3名の先生たち。

喜多先生は1999年にご他界されましたが、尚先生と羽山先生は現在も第一線でご活躍されている重鎮です。

公演プログラムにある振付家の名前をチェックしてみれば、どの作品にも必ずお2人のお名前を見つけることができると思いますよ。

さて、後編は中堅~若手の座付き振付家と外部の先生をご紹介していみたいと思います.

↓後編はこちら