宝塚歌劇団の魅力の一つといえば、あの豪華なお衣装です!
役柄をイメージしてデザインされ、
再演の作品ですと、同じ作品の同じ場面のお衣装でも、
生徒さんのイメージに合わせて布地の柄や
デザインを変更することもあります。(リボンをつけたり、無地の布地から縞模様に変更したり…)
生徒さんの魅力を引き出し、作品に彩りを添えるお衣装ですが、
様々なお衣装の中でも、今までに
豪華でびっくりしたお衣装3点をご紹介します。
『スイートタイフーン』
1991年 雪組
第19場 フィナーレの鳳凰の金のお衣装
パレード前の場面で、トップ男役の杜けあきさんと、
トップ娘役さんの鮎ゆうきさんが鳳凰に扮する場面です。
これまでの場面からガラッとイメージが変わり、
金色のお衣装で二人共黄緑の羽根を背負い、
頭飾りにも黄緑色の羽根が付いていて、
とにかく豪華!という印象でした。
この後のパレードがシンプルな白のお衣装で、
杜けあきさんを含め、羽根を背負っている方がいなかったので、
余計印象に残っているのかもしれません。
『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』
鏡の間のエリザベートの白いドレス
『エリザベート』の初演以前にも
『ベルサイユのばら』のマリーアントワネットなどのお衣装は
フランス王妃に相応しく豪華だなと思っていました。
しかし、『エリザベート』の鏡の間の白いドレスは、
薄い布を幾重にも重ねてふわっとしていて、
肖像画から抜け出したようなドレスで、
今までの宝塚の衣装の概念を壊したお衣装でした。
宝塚ファンの方も、初めてこのお衣装を見たときは
大きな衝撃を受けたのではないでしょうか。
スパンコールが沢山ついているような
派手な装飾のある、キラキラしたお衣装ではないですが、
エリザベートの気品と強い意思と儚さが表現されています。
このお衣装を着ることで、
エリザベートを演じる生徒さんは
エリザベートに更に近づくことができるような気がします。
このお衣装は、エリザベートを演じる生徒さんの意見も反映され、
白羽ゆりさんは肖像画に忠実に、との希望で
デコルテ周りに紺の細いリボンがあしらってあります。
エリザベートの白いドレスは
宝塚の衣装を着て撮影ができるステージスタジオでも着られます。
宝塚の娘役さんだけではなく、ファンの方にも人気の一着です。
『イッツ・ア・ラブ・ストーリー』
1993年 花組
パレード エトワールの月影瞳さんのお衣装
このお衣装は、スカートのウエスト部分から広がる
ドレスと同じ生地が大階段いっぱいに広がり、
月影さんは男役さん達に生地を持ってもらいながら
大階段を降ります。
光沢のある紫の生地にはたくさんの蝶の刺繍が施されていて
頭飾りもティアラ・白い羽根・金の蝶の飾りととても豪華です。
このお衣装は、豪華というだけではありません。
今までご紹介してきたお衣装を着ていたのは
トップ男役さんかトップ娘役さんだけでした。
しかし、このお衣装を着ている月影瞳さんは、
トップ娘役さんではなく、しかもまだ研4でした。
最近ですと2020年『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』の
真彩希帆さん演じるデボラの
「ヴァンダービルド・フォーリーズ」のピンクのお衣装も、
大階段いっぱいにピンクの生地が広がり
羽根がふんだんに使われていて、
ブロードウェイの女神に相応しく素敵でした。
それでも、トップ娘役さんではない月影さんが
こんなに豪華なお衣装を着ている…!
というのが当時とても衝撃的でした。
もし見たことがない方がいたら、
一度ぜひ見ていただいて、
同じ衝撃を受けていただきたいです!
最後に
豪華でびっくりしたお衣装3点をご紹介しました。
いかがでしたか?
宝塚のお衣装を華やかに彩るスパンコールや
パール、ストーン、レースは
衣装部さんが手縫いで一つずつ付けています。
お衣装は衣装部さんの汗と涙の結晶です。
また、その豪華なお衣装に着せられることなく、
衣装に負けない生徒さんは、
やはりスターと呼ばれるに相応しい存在なのだと思います。
豪華なお衣装は宝塚を観る楽しみの一つですので、
ぜひ注目してみてください!