宝塚歌劇団にはスターシステムが採用されており、各組の頂点に立つ男役を「トップスター」と呼び、そのトップスターの相手役を務める娘役のことを「トップ娘役」と呼んでいます。
両者ともに選ばれた人物だけがその頂点に立つことができ、宝塚歌劇団に入団した多くのタカラジェンヌの目指すポジションとされています。
宝塚ファンの皆さんも自分のご贔屓がトップスターやトップ娘役になれるか、下級生であればスター路線に乗れるかどうかドキドキ…期待しながら応援している方もいらっしゃるでしょう。
今回は花組で路線に乗り始めた娘役・星空美咲さんをご紹介します。
星空美咲さんのプロフィール
愛称・みさき。身長164㎝。神奈川県鎌倉市出身。
2019年、105期生として入団。
宙組公演「オーシャンズ11」にて初舞台ののち、花組に配属。
聖乃あすかさんバウホール初主演作品「PRINCE OF ROSES－王冠に導かれし男－」（2021）にてバウホール初ヒロインを務める。
その後、水美舞斗さん東上初主演作品「銀ちゃんの恋～銀ちゃん、本日も反省の色なし～」（2021）にて東上初ヒロインを務める。
現在、研究科3年にしてバウホール公演・東上公演のヒロインを経験しているが、105期生の中では両者経験済みなのは彼女だけである。
注目されたきっかけ
美咲ちゃんは宝塚音楽学校時代から元月組トップ娘役・愛希れいかさんに似ていると注目されていました。
すみれ売りの様子をお見かけしたとき、「ちゃぴちゃんのドッペルゲンガー？もしかして妹さん？」とちょっとしたパニックに陥ったほどです（笑）
お顔の小ささ、目鼻立ちの愛らしさ、娘役としては長身なところ…ビジュアルだけでもそっくりなのに、いざ舞台に立っている姿を拝見するとこれまたびっくり！
ダンス良し、歌良し、芝居良し！まさに第二のちゃぴちゃん！
宝塚歌劇にたくさん貢献したちゃぴちゃんのような何でも出来る娘役を育てるために劇団が美咲ちゃんを推したい理由も分かるような気がします。
既に出来上がっている部分が多いですからね。
「銀ちゃんの恋」で露わになった実力
「銀ちゃんの恋」の配役発表があり、美咲ちゃんがヒロイン小夏役を演じると決まったときは驚きました。
というのもバウと東上のヒロインはしているけれど、実は新人公演ヒロインはまだなんですよね。
順番が通例よりも異なるところはありますが、新人公演も中止されている時期だったので納得でもありました。
男役さんよりも娘役さんの方が抜擢は早いところがありますので、新人公演が中止だからこそ、適切なタイミングが必要です。なので今回の配役は当たりだったと思います。
この公演を観る前に、スカステ番組「NOW ON STAGE」を観て勉強してみました。
上級生の中で作品について、役について自分の言葉で話すのはとっても緊張すると多くのタカラジェンヌさんがこの番組の難しさについて語っておられますが、美咲ちゃんも例によってとっても緊張されているご様子。
ツンと突いたら泣き出してしまいそうな儚さがあるのに芯はしっかりしていて言葉に責任を感じました。
ライブ配信での観劇でしたが、カメラを通してもはっきり伝わる存在感。
舞台に立つとガラっと雰囲気を自分色に変えて注目させる力があり、研3とは思えない芝居の厚みを生み出していました。
もともと気になる娘役さんの一人ではありましたが、この公演で一気に大ファンになりましたし、水美さんに臆せずぶつかっていく様子が見て取れたので安心して観劇できました。
きっと水美さんにとっても心強い相手役さんだったのではないのでしょうか？
トップ娘役路線？
現段階ではトップ娘役路線に乗っていると言っていいでしょう。
今の花組、星風まどかさんの後任候補が手薄な印象があります。
公演が減っていて育成の機会も減っている厳しい現状もありますが、少しでも可能性のある娘役さんが現れてほしいという思っています。
音くり寿さんにもチャンスがあるとは思いますが、別格娘役路線に進みつつあるので、余計に下級生の育成が急がれます。
先日、次回花組公演「元禄バロックロック」の新人公演の一部配役が発表されましたが、104期生の美羽愛さんがヒロインに決定しました。
彼女も勢いのある花娘です。
「はいからさんが通る」の新人公演でもヒロインが決定していましたが、残念ながら中止になっているので今回はリベンジとも言えそうですね！
まだ一部発表なのでその他の配役はもう少し後になりますが、波に乗ってる美咲ちゃんも良いお役が付くのではないでしょうか。
本公演の人物相関図を見ると水美舞斗さん演じるコウズケノスケに付くツバキ（くノ一）を美咲ちゃんが演じるようです。
路線として注目度も上がっているので出番やセリフが多いと嬉しいですね！
いかがでしたか？
まだまだ化ける要素たっぷりで振り幅無限大の娘役・星空美咲さんに今後も目が離せませんね！
