どうも宝塚ファンの皆さん、明けましておめでとうございます。
今日はお正月にお披露目公演となった、月組“今夜ロマンス劇場”の観劇レポをお話しします。
※ここからはネタバレを含みます。個人的な見解も含まれますのでご注意ください。
気優しい健司役のれいこさん(月城かなと)
月組トップスターとしてれいこさんが演じたのが、映画監督を夢見る牧野健司。
前回の大劇場公演の役柄とは打って変わって、心優しい青年役です。
助監督として働く傍ら、ロマンス劇場という古びた映画館で、白黒映画に登場する美雪(海野美月)に恋しています。
私の感想としては、前回大劇場公演で演じた桜嵐記(おうらんき)の楠木正儀のような、戦好きな男らしい役が、れいこさんには合っているのではないかと思いました。
しかし2回目観劇に行ったとき、ストーリーの結末を知った上でもう一度みたら、れいこさん演じる健司の静かな愛情表現が心に沁みました。
別のファンの方で、物語の結末を知らないまま見た方が泣けると言う方もいましたが、男らしいれいこさんが好きな方は、前もって内容を把握していた方が今回の役どころの良さを感じやすくなるかもしれません。
海乃美月が魅せる、お転婆王女美雪
うみちゃん(海乃美月)も、前回大劇場公演で演じた、おしとやかな楠木家次男の嫁百合役とは打って変わって、モノクロ世界のじゃじゃ馬お姫様美雪を好演しています。
言葉遣いも“無礼者!”と言ったり、れいこさん演じる健司に“しもべ”と呼ばわりしたりしています。
それでも、世間知らずで天然な役どころが、どこか憎めないキャラクターとなり、観客を惹きつけていました。
もちろん手足の長いスタイル抜群なうみちゃんのドレス姿は、女性でもうっとり見入ってしまいます。
健司との最後のシーンも、涙を誘い切なくも純愛を貫いた2人を見事演じ切っていました。
この新トップコンビは、「芝居の月組」に相応しいスター性で、これからの月組を、引っ張っていってくれることでしょう。
ハマり役!鳳月杏の昭和トップスター
今回鳳月さんが演じたのが、昭和の映画トップスター俊藤龍之介。
“ハンサムガイシリーズ”で人気を博しています。
言葉遣いも“あばよ”や“マブイ”などの昭和用語を多用し、うみちゃん演じる美雪を見た時の口笛を鳴らすその姿は昭和スターそのもので、会場から笑いがおきていました。
コミカルな物言いですが、トップスターとして健司の恋心を諭すシーンもあり、切ないラブストーリーの中で独特な存在感を放っています。
Blurayが発売されたら、ぜひ鳳月さんのスターアングル多めでお願いしたいところです。
うざキャラだけど、イケメンぶりは隠せない暁千星の大蛇丸
先日星組への組替え発表で、宝塚ファンを驚かせたARI(暁千星)
映画ロマンス劇場では登場していないキャラクター大蛇丸(おろちまる)という役どころで、
美雪が住む世界の隣国の王子です。
美雪を手に入れたいためしつこく付きまとってきます。
そのため美雪からは嫌われていて、美雪が映画の世界から逃げ出す理由の一つとなっています。
ARIは黒を基調怪とした衣装を身にまとい、怪しさを表現していますが、あのイケメンぶりは隠せません。
それを隠すかのように、指を必要以上に動かしたり、話し方をねっとりした感じにしたりして、大蛇丸の役を上手に演じています。
大蛇丸の従者、雨霧(天紫 珠李)と狭霧(礼華 はる)とのやり取りも面白いので、ここにも注目してみてください。
名脇役たちの演技にも注目!
うみちゃん演じる美雪の三獣士の狸吉(蓮つかさ)(休演)、虎衛門(英かおと)、鳩三郎(柊木絢斗)のやり取りも愛らしく、クスッと笑ってしまうシーンやジーンと心にくる場面もあるのでこちらも必見です。
特に印象に残ったのが、ロマンス劇場の館主役の本多正(光月るう)が、れいこさん演じる健司とは別のラブストーリー背景があるので、より物語の切なさが増していきます。
ラストの舞踏会のシーンで、台詞はありませんが、本多正のハッピーエンドも描かれているので、ぜひ見つけてみてください。
公演が継続できれば、ライブ配信も観られますよ!
東京で予定されていた花組の公演の一部、雪組は全公演がコロナの影響で中止になってしまいました。
月組の公演もいつ同じような状況になってもおかしくありません。
その中で私たちができることは、観劇の際は体調を万全にし、会話は控えることです。
残念ながら、それが出来ていないのが現実。
月組の公演の継続、花組公演が再開したら、またそれを徹底していくことを、一緒に心掛けて、楽しい観劇をしていきましょう!