昨日宝塚歌劇団星組の2番手スター愛月ひかるさんが、宝塚大劇場での千秋楽を終え、本拠地宝塚での公演を卒業されました。
寂しい気持ちでいるファンの方も大勢いらっしゃるかと思います。
退団っていう単語が好きなヅカオタはいないですよね。
ですがヅカオタである限り絶対に避けては通れないものでもあります。
けれども退団は誰しも辛く哀しい想いをするのに、どうしてなくならないんでしょうか?
そもそもどうして退団をしなければならないのか。
そこに今回は焦点を当ててお話していこうと思います。
さて、まず宝塚歌劇団では、なぜ退団というシステムが存在するのか。
循環のため
それは循環のためです。
宝塚には退団というシステムと同様に入団というシステムがあります。
退団というシステムが存在しない限りタカラジェンヌさんの人数は増え続けてしまいます。
そうするとどうなるのか。
組子の人数が莫大に膨れ上がります。
舞台芸能として人数が多い方が豪華に見える演出はありますが、あまりに人数が膨れ勝手しまうとそれはもう収拾のつかないものとなってしまいます。
終わりあるものの美しさ
そしてもう1つは終りがあるものの方がより美しく、そして惹かれていくもの、という人間の特性に基づいたシステムというところです。
退団は辛く哀しいものではあるのですが、退団間近になるとこれまで以上にタカラジェンヌさんが輝いて見えてしまうことってありませんか?
終りゆくタカラジェンヌとしての人生を最高に謳歌されているその瞬間がとにかく愛おしく、そして美しく儚くもあります。
あっては欲しくないけれども、けれどもその最後の瞬間まで見逃せない最大の魅力がある、それが退団というシステムです。
退団後は?
退団をして第二の人生を歩まれる皆さんは女優さんとして、TVや映画等の映像部門やそのまま舞台女優さんとして活動される方もおられれば、タレントさんとして活動されたり、舞台の裏方さん・ダンサーさん等とにかくその道は多岐にわたっています。
ご結婚されたり全く別の道を歩まれて表舞台からは去っていく方もおられますが、多くの皆さんはSNSでご自身を発信してくださいますよね。
そこで見ていてふと感じるのですが、元男役さん達の【女性】に戻るタイミングって様々ですよね。
現役時代はずっと短髪でメイクもそして私服もずっと男役として生きてこられた方々が退団されてから徐々に女性へと変わっていかれます。
けれども中には七海ひろきさんや美弥るりかさんのようにずっと男役というわけではありませんが、【七海ひろき】として【美弥るりか】として生き続けられている方もおられます。
ご本人達曰くムリをされているわけではなく、ご自身の好きなようにしていてそれが今の姿なのだということです。
ファンとしては急な変化に戸惑ってしまったり、やっぱり男役の姿が好き!という方も多くおられますから、こういった第二の人生を歩んでくださるというのは嬉しいものですよね。
もちろんお2人ともお仕事では女性のお姿になられることはありますが、それは宝塚在団中も同様。
ご贔屓さんが幸せであれば全て良し
こうした元ジェンヌさんを見ていると一体【退団】ってなんだろう…?という疑問もわいてくるのですが、ご贔屓さんが幸せそうであれば楽しそうであればそれで全て良し、というもの。
退団後すぐにはSNSにも現われず、表舞台から姿を消してしまう方もおられるのですが、数年後にひょいっと元気なお姿を見せてくださることもあるあるではあります。
退団後すぐにはファン皆さんの傷も癒えぬ状態ではあるかもしれませんが、思い続ければ好きで居続ければ、もしかするといつかまたご贔屓さんに巡り会える日がくるかもしれませんよ。